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普段接する事のない世界の話である一方で、女性としていつも置かれている世界の話でもある。
驚いたのは司法の世界でどれだけ性差別があるのかと言う話、調書には男尊女卑のような記述がされるなど。
この本を読んでいると男女が同じ立場、感覚で付き合うことは不可能なのかと考えさせられる。
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木嶋佳苗、角田美代子、上田美由紀、下村早苗、畠山鈴香
など毒婦をテーマに、
フェミニストな論客3名でだべりまくる。
女性は、男性を殺した女性犯罪者に自分を同一視するが、男性は女性を殺した犯罪者と自分はいかに違う存在かを力説するという。これは、女性が男性に力で圧せられていることへの反逆を、男性は弱い部分に付け込んでの卑劣な犯罪であることの嫌悪を感じているからなのかもしれない。
また、一般的にモテる容姿ではない木島佳苗が圧倒的なケア力でモテていたというのも、なるほどと思った。
3人のお話は、ある意味、暗黙知が共通的な立場の方々なので、話が通じあうことで、若干ヒートぎみに上っすべりになるところもあった。
(信田さんもあとがきで「ついつい話すぎてしまい失言かなと思う部分もあったが、ま、いいかと思ってそのまま掲載することにした。」と述べており、まさにこの通りの本かなと思います。)
ただ、3人とも、自分の意見をなんとなく流すところなく、議論する感じはさすがでした。
学者、研究者なので、どうしても分析的、分類的になるのでしょうが、
当然、「男は~」と男を敵視したような発言も多々あり。
世界を支配している権威(強いもの)に対するアンチと分かっていても、
この3名の論客は十分強く感じるので、なんかそこまで男を敵視しなくても
と感じてしまうところもあり。
考え方として、「男」という仮想敵があるところから考えがスタートしているように聞けてしまうのが、逆に視野を狭めてしまっているようにも見えて。
ジェンダー関係は性差が出発点になるのでそういう展開なんでしょうが。
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読みやすいし、面白い。
本当にただ3人のおしゃべりを横で聞いているようで、何か特段新しい気づきや発見はないのだけれど、こーゆーおしゃべりがそれぞれの著作につながるんだと思う。
あ、フェミニズムはおしゃべりってみのりさんが書いていたことはとても好きで、「事件を自分に引きつけて考える女と切り離す男」という視点はジェンダーなのか個人差なのかこれは考えたい。
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社会学者の上野千鶴子さん、心理学者の信田さよ子さん、女性向けアダルトグッズの店をやっている北原みのりさんの対談本。テーマは「毒婦」(と呼ばれた女たち)。木嶋佳苗や角田美代子、東電OL、畠山鈴香など。
その事件だけにはとどまらず、女性を取り巻く社会について、さまざまな視点から描かれている。私が1番衝撃を受けたのはここ。
P143-144
『彼女たちは、誰かの性的対象になることで、自分のアイデンティティを復活させようとする。アイデンティティって言うのもおかしいんだけど、性的対象にならなければ自分というものが存在しないっていう自分、を持っている人たちが一定数いるわけですよ。…中略…自分が性的な女性としてセクシャルな身体をもつことによって、自分をボコボコにしていた父親が私を認めてくれるんだ、と感じる。こうやって、娘は性的な眼差しの中であれば自分も生きられるんじゃないかと思うようになるんです。』
私は父にボコボコにされていたわけではないけど、近いことが起こっていたのだと思う。そして母がそういうセクシャルな女性ではなかったから余計に、私はそちらに行きたかったんじゃないかな。