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サクッと読みたい人は1〜5章はすっ飛ばして6・7章だけ読んでも参考になります。1〜5は難しいと思う人もいるかも。でも6・7章を読めばかなり参考にしたい部分が出てくると思いますよ
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社会学における質的な研究の意義について事例を出しつつ熱く語る本。
「質的研究」という言葉について聞いたことはあるけどもう一つ良さがわからない、という人は手にとってみる価値はあると思います。内容は特に専門的な話はないので、「読み物」と捉えたら良いと思われます。社会学や心理学に携わる人は読んでおいて良いかと。
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前半はフィールドワークの際に行う取材を行うときの姿勢や考え方が書かれていて、取材をする際の参考になった。後半で「カテゴリー化」を行うときに注意すべき事が書かれていた。ニュースなどで、例えば犯人などの特性をカテゴリー化して説明しているとき、そのカテゴリーは適切なのか一度疑って見る方がよいという指摘。この辺は「情報」をどう疑って見ればよいのか具体的に示されていて分かりやすかった。
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いつも目をそむけたくなるフィールドワークの大切さがひしひしと伝わってくる。この先生の授業が集中講義で受けれるとのことで、楽しみ!
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2007.05 読み物としても完成度が高いと感じた。思わず入り込んでしまった。社会学におけるフィールドワークへの基本姿勢や注意点が理解できた。
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このようなことが「社会学」なのか!という発見の一冊。本題ではないかもしれないですが、なんだか生きずらいなぁと思ったりする方なんかが読んだりしたら良いんではないかと思います。考え方のコツが沢山出てきますし難しい本ではないので気楽に読むと良いと思います。
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単純に社会学の調査って面白いな!って思える本です。社会学を知らない人でも読んでみて欲しいです。理論や分析も大切ですけれど、こういう現場が伝わってくることも大切かな…と思えます。
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社会調査における、「質的調査」を論じた本書。アカデミズムとしてある程度構築された社会調査の世界からは決して論じ切れない、真に「人間と人間がぶつかり合う部分」が書かれている点で、社会学の書としてはかなり新鮮な書であると思います。
何より、日常的に人と接して仕事をしている人々にとって、励ましの書となる内容になっていることがとても素敵です。
やはり、人間と人間がぶつかり合う場面には、理論や技術では論じ切れない・言葉にできない部分があるんだということを、「そのままでいい」と思えることは、何よりの励ましです。
どんな学問をしている人にも、どんな仕事をしている人にも、ぜひ読んでいただきたい1冊です。
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大学院の時、ある後輩が「エスノメソドロジーに最近取り組んでるんです」と言ったことがある。エスニシティ(民族)と関係あるのかとたずねると、「いやいやそうではない」という。じゃあ何かときくと、インタビューを記録して分析するのだという。さらには、「語りが大切なんですよ」とか「話し手と聞き手の関係構築なんですよ」とか、全貌がまったく理解できない説明をされた思い出がある。その「エスノメソドロジー」の中心となる方法論をベースに、様々な研究成果を紹介したのが本書。広く行われている社会調査のような通り一遍のアンケート調査(量的調査)などでは決して浮かび上がってこない出来事(特にマージナル(周辺的)な分野)に着目し、じっくりと相手の語りに耳を傾け、さらには相手の生活領域に自らが入り込んで生活をともにするといった極端な方法をも取りながら、様々な社会に生きている人々の有り様を理解しようとする学問が世の中にはあるのだということが分かる。ノンフィクションや文学に近いと思ったが、これは別にこの分野をけなしているのではなく、評価して言っているつもり。
ただ、この本で取り上げられている被差別部落とか旅芸人とかホモセクシャルとかのマイノリティの声をすくい上げることが、エスノメソドロジーだと考えると、誤解を招く。そういう事例に対する寄り添い方、向き合い方が肝心なのだ。本書のタイトルの「あたりまえを疑う」という姿勢こそにエスノメソドロジーの本質があるのだろう。もちろん、条件反射的にすべて「あたり前を疑う」ようになってしまえば、エスノメソドロジーからはもっとも遠く離れた教条主義的な考え方になることは言うまでもない。
エスノメソドロジーを僕は専門的に勉強したわけではないし、ほぼ無関係の分野を勉強してきたといってもよい。しかし、この本は読む箇所がいちいち腑に落ちた。その理由は、自分の個人的な経験と結びつく。5年前に今の地方の大学に就職して、すぐさま僕が持っていた地方私大学生のイメージはことごとく崩されたという経験がある。学生に質問すればするほど、予想もしない答えが学生から返ってくる。想像以上に学生は自分の世界を持っている。それ以降、教員の仕事の一つは、学生のそういう部分に刺激を与え、伸ばすことにあると思ったのだ。そこで、大学では、狭い学問分野の一過性でしかない知識を与えることよりも、学生に語らせる機会を持つこと、学生の語りに耳を傾けることを大切にしてきた。だから、この本を読んだ時に、エスノメソドロジーとは、自分がこれまで学生に対してやってきたことなんだなと思ったのである。
さらに、この本を読んで、エスノメソドロジーとは、自分がやるだけでなく、その方法を学生に教える意味があると感じた。相手の語りに耳を傾け、そこから何かを発見する。相手と信頼関係を構築し、語りを引き出していくうちに、自分が気づいていなかったことに気づく。結局は自分の認識が変わったことに気づく。「本当に知ること」とはこういうことでしょう。社会の中できちんと人間関係をつくっていく時の基本姿勢ってこういうことでしょう。じゃあ、教育現場で、学生にこういう��とを考えさせるプログラムを作りましょう、ということで、今度やる予定の講義では、この本に書かれていることをかなり参考にするつもり。タイミング的に凄く役に立った一冊でした。学生も必読。
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著者は、研究対象の人や世界をただ「対象化」して、研究者自らは「透明化」しようとするのでは、社会の実態や問題点を具体的に捉えてその認識や変革を目指す社会学のあり方として、おかしいのではないかと考える。その人の世界に研究者が「はいりこみ」、適切に「ききとる」ことがいかに大切なことであるかが、単なる理論や机上の空論ではなく、好井さんのフィールドワークの体験に基づいた熱意と説得力のある言葉をもって語られ、また、他の社会学の本を紹介しながら、その内容を好井さん自身がしっかりと読み解いた上で読者に伝えようという情熱をもって書かれていた。客観的・理論的な社会学ではなく、主体的な社会学、行為としての社会学の実際を伝えようとする好井さんの熱意は、その紡ぎだす言葉の美しさとともに心に響いた。客観的に社会を俯瞰する姿勢で社会学を学ぼうとしていた私の意識に波紋を投じた貴重な一冊である。自分がこれから社会にどのような姿勢で向かい合っていくかを考えるきっかけとなった。
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社会学における、フィールドワークについての本。
あんま知らない分野だったからすごく新鮮だった。
フィールドワークとはいかなるものかっていう概説書じゃなくて、
筆者なりに考えるフィールドワークとはなにか、とか
おもろいと思ったフィールドワークの実践等を紹介してる。
量的調査に縛られがちな現代人は読むべし。
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表題通り、世の中の「普通」と思われていることに、風穴を空けんと説く。相対化とはそもそも社会学的なセンスの王道だ(と思われる)。カテゴリー化の牢=「普通」であることの権力。この辺はフーコー風な議論だ。それは「日常生活での生きづらさ」として表象される。つまり、セクハラオヤジが「コミュニケーションの一つ」とうそぶく一方、不快から逃れられない被害者。「普通」と思われている言動が、現実の身には耐え難い非常識なのだ。自らの中に感じる異和感こそ社会の質を探る導線となる。
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社会学を研究する上で必要なフィールド・ワークについて語られている。
質的調査をする時には「あたりまえ」や「普通」という固定観念や先入観を持たずに相手に向かい合うべきである。
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大学の先生に勧めていただいた1冊。
社会学に対する漠然とした不満や不安と、
そこから来るもっと漠然とした満たされなさに
助言を呈してくれた本です。
社会学って、
三浦展さんのように統計データを使って、「現実」を再編成したり、
内田隆三さんみたいに理論の枠組みにあてはめて社会を考えたりして、
客観的事実として「社会」ってこうですよ!!って示すものなのかと漫然と思っていた。
それを氷解させるための「きっかけ」をくれた本。
好井裕明さんは、「社会」に足がついている人だと思った。
挙げられている参考文献を読んでみようと思った。
主観的に社会を考察してもいいんだと思った。
第7章が特にい!!
私は「普通」ですって言うときそこには権力、排除、侮蔑など様々な「言葉にはならない意味」
が含まれている。だって、普通ですと言明するとき、仮想敵には「普通ではないもの」が含まれ
ているもんww
気をつけよう
また一方で、質的調査の参考書として役に立つと思う。
調査のhow toまでには言及していないので、テキストの副読本として
使えば効果があると思う。
概ね文句はないが、いまふたつは、
1)タイトルとコンテンツに齟齬があるのでタイトルを変えるべき!!
というのも、「あたりまえ」を疑う=エスノメソドロジーのことなんだろうけど…
実際には第6章と第7章でしか言及していないから。
(これは編集者の問題)
2)本書に一貫して言えることなんだろうけど、
これは社会学が「社会科学」であることを否定しているようにも聞こえてしまう。
もうすこし、歩みよればいいのに。
グラウンテッド・セオリーの否定(?)とかはやりすぎ。
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とてもおもしろかった。社会調査を行うときに、質問を用意して回答してもらい、それを統計的に処理して結論を導く。いかにも科学的に見えるけど、こうした方法に私はいつもなんとなく腑に落ちないものを感じていた。この本を読んで、ああ、私の感じていた気持ち悪さはそういうことだったのか、と思った。
普通って何か。あたりまえって何か。同性を愛してしまうゲイの人たちは「普通」ではないのか。ひきこもる人たちは「普通」ではないのか。そして、調査者自身も「普通」であることにどれほど自分がとらわれているかということについて自覚しているだろうか。
社会学をやってみようかな、という人は是非。