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安定の片山さんによる自動車本。
サクセスストーリーを気持ちよくぐいぐい読ませる爽快感の高い一冊。
最終章の(今、日本が開拓せねばならないにもかかわらず出遅れ、苦戦している)新興国市場のニーズにマッチした車の開発に軽自動車のスペックや設計思想が援用できる、との考えに強く共感した。
インフラセクターが「日本型システムの(現地風カスタマイズをしっかりしたうえでの)対新興国輸出」で着実に成果を上げている中、ともすれば地盤沈下におびえる日本の自動車産業の新たなアプローチ方法として有益なアングルなんじゃないかと思ったわけです。
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関係者とすぐコミュニケーション取れるっていうのは、大事だとしみじみ思う。
しかし、軽でバンバカ過給技術が開発されてるけど、VWと戦えるレベルなんだろうか?そのへん知りたい。
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■軽自動車マーケティング
A.ホンダは、軽自動車の復活に向け、消費者の声を徹底的に聞いた。その結果、軽自動車購入の決裁権は女性が握っていることがわかり、女性目線での開発を行う。例えば、「N BOX 」では、次のような工夫を施した。
・子どもの自転車などが積めるよう、室内空間を広くした。
・女性好みのファッション性にこだわり、車体の色を11 色用意した。
・駐車や路肩寄せが苦手な女性が多いので、ミラー類を充実させた。
B.「軽は利益率が低い」というのが定説だった。だが、N シリーズの利益率は高い。それは、N シリーズが1 つのプラットホーム(車台)で複数の機種をつくっているためである。
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題名に惹かれアマゾンレコメンドで。
ホンダ「N BOX」が軽自動車市場でNo.1になった理由・経緯などが書かれていた。
同時に読んでいた『脱「コモディティ化」の競争戦略 』との読み合わせが良かった。頭が整理されながら読めた。
『脱「コモディティ化」の競争戦略 』から引用すると、軽自動車市場はコモディティ化していた。海外ではインドタタ自動車が66万円の小型自動車を販売(安物化の罠)、国内でも各自動車メーカーが軽自動車を販売し、特にダイハツ・スズキが多品種販売(乱立の罠)、内装にもさまざまな機能をつけ差別化をしていこうとしていた(加熱の罠)。
そんな中でホンダが後発でありながら軽自動車販売No.1になったのは、意図してなのかは別だが、一つずつ”罠”を避けていったにでなるべくしてなったと納得できた。
自動車業界は疎く業界の構造の詳細はあまり分からないがが、ホンダがとった戦略・事業展開は興味深かった。
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開発責任者は現場・現物・現実の「三現主義」に基づき、市場の声を聞き、数多の軽自動車を乗り比べた結果、自動車市場の環境は女性軸中心に変化していることを突き止めた。
N360がFF駆動を採用したのは広い室内空間のため。車内空間を広くとる思想は「人のスペースは最大に、メカニズムは最小に(マン・マキシマム/メカ・ミニマム)」という「M・M思想」へと継承された。
「センタータンクレイアウト」。通常は後席下部に設置されるガソリンタンクを前席下部に置き、後席・荷室を広くとり、車に自転車を乗せたいという母親視点を取り入れた。また、エンジン自体が衝撃を吸収するよう設計することで、エンジンルームを短くし、室内空間の拡張へと繋げた。
各章末ごとに、その章に書かれていたビジネスポイントがまとめられているのがわかりやすい。
N BOXのメカニズムを解説する本かと思いきや、ホンダ式経営術についての本だったが面白かった。Nシリーズはよく道で見かけるなーとは思っていたが、その裏には設計、製造、販売まで努力と工夫がつぎ込まれていたんだなぁ。
自動車市場が新興国へシフトしていくなかで、これからの日本の軽自動車が、"ガラ軽"から世界に通用する車になれるのか、注目していきたい。
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平成27年3月26日読了。リーマンショック後に傾きかけた事業戦略を、軽自動車の復権をキーとして反転攻勢したホンダの火事場の馬鹿力に改めて敬意を表する次第だ。変化を恐れない企業風土は、偏にパイオニアである本田宗一郎のイズムを従業員一人一人が継承しているうえに成り立っているのだと思う。ものづくりとはかけ離れた職種を生業にしているが、こんな会社で働きたいと思わされた次第である。
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これは面白い!ホンダのN−Boxがどのようにして生まれたかなんて切り口が地味なような気もするが、そこに至るドラマに関わる人間の個性が色彩を与え、技術者の情熱が熱を加える。マーケティングとは何か、という事を仕事に役立てたい人にも良いのではないか。これは、車業界に限らずという意味においてである。
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「大企業になってしまった」「リーマンショックがあったから、手遅れにならずに済んだ」って言葉が印象的。
高度経済成長期の頃のベンチャーっぽさから比べると、今の組織体制には色々と不があるんだろうな。
大企業が大企業の壁を突破する上で、組織の何が「伝統」なのかという視点は大事だと思った。本田宗一郎が白い作業着を着せたかったのは、何でなんだっけ?とかとか。