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ちょっと重いけど良い話。
単行本時レビュー↓
http://feelingbooks.blog56.fc2.com/blog-entry-330.html
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≪内容≫
暗い過去を持つ少年ハルは、自殺をする寸前にカホという少女と出会う。心に傷を持つ少年少女と、彼らを取り巻く大人たちの物語。
≪感想≫
大人が子供を守るということ、家族のあり方、人に対する優しさなど、どこまでも道徳的で規範的な、そんな正しさがストレートに書かれている小説だと思う。重いテーマを取り扱っているにもかかわらず、ハルの事件の真相など、暗い記述などは意識的に排除されていて、ただ事件によって生まれた苦しみや悲しみと、その先に見える少しの希望がそっと描かれる。
登場人物はみんな善良で心優しく、どこかひねくれていてもその心を覗けば不器用な優しさで溢れている。どんなに辛い過去を持っていても、優しさが連鎖し、力になり、人も自分も救われていく。とても優しく健気で温かい物語である。
ただ、そういった世界の中では、自殺未遂も殺人未遂も結局は子供の過ちとして、何もかもが許され、受け入れられていく。それぞれの心に傷は残れど、大人が正しい方向に導いていけば、きっと正しく乗り越えていける。
きっとそれは間違っていないのだと思う。ただその一方で、やはり綺麗事だけでは人は生きられないことも僕たちは知っている。寛容であることだけでは、人と向き合うことにはならない。性善説が必ずしも受け入れられる世の中ではない。そういう黒い部分を捨象した素直すぎる内容には、煮えきれなさというか、物足りなさを感じてしまう。
この物語を温かいと感じるか、ヌルいと感じるかは人それぞれだと思うが、いずれにせよ、中高生にはとてもいい影響を与える物語だとは思う。そしてその純朴さこそが小路幸也の持ち味なのだろうな、とも思う。
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ブロードアレイミュージアムより、こっちがよかったかも。でもなあ、やっぱり東京バンドワゴンほどではないかも。でも、よかったといえばよかったかな。
ちなみに、誰かが亡くなる悲劇は、あまり悲劇として描かれないほうが好きなのは、単なる私の好みの問題か(笑)
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想像通り、少しドキドキしながらも、スルスルと読みやすく
最後まで、穏やかな気持ちで読み終えることが出来たのだけど
本当は内容が、幼児虐待や社会問題にも踏み込んでいるにも係らず
辛いことはさらっと都合良く解決しているように思える
ちゃんと書かれてしまったら、重くて読めなかったのだろうし
希望を持つこと、前を向くこと、明るく生きることの大切さを感じるけど
どうしても心のどこかに「きれいごと」の文字が浮かんできてしまう
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この物語に登場する大人のようでありたいと、私も大人の一人として思った。
子どもは親が守ってくれて何の心配もなく遊んでいられるから、子どもでいられる
そういうことなんですね。
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詳しい経緯は明らかにされないが、少女の死に関わってしまった少年ハルと少女の友人カホの出会いから始まる物語。
空へ向かう花のように前を向く子供たちと、温かく見守る大人たち。作中のこの言葉が深い。
「まだ弱き者に、この世で力を持たないものに、優しくしたいと思う気持ちを偽善と呼ぶのなら、私は喜んで偽善者になる。」
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重い話ではあるけどドロドロではない。裏に書いてある通り、「苦しみながらも前を向く人々を描いた感動作」だった。
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12歳、まだまだ子供でいられるその年に、それぞれの事情により一足早く大人にならなければならなかった少年と少女。
事故により同級生を「殺して」しまったハル、親の虐待により心と身体に傷を負った花歩。どうしようもないと諦めること、そしてそこから再び立ち上がること、幼い二人が見つけた明日に寄り添う大人がいたことにほっとする。
子供は大人が思うよりもずっと多くのことに傷ついている。そして大人が思うよりもずっとずっとしなやかで、そして強い。
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この小路幸也っていう人はすごく人が良いんだろうな。東京公園もそうだったけど、やさしくてあったかくて他人を思いやれる人しか出てこない。背景には悪い人がいっぱいいるんだけど、実際の登場人物はみんな良い人。ものごとこんなにうまくいくかねって思ってしまうのは自分が悪い人だからか。子供もこんなにしっかりお互い話すかね、小学生で。きれいにしゃべりすぎじゃないか。そんな風に思うんだけど、やっぱり良い話は良い話。気持ちがあったまる。
前向きに生きることは大切だね。
きっと読書感想文の宿題でこの本をだしたらとてもいい感想文が書けそう。
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辛い過去を抱えた子供たちがその悩みを内に秘めながら日常を過ごす。
特に隠すわけでもなく、同情を求めるわけでもなく。
その描写がとてもリアルで、余計に共感してしまう。
悲しみを抱えてしまった子供たちを守る大人たちも優しく、「大人とはどうあるべきか」をそっと私に教えてくれる。
悲しいテーマのはずなのに心が満たされる不思議な小説だ。
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内容は重いのかな…でもこれから親になるんだったら、大人ならこうあるべきだ!!っていうのがたくさんあって良かったですd(⌒ー⌒)!
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少し重い内容でしたが、暗い気持ちにならず最後まで読むことができました。とても好きな作品になりました。
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うつくしいお話、というのが読み終えたときの印象。
両親に愛されずに育った少女と、人を死なせてしまった少年と、彼らを見守る大人達。
最初はもっと重い話かと思っていたのですが、人が人を思い、助け、そのために出来ることをする様子は、心が洗われるような清々しさがありました。
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重いものを背負ってしまった子供と過去に色々あった大人が出会い支えて行く。
本当にこんな奇跡の出会いがあれば救われる人は多いだろう。
そういう場があるといい。
物語的には引き込まれるし、読みやすかった。会話文も多く進み易い。ショッキングな展開もいくつかある。
「まだ弱き者に、この世で力を持たないものに、優しくしたいと思う気持ちを偽善と呼ぶのなら、私は喜んで偽善者になる。」
心に残った
でも、結局事故の詳細やイザさんに何があってひっそりと暮らすようになったかは終始グレーなまま。
どれだけの理由でそうなったか。「仕方のない事故」「嵌められたんじゃないか?」だけでは弱くて今ひとつ納得がいかなかった。
推理モノではないし、事故詳細を記してしまうと読み手によって受け取り方に差が出てしまうからかなぁ。
続編があろのだろうか…?
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ずっしりと重くなってもおかしくないお話が
まるでおとぎ話かのようにやさしくやさしく仕立てられていマス。
ひとの持つ善さを信じるひとにはシミるお話。
そうでないひとには、ちょっと嘘くさく感じられるかな。
ワタクシ、できれば前者でありたい、と思っておりマス。