紙の本
作者得意の、複層化構造のミステリー
2002/03/17 18:42
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投稿者:やすみつ - この投稿者のレビュー一覧を見る
15年前と似た形での連続失踪事件が起こる。独自に調査を行うライター。
15年前に犯人とされた「少年A」が再び関係するのか。少年法の保護についての問題提起もされている。
最後にあっと驚く真相が! というのがこの作者の恒例だが、長丁場を一気に読まないと疲れてわけがわからなくなりそう。
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以前、折原一の「誘拐者」を読んでいたので、その前作に当たる「失踪者」を読んでみました。
例によって例のごとく、独特の折原ワールドを構成する書き方で、過去現在など時間軸の交差を折り混ぜながら、読者をミスリードする。しかしながら、策が似通っているせいか、一度この世界を読んでしまったものにとっては、ミスリードされていることを意識してしまう欠点があります。事実のこの500ページ以上の大作でも半分の時点で犯人が分かってしまいます。犯人当てに論理性は必要ないです(笑)。あとでどうにでも理由付けできますから。
この作品は少年法の問題を取り上げているのですけど、そのテーマはこうした文章構成のおかげで、宙ぶらりんになっており、、、、読者をだますことに主眼をおかず、もっと正面から深く取り組んでも良かったのではないだろうか。
2003.11.16
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『冤罪者』→『失踪者』→『沈黙者』とお読みください!
どんなに見破ろうとしても折原氏の叙述トリックは見破れない!
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連続失踪事件の容疑者として逮捕された少年Aと、同じ場所で15年前に起きた失踪事件の容疑者少年A。二つの事件は関連性があるように見えるが・・・。少年法に守られた少年犯罪がテーマです。
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折原さんだなーっていう感じの作品。彼の作品は数作しか読んでないけど、なんだか彼ぽいて思った。時間軸が違うのはなんだかズルイって思う。
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いくつかの誘拐事件や殺人事件を犯人の視点で書く。
↓
同じ事件を被害者・被害者の家族・容疑者・容疑者の家族・犯人の家族の視点で書く。
↓
それぞれいくつかの章に分ける。
↓
全てを適当にシャッフル。
↓
折原一ミステリィのできあがり!
こんな感じかしら。
このシャッフルが面白いんだなぁ。
時を超えて起きた同じような事件。
それぞれの事件に関わってる人たちの生い立ちや家族構成なんかが似通ってるから、どっちの事件のことを書いているのか分からなくなる。
その辺が「冤罪者」と共通してるかな。
それに、時間が前後しているところも共通。
読み終わってから、つじつまが合うのかもう一度読み返してみた。
うーん、、、すごい。
大きな矛盾は見当たらない。
最後につじつま合わせの様な告白の手紙があるから、それで大抵のことは説明されてるし。
強いて言えば車の中の血痕が謎なくらいか。
読みながらも、あたしって今すごく騙されてるよね?絶対騙されてるよね??って分かってるんだけどやっぱり騙され、読み終わった時には「やられた!」って思う。
でもすっきり満足。
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こちらは叙述ミステリーです。
15年前と現在、二つの良く似た事件が絡み合い、文章の視点も形式も次々と変わるので始めのうちは内容が掴みづらいのですが、慣れてくると謎が謎を呼ぶ感じで気になってサクサク読めてしまいます。
そして見事に騙されました(笑)
まさかあの人がああだったとは…!
この『失踪者』とシリーズになっている作品が他にもあるようなので、それも読んでみたくなりました。
図書館で探してみようかな。
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15年前に起きた3人の女性失踪事件、そして浮かび上がった容疑者「少年A」。再び起きた3人の女性失踪事件、再び容疑者になったかつての「少年A」と新たな「少年A」。少年Aの正体は分かりやすいかな(笑)しかし15年前の事件の真相は良かった(笑)折原一は読者を騙そうとして罠が色々はってあるけど、たまにその罠が多すぎたり複雑過ぎてゴチャゴチャになってしまったりしたけど、これは良かったな(笑)
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15年前、三人の女性が消えた。失踪は決まって月曜日、そして「ユダ」というメモが残されていた。
15年たった現在、一女性の新しい死体が発見され、そのそばには「ユダの息子」のメモ。
その後、15年前の失踪者と思われる女性の骨が二体分発見され、ノンフィクション作家とその助手が現在と過去の事件のつながりを追う。
事件そのものが複雑な上、語り方も複雑でわかりにくい。
もう一度読み直そうと思ったが、その気力はもうない。
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少年犯罪をテーマとした、折原さんらしい一筆。
らしいというのは、すなおに真っ向から犯罪を取り上げてるわけではなく
ただひたすら、「手紙」の挿入や、良く分からない心理描写・行動によって
それだけで読者を混乱させる。
そして、文章自体にトリックを仕掛け、読者をだます「叙述もの」という部類。
完全に人を分けるかなぁ。
いきなりのめり込んじゃったり、全くムリって人いたり
どんでん返しで納得いかなかったり。
とにかく人を選びます。
ただ、氏の作品は特徴的なので、普通の作品以外を読んでみたいという方には
結構お勧めかも。
読んでて面倒だけど(笑)
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折原一「失踪者」
「冤罪者」に続く〇〇シリーズ第二弾。
またまたノンフィクション作家が主人公。前作より手が込んでいて読み応えがあった。「少年A」を軸にして、面白い構成になっていました。
この作家の作品は、得体のしれない気持ち悪さがあって、ひやひやする感じがいいです。
ただ、ややこしくし過ぎたおかげで、逆に犯人が浮かび上がってきちゃった感じ。せっかくのどんでん返しが、途中でわかっちゃったのが残念です。また、最後まで真相を引っ張っておいて、都合良く話を終わらせた感じがして、私としてはちょっと不満が残りました。
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埼玉県で連続失踪事件がおきる。そこでは15年前にもにたような失踪事件がおき、ともに少年Aが関与しているとされていた。
少年Aという匿名性が、物語を複雑に、かつ不透明にしていく。
誰も「信用のできない証人」であるようで、誰を信じるべきかと右往左往しているうちに煙まかれる。
この煙のまきかたが、やっぱり上手いなぁと思う。
でもって、複雑さったかたまりが、ゆっくり、そして一気にほどけて一本の糸になる様は鮮やかであるとしか言いようがない。
全てのフラグはあるべきところへ、あるべき形をとって、そこにおさまる。
それは、不思議な調和に満ちた世界だ。
狂っているからこその調和。「少年A」はそんな世界にいるのだろう。
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折原一の著作を読んだのは初めてで、まんまと時系列のトリックにはまってしまい、混乱。しかし作者の手の内にはまるのもミステリの醍醐味。ただし後半の犯人の供述があっさりしすぎているのが残念。
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過去の事件と今の事件がシンクロしていく。
読んでいくうち2つの事件が混ざって混乱します。
長さの割りにラストがあっさりしてる。
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内容(「BOOK」データベースより)
ノンフィクション作家・高嶺隆一郎は真犯人に直接インタビューする手法をとっていた。埼玉県の久喜市で起きている連続失踪事件を調査するなかで、15年前の同様の事件との関連性が浮かび上がる。月曜日に女が消えること、現場に「ユダ」「ユダの息子」のメモが残されること。犯人はまた「少年A」なのか。