紙の本
主人公の掴みどころの無さが、不思議に魅力的なのだ
2011/12/30 21:21
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mayumi - この投稿者のレビュー一覧を見る
「月の裏側」の塚崎多聞を主人公にした短編集。
*木守り男
*悪魔を憐れむ歌
*幻影キネマ
*砂丘ピクニック
*夜明けのガスパール
「月の裏側」もそうだったけど、多聞は<信用のならない語り手>なのだ。
と、わかってて読んでるのに、やっぱりなんかぬらりくらりと妙な所につれていかれる。
そう。この短編集の感触は、どこかに着地するのではなく、流されるというのが近い。しかも流れ着く先については、作者も「知らないよ」っていってる感じがする。
結局は、多聞がどこか他人を寄せ付けないところがあるからなのだろう。
故に、シンクロを覚えない。
かといって、他の人物にシンパシーを覚えるわけでもない。
切断された個の思いだからこそ、不連続なのかと、思った次第である。
でも、「夜明けのバスパール」のオチは、ちょっとないなと思った。
まぁ、多聞というキャラクターを決定づけるものではあるんだけどね。
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月の裏側の関連作品。短編集。
月の裏側は恩田陸さんの作品の中で私的Top5に入るから嬉しい!
そして数えてみたら48冊目の文庫でした。枕辺の小さい本棚にずらっと並べてるけど壮観どす。
月の裏側からするとパラレルワールド的な感じなのかなぁ。
明確に繋がってるわけではないそうです。なるほどのタイトル。
あとはクレオパトラの続編もこないかなー!
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尾道と映画、鳥取砂丘と上田正治、サンライズと讃岐うどん。
訪れたことがある場所がいろいろ出てきて楽しめた。
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月の裏側の多聞さんの話。
ずっと読んで見たかったから、文庫になって嬉しい。
で、本の内容は不思議な世界が広がり、あっというまに引き込まれる。
やっぱり恩田陸好き。
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茫洋とした多聞さん。こういう人は好みです。つかみどころが無いところが良いのです。一言では表せないところにあこがれます。
尾道と砂丘に行ってみたくなりました。
夜行列車で夜明かしするのは、どこか違う世界に行ってしまうようで、怖い気がします。
文庫版のあとがきに、「多聞に 地震も津波もない、不連続の世界の東北を旅させたい」とありました。あの日から続いている今日の東北は……
と考えると胸が痛みます。
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月の裏側の多聞くんと
puzzleの黒田くん(最後の短編のみ)
登場の旅情ミステリ?
神田川と
奈良と
尾道と
鳥取と
電車。
最後だけ多聞がキャラ揺れな気が……
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恩田陸作品で私が大好きな、不条理感や幻想的な世界観が統一されていて、とても面白かった。各話の最後には一見合理的な解答があるにもかかわらず、このキモチ悪さやそこはかとない恐ろしさは、さすが。不条理なのに世界が美しく完結しているあたりが、私も恩田陸作品を好きな理由かも。
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ジャンル分けも評価も難しい本だなぁ。
この本自体が
境界のあいまいさを楽しむ感じだから
それでいいのかな。((?-?))
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なんだか、うーむって感じの本。爽やかな朝日の中よりも、暗めのレトロな喫茶店で読みたいかなー。
全体的に退廃的な雰囲気漂うかんじです。答えでたのにすっきりしない感がやみつき。
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正直がっかり。
帯の文句に惹かれて買ったけれど、衝撃のオチも無かったし、ミステリー特有のゾッとする感じもなく終わった。というか最後は友情?感動?
最初の出だしがなんだか青春で出てくる登場人物も日本人でなかったりと不思議な世界に誘われそうな雰囲気だったから、余計がっくり。
あーあ、残念。
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主人公が同じ短編集; 不思議でもない話がつながっているようで,繋がっていないようで,繋がりは最後になってやっと判明
池袋LIBROで購入; 11/7読み始めて,読了
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塚崎多聞が、日常に潜む、ちょっと怖い状況を、推理して整理していく短編集。
最後は多聞の混乱が描かれているんだけど、自分を振り返って、もしかして思い込みで、大事な事を見て見ぬふりをしていないかと、疑いたくなります。
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読み始めたらサクサク読めました
あっさりとした小説です
あまり深く考え込みすぎないミステリーが読みたいなという人に
おすすめだと思います。
実際ミステリー小説ほぼ初心者ですが読めました。
主人公多聞のキャラが好きです
巻き込まれ型・周囲和ませタイプの主人公の話が
好きな方は是非。笑
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現実と幻が溶ける感じの短編小説。
日常に不意に差し込む非日常的な出来事に、心地よい戦慄を覚える。
飄々とした主人公も魅力的。
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「おまえが殺したんだよ、おまえの奥さんは」と友人は言った。
というオビの文句、短編(中編?)集で最後の最後まで出てこないのは反則じゃないの…と思いつつ楽しく読めた。ホラー混じりの謎解き。きちんと納得のできる答えが出るのが好きなので、「幻影キネマ」が一番好きかなぁ。夜行列車への憧れは止まらないので、「夜明けのガスパール」は別格。羨ましい。
月の裏側はおぼろげな記憶しかないので、いずれ読み返したいなぁ。