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現実と幻が溶ける感じの短編小説。
日常に不意に差し込む非日常的な出来事に、心地よい戦慄を覚える。
飄々とした主人公も魅力的。
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「おまえが殺したんだよ、おまえの奥さんは」と友人は言った。
というオビの文句、短編(中編?)集で最後の最後まで出てこないのは反則じゃないの…と思いつつ楽しく読めた。ホラー混じりの謎解き。きちんと納得のできる答えが出るのが好きなので、「幻影キネマ」が一番好きかなぁ。夜行列車への憧れは止まらないので、「夜明けのガスパール」は別格。羨ましい。
月の裏側はおぼろげな記憶しかないので、いずれ読み返したいなぁ。
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登場人物の心情・世界の描写が、本当に素晴らしい。奥行きが深く、読んでいるだけで心地が良い気もしてくる。
主人公の男を取り巻く、様々な奇妙な現象を楽しむ物語。この現象は、”不連続”に起こり、決して連なることはあり得ない。それでも、主人公の経験や感覚は連なりを見せ、成長する。
実はこの主人公。優秀な部類ではあり、様々な面をとっても優れているのだが、どこか人間味に欠ける。しかし、最後の現象では、その主人公の弱い部分が見え、どこか読者もほっとけなくなるような心持になる。きっとこの小説は、この主人公を好きになるためにあるんだなぁ。
短編で構成されているので非常に読みやすいです。とてもとても不思議なお話ばかり。「あっ」と思うことが多い。ワクワク感が止まりません。お勧めです。
それにしても著者の表現力は本当にすごいなぁ。一つ一つの言葉がじんわりと頭の中に広がります。決して難しくないです。すごいなぁ。
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「おまえが殺したんだよ、おまえの奥さんは」と友人は言った。
文庫本の赤い帯に書かれた黒い文字が印象的で、思わず手にとってしまいました。
大手レコード会社のプロデューサー塚崎多門の日常に現れた不可思議の数々。淡々とした文章ながら、「どうなるんやろ?」という期待を抱かせる、4つの不思議な短編集。
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最初ははっきり言って、面白いとは思えなかったが、読み進めるうちに引き込まれた。多聞の不思議なキャラが、しっくりと
馴染んできて、味わい深いものを感じるさせた。
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これはもう、恩田ワールド全開ですね。
主人公がすごくいいキャラしてます。
ゆるさとシャッキリ感が程良く混在していて、魅力ありますねぇ。
自分の事って、自分が一番分かってない気がする。
周りの事は理解しようと思えば出来るけど、自分についてはそれが出来ないというか・・・。
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多聞さんのキャラがイイ!最後のお話はありがちな展開でしたが、まさか多聞さんが!?っていう感じでした。
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最初読んでいるうちに、オカルトかよ~ むー!
って思ったら結果そうじゃない。
その辺は好感度持てるけど、ちょっと好みからは外れている作品が多かったです。
『夜明けのガスパール』は良かったけどね。
( ・_ゝ・)<有耶無耶感残る
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久々に恩田陸作品を読んだ。安定の恩田陸が感じられる一冊。
ミステリでホラーであっという間に読み終わっちゃう。すらすら読めてすっごく楽しい。
大衆、無意識の集合体、記憶の曖昧さ、恩田陸の描くテーマはぶれない。恩田陸を読むと、ほんとうに、人間ってそれぞれの世界があるんだなあ、見えているものが世界なんだなあ、と思う。認識がすべて。
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なーんかぼっさーとした本だった。
恩田氏があとがきで書いていてやっぱりねーと思ったけど、
ある作品は彼女の夢が下書きらしい。
いや、全編そんな感じです。
不連続の世界って言い切られているから仕方ないの?
というくらい、主人公こそ1名なんだけどまー、つながりのない。
最後にまとまるでもなく、なにかが起こるでもなく、
いや起こるのだが、もっさーとしている感じしかなかった。
ぱっさぱさのパンを食べてたら、うっかり奥が餅みたいに固まっていた感じ。
いやはやすっきりしないわ。だめだー。
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「月の裏側」の塚崎多聞を主人公にした短編集。
*木守り男
*悪魔を憐れむ歌
*幻影キネマ
*砂丘ピクニック
*夜明けのガスパール
「月の裏側」もそうだったけど、多聞は<信用のならない語り手>なのだ。
と、わかってて読んでるのに、やっぱりなんかぬらりくらりと妙な所につれていかれる。
そう。この短編集の感触は、どこかに着地するのではなく、流されるというのが近い。しかも流れ着く先については、作者も「知らないよ」っていってる感じがする。
結局は、多聞がどこか他人を寄せ付けないところがあるからなのだろう。
故に、シンクロを覚えない。
かといって、他の人物にシンパシーを覚えるわけでもない。
切断された個の思いだからこそ、不連続なのかと、思った次第である。
でも、「夜明けのバスパール」のオチは、ちょっとないなと思った。
まぁ、多聞というキャラクターを決定づけるものではあるんだけどね。
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塚崎多聞はたびたび奇妙な出来事に出くわす性分らしい。しかし、その状況に慄くわけでもなく、興味の赴くままの行動と聞き役上手さが相成って淡々と謎を解明していく。そんな多聞自身が「おまえが殺したんだよ、おまえの奥さんは」と友人に夜行列車のなか告げられる最終章。。。
全体的に驚愕するほど恐ろしい話ではないが、常に静寂な空気がまとわりつく感じ。しかし、それは決して居心地が悪いわけではなく何処か懐かしさを感じてしまう、これこそ恩田ワールドなのだろうか。
トラベルミステリーなので日本の各所が舞台となる。『木守り男』は最初の2、3行を読んで、いま私自身が通勤路にしている神田川沿いの風景がすぐに浮かんだ。『あとがき』を読むとずばり恩田氏の散歩道だったので納得!! これからあの川沿いを通るときは『こもりおとこ』を捜してしまいそうだwww
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『月の裏側』ってどんなハナシだったっけ。。。
ハードカバーの帯の文言は凄く刺激的でしたが、文庫化されて裏表紙に粗筋が付いてしまうとダメね。
旅の雰囲気やよし。ハナシふつー。
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月の裏側とは少し雰囲気が異なる。どちらかと言うと北村薫っぽい。そういえば北村薫もポーの大鴉を題材にした文章書いていたなぁ。
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一つ一つは短いお話だけれども、
どれも続いています。
最後のお話ではびっくり。
不思議な世界観のあるお話なので、
入り込むまでに一苦労してしまいました。