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面白かったー!!
青春小説の王道ながらも、ひとりひとりの登場人物丁寧に描かれています。もう二度と戻らない一瞬が丁寧に切り取られ、読んでいてすごーく懐かしい気持ちになりました。登場人物たちが話す方言も、歌の標準語とは違った暗い響きや優しい響きがあり、その切ないような、あったかいような雰囲気がとても好みでした。
特に印象的なのはNコンが終わり、サトルの家族とコトミやナズナが会うシーン。最後に3人で歌い始めるシーンは、現実ではあり得ないけれど、歌のすばらしさが詰まったワンシーンです。
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白オツ(←これで分かる人はわかる!)よりも更に爽やかな作品。最後の泣かせ方の巧さは一級品。だからこの作者のファンはやめられません。
実はアンジェラアキの歌はどれもイマイチ好きになれなかったんだけど、この小説の底を流れるツールとしての役割を経ると、『手紙』も悪くないなと思えてきた。これも作者の巧さのおかげだろう。
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おもしろかったー。
飛行での移動中にさらっと読める本が欲しくて空港で手に入れたこの小説。とても読みやすくて、登場人物はそれぞれ個性的で青春していて気持ちいいし、最後はしっかり感動できるし、とても良かった。
他に何を書いてる作者なのだろうと思ったら、乙一の別名義とのこと。どうりで。
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五島列島の、とある中学校の合唱部が舞台。
まるで五島に住んでたかのような生活の描写が素敵。
読みやすくて、どんどん続きが読みたくなる物語だった。
Nコンのシーンは泣けた。
すがすがしい青春!
別名義の乙一さんの作品は読んだことないから、早く挑戦してみたいな。
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今回の中田永一はずいぶんと抑え気味だ。
NHKの合唱コンクールを目指す長崎は五島列島に生きる中学生たちの青春群像劇だ。
田舎の中学生が家族の問題に悩み、恋をし、部活に青春を捧げる姿が美しい。
過去の作品である「百瀬、こっちを向いて」「吉祥寺の朝日奈くん」の両方があまりに胸キュンでしかもトリックの切れ味が鋭かったため、今回も少し期待していた。トリックは今回は控えめで、至極真っ当な青春ストーリーになっていた。著者の素直な物語は初めてに近かったので、少しだけ戸惑った。というか、いつ来るか?と身構えながら読んでいた。
クライマックスのNHK合唱コンクールの長崎大会での本番シーンの緊張感はなかなかのものだ。彼らの順番が近づくたびに、私の鼓動も高まる。中学・高校時代は、部活もクラブ活動もなにもしていなかった私は、もう取り戻すことの出来ない遠い日への憧れを募らせる。
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長崎は五島列島の中学校の合唱部を舞台にしたストーリー。課題曲となった「手紙〜拝啓 十五の君へ〜」が中核となっていいるのですが、その中で本作主人公の一人、桑原サトルの壮絶に孤独な告白に胸を打たれます。
後半、彼の(十五年後の自分への)手紙の内容が明らかになりますが、その場面が一番胸を打たれました。齢十五の彼が、ただ兄のために生きる目的で生を受け、それを受け入れ、この世にあるはずの悦びすべてをあきらめているその思考に… コミュ障という一言で片付けられない問題に、それを胸の内に秘め、周囲に流されながらも一瞬一瞬懸命に対応しようとする彼の姿に自分が重なり、とても引き込まれたように思います。
そしてひとりぼっちだったはずの彼が、エピローグで「ひとりじゃなかったけん」と語る場面で、ホントにマジ泣きしそうになってしまいました。それに続く周囲を巻き込んでの合唱、そしてもう一人の主人公、ナズナのトラウマが解消される?ような場面も、個人的にグッときました。
映画化されるというミーハーな気持ちで手に取った本作でしたが、思いのほかすばらしい作品で驚きました。中田永一氏という聞き慣れない新人作家の作品…と思いきや、実はあの乙一氏の別名義作品と知って、再度驚かされました。と同時に、それならこのクオリティも納得してしまいましたが。
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産休に入った合唱部の顧問の代打として
赴任してきた美人教師の下、
合唱コンクールを目指す中学生たちのお話。
作中での課題曲であるアンジェラ・アキの
「手紙」がいい味を出している。
作中の節々に合唱部員たちが10年後の
自分に書いた手紙の内容が綴られ、
合唱コンクールまでの部員たちの思惑が
見て取れるのが面白い。
桑原サトルのキャラが素敵。
さらに長谷川コトミが絡むと益々楽しい。
ホラーっぽい短編だけじゃなく、
こんな青春臭いのも書けるんですね、
乙い…もといこの作者は。
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五島列島のとある島の中学校の合唱部の物語。
それまでは女子生徒だけの部活だったのだが、
顧問の産休の代わりにやってきた美人先生につられて
男子生徒も入部することになって・・・
元からの合唱部員で、ある事情により男性嫌いなナズナ。
そして、発達障害の兄を持ち、自身も「ぼっち」な桑原。
このふたりを中心に合唱部員たちの青春を描く。
合唱を通して成長していく生徒たちの方に重点を置かれて
描かれているので、合唱そのものに興味がある人には物足りないかも。
それでも青春モノとしてはかなり素敵な一冊です。
そして、、、最後の最後、そうきますか!
途中までに散りばめた伏線をどうやって回収するんだろうなと
残りページが僅かになっていくにつれて心配だったんだけど、
素晴らしい締めだったなー。
いやー、読んで良かった一冊です。確実に。
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合唱団に入っていた小学校のころ、中学校のクラス対抗合唱なんかを思い出した。合唱には、みんなの声と心が一つになって、本当に心地よい瞬間がある。
拝啓 15の君へ を本を読んでいる最中に、何回も聞き直した。
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中田永一名義では「百瀬、こっちを向いて」と本書の2冊読みました。「百瀬」はすごく好きだったんですけどね。こちらはちょっと物足りない感じがしました。
ぼっちのプロ・サトル、美人でやる気のない音楽教師・柏木など登場人物は魅力的でした。ストーリーも、中学校の合唱部という爽やかな雰囲気でいいです。中学時代にありがちな男子と女子の対立も面白かった。
部活など何もしていなかった私は、羨ましく思いながらNコンへ向けて緊張感を高めていました。そしてクライマックス!
ラストサトルの兄の所は良かった!!
でも、でもなんか物足りな~い!と思ってしまうのは、私の期待値が高すぎるのでしょうか・・・
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どこかで目にした書評でタイトルを覚えていたので、たまたま本屋で文庫を見つけて手に取ってみたんですが、やっぱり本は読まなきゃわかりません^_^
おもしろいです。
一気に読みました。
最後の方は、不覚にもちょっと泣きそうになりました。
中学生が主人公の、中学の合唱部の話しなんで、50過ぎのおっさんが読んで何がおもしろい?と思われそうですが(^_^;)
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離島の中学生が合唱の全国大会に向けて、ひとつになっていくお話。
実際に課題曲だったアンジェラ・アキの「手紙~拝 啓十五の君へ~」をベースにして作られている。この曲の歌詞が好き。うまく調理しているな、と思う。
合唱をするには、まず歌詞を理解することが大切。部員たちは課題曲にちなみ、十五年後の自分へ宛てた手紙を書く。
合唱ってやっぱりいいなぁ。
文化部なんて言われてるけど、準備体操だってするし、走ったりもしたなぁ…。みんなで声をひとつにするって信頼関係も必要だよね、とか、懐かしい気持ちでいっぱいになった。
ただ話を欲張っている感じがあったのが、残念。もっと合唱に熱く、部活動っぽさが欲しかった。楽しければいい感じで、どちらかというとクラブっぽい軽さを感じた。
☆あらすじ☆
長崎県五島列島のある中学校に、産休に入る音楽 教師の代理で「自称ニート」の美人ピアニスト柏 木はやってきた。ほどなく合唱部の顧問を受け持 つことになるが、彼女に魅せられ、男子生徒の入 部が殺到。それまで女子部員しかいなかった合唱 部は、練習にまじめに打ち込まない男子と女子の 対立が激化する。一方で、柏木先生は、Nコン (NHK全国学校音楽コンクール)の課題曲「手紙~拝 啓十五の君へ~」にちなみ、十五年後の自分に向け て手紙を書くよう、部員たちに宿題を課した。そ こには、誰にもいえない、等身大の秘密が綴られ ていた。青春小説の新たなるスタンダード作品、 文庫化!
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中学時代の男女の関係ってこんなだったかもなーと思い出しながら読んだ。中学に合唱部はなかったが合唱に力をいれていた中学だったから(?)なのか、学校内で全クラス対抗の合唱大会を行って優勝すると県大会の予選に参加できるシステムだった記憶が蘇ってきた。
あらためて、アンジェラ・アキの「手紙」の作詞が胸をうつ。
五島に住む人達にとっては、そこから出て行くのかどうかも含めて、15年後までに大きな岐路に立つことになると思うけど、この生徒たちのほぼ15年後の姿として登場する2人の先生との対比は最後面白かった。
結局部長とナズナの関係はどうなったのか?とかサトルはどうなったのか、とか余韻を残しながらも、最後はうるっときた。
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合唱したくなりました。それだけ、こう、合唱の描写が身体的に移入させられました。さりげない伏線から最後の、あっ、という回収も相変わらずの素晴らしさです。
今の自分は、十五年後くらいのわたしにあたるのかぁと思うと、色々と感慨深くなったり……。
『小学館児童出版文化賞』受賞作、ということで児童文学ですが、作中の課題曲のように、子どもの目線、大人の目線、どちらからも楽しめる作品だと思います。
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合唱とかまったく興味なかったけど、部活動ってやっぱりいい!
きついことも、面倒なこともふくめて得るものの方がきっと多いから。
それを再認識できた。
近ごろ合唱(小学生の)聴くとたいてい泣いてしまうし、この本も泣いた。
でもすがすがしい気分になれる。