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今まで読んできた「学力低下」関連本とは異なる視点。
日本の大学は、入るのが一番難しく、中での勉強と出るのは簡単、という統計データは見たことがあるが、これを人口の変化や女子進学率の上昇などと組みあわせて、大学の入試制度と大学教育の問題だと論じている。
大学関係者からは反論もあるだろうが、考え方としては非常に参考になった。
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2010/1/23 Amazonより届く
2010/1/24 一日で読了
最近の大学生の学力低下を主題に現在の教育制度の矛盾を論評している。大学教員が自分達の無策を棚に上げて学力低下の原因を高校などに押し付けている、というのは一理あるとは思うが、問題はそれだけではないだろう。途中ででてくる校内暴力、援助交際やモンスターペアレントの出現の原因について、一概には言えないが、としつこいくらい繰り返し結論的には自分の言いたいところに落とす論理構成はフェアではない。著者は大学入試をまず変えることで、高校以前の教育はがらりと変わるはず、というが、それだけではおそらく変わるまい。一流大学出の人間しかとらない企業、大卒だけが価値がある、とする日本人の認識全体を変えなければ。最近の政治の世界もそうだが、誰か、どこかに責任を押し付けてすむ問題ではないと思う。
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少子化の影響で誰でも大学に入れる。現役大学生としては確かにこのまま学校に通っていても・・と思うことがある。日本の大学は入ってしまえば出るのは簡単。アメリカの大学は入るのは簡単だが、出るのがものすごく大変。だから一生懸命勉強する。学力低下の根本にはゆとりが大きく関わっていると思う。日本の学力低下を正すには根本からの改革が必要だろう。
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現代の大学を取り巻く問題についての本。
日本の上位大学は確かに入るのに比べて出るのは楽に感じる。
下位大学は入るのも出るのも楽らしい。
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一概に「学力=受験に必要な能力」というイメージだが、それだけではないと感じた。
秋田や福井が基礎学力が定着しているにも関わらず受験成績が芳しくないということからも、日本の教育や学力論が何かおかしいと感じられる。
大学が、障害児にとっての支援学校のように、地域になにか還元できたらいいと思う。難しいとは思うが。
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社団法人全国学力研究会理事長、東進ハイスクール講師の河本敏浩による大学生論。
【構成】
1章 学力は本当に低下しているのか?
1、学力の現状
2、大学生の増員と少子化
3、二一世紀の大学生は、七〇年代の暴走族レベル
4、定員を絞ればいい?
2章 競争の激化は何をもたらすか
1、狭き門の問題
2、管理教育
3、荒れる女子高生
4、いびつな競争のかたち
3章 「学ぶ意欲」を奪うシステム
1、受験の現代史
2、絶望的な学力格差
4章 学力日本一・秋田の大学進学実績はなぜ伸びないのか?
1、秋田は成功事例なのか
2、勉強をやめる高校生
3、難しい試験の意義は?
4、奇妙な論理、奇妙な大学生
5章 日本の大学システムの問題点
1、名ばかり大学生は今日も行く
2、まとめと展望
少子化が進んだにもかかわらず、私立大学の学生定員はいっこうに減らない。その結果として、40%以上という高い大学進学率が達成されている。1970年代と比較すれば、当時は学力不足により大学進学ができなかった下位3割~4割のレベルでも、現状は希望さえすれば大学進学できると言う状況である。
本書は、全体として、私立中高一貫進学校を引き合いに出して、単純な学力低下批判・ゆとり教育批判は退けながらも、試験一発の大学入試についての疑義を投げかけている。
最後の提言が、大学のオープンキャンパスの奨励、高校の学費無償化、古典の読了義務づけと並んでいるが、何だかなぁという印象である。
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タイトルを見ると安直なゆとり批判の本かと思いきや、大学生およびそれを取り巻く環境の問題点を「ゆとり」の一言で片付けず資料を元にわかりやすく指摘している良本だった。最近の若者の学力が問題なのは「ゆとり世代」だからではなく、少子化・大学増加・AO悪用による「勉強させない環境」にあることがわかった。と同時に日本の教育行政に危機感・末期感・無力感をおぼえた。
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学校が就職の予備校であるわけはないのだが、そのようになりつつあるようにおもえる。しかし昨今、一流大学にして就職できない学生が居て、競争入試から推薦入試、特技入試の学生の習熟度低下が大学の教員側から嘆かれている。
そのためかここへ来て、大学が学生にとっての通過地点で、学生という名の熟度不足の製品を世に送りつつ、経営だけがつづけられる大学を皮肉っているようでもある。
入試地獄や詰め込み教育がいわれるが、教育が勝組にわかれるのか、負け組みに分類されるのか。その線引きになっていることを言いたいのではと、思いはせるのであるが。
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本題とは裏腹に大学生を批判する本ではない。むしろ、そういった状況を作り出した大人たちや批判だけし続ける大人たちへの批判をした本。
予備校の先生であるから多くの大学生・高校生を見てきているのだろう。とても明快ではっきりとした批判をしてくれていて気持ち良い。
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面白かったです。
タイトルを見たときに、近頃の大学生を嘆き、大学までの教育
(小、中、高)について批判する本なのかと思いました。
しかし、筆者は大学や社会の変化に名ばかり大学生を生む原因があるとし、大学入試制度が変われば、高校、中学、小学校などが変わっていくとしています。
ちょっと言いすぎだな~と思う部分もありますが、勉強になりました。
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[ 内容 ]
21世紀の大学生は、70年代の暴走族レベル?
入試問題や教育関連の統計データの分析から、新たな視点で教育問題に対する処方箋を提示する。
[ 目次 ]
1章 学力は本当に低下しているのか?(学力の現状;大学生の増員と少子化;二一世紀の大学生は、七〇年代の暴走族レベル;定員を絞ればいい?)
2章 競争の激化は何をもたらすか(狭き門の問題;管理教育;荒れる女子高生;いびつな競争のかたち)
3章 「学ぶ意欲」を奪うシステム(受験の現代史;絶望的な学力格差)
4章 学力日本一・秋田の大学進学実績はなぜ伸びないのか?(秋田は成功事例なのか;勉強をやめる高校生;難しい試験の意義は?;奇妙な論理、奇妙な大学生)
5章 日本の大学システムの問題点(名ばかり大学生は今日も行く;まとめと展望)
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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この本は、最近の学生の学力低下を統計などを使ってあれやこれやと謳った内容のものではない。
そうではなく、現状をきちんと認識しなぜ学力低下が起きたのかを提示する。もちろんこれはただゆとり教育がだめだ、などという一般論で終始しているわけではない。
この本を読めばいかに現在行われている方策が実態にそぐわないものであるかわかる。
興味深かったのは、問題であるのは学力論ではなく、大学論である、というところ。
偏差値競争の問題はいったんその競争に脱落してしまったものは生涯勉強しなくなる、ということである。それだけならまだしもそれが子どもに続くからたちが悪い。
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現代の大学生に、ではなく日本の教育制度に危機感をもった。
現状への憤りをあらわにし、先入観やメディアに囚われずに分析して、今後の大学生の在り方や周りの大人達の態度に指針を示す著者の姿勢に好感が持てる。
学力低下はゆとり教育のせいだという報道にはじまる責任の押し付け合いや、異常な学費・アクセスの悪さ、学力社会において自身に価値を見出す難しさを述べている。現代の大学生が置かれている環境を知るには良書
もしもこの環境が、学ぶ・生きることへの意志を阻害しているのなら今後改善しなければならないと思う。
「なりたい自分の形成のために何を学びたいか」を問い、自分と向き合っていきたい。
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現在の大学入試、ならびに教育のあり方について考えさせられる一冊。
AO入試枠が増えつづける私立大学と、筆記試験の難易度が右肩上がりの国立大学。
「大学で何を学ぶかが大事」なんてきれいごとは、もはや言ってられないレベルにまで、教育格差は広がっている。
現実的な問題点を突きつけるのみでなく、解決策についても検討していて、現状批判にとどまらない点がすばらしい。
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「名ばかり大学生」はなぜ生まれるのか?を、大学教育に限らず教育制度全体から論じる。
共感、納得できない部分もあったけれど、東北大学のオープンキャンパス事情は興味深い。
「地域全体に大学教育の根を張る」、まさしく国公立大学の役割だと思った。
MVP:なし