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青春ものは自分には合わないというジンクスがありながら、冒険してみた。まあありかなという途中の印象からスローペースで読み進めたら、終盤になんだか涙ホロリ。
読み終わって、この著者良いなと思いよく見たら乙一ではないか。この著者の作品は以前冒頭2、3ページ読んで読むのを止めて以来2度と読まないと決めていたので、そういうのはダメだと反省しました。良い意味で裏切られました。
同著者、読了1作目。
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タイトルを見て即購入。個人的にはこの作者の作品は初めてでしたが、合唱関係者としては読まないわけにはいかないです。案の定、物語の中心に合唱が存在していました。
信長先生が作曲した「くちびるに歌を」はメインというよりも、登場人物が大切にしている詩の一節という形でと出てきました。それよりも今回存在が大きかったのは、アンジェラアキの「手紙〜拝啓 15の君へ」でした。この曲がNコンの課題曲だったとき、私はもう高校生でしたが、中学時代合唱部でNコンに向けて練習した日々が思い出されました。
文章の書き方が、2人の登場人物の視点から交互に見たものという形式で、最初は正直慣れませんでした。しかし、読み進めるうちにだんだん気にならなくなってきましたね。自分が誰なのか明言せずに、誰だかわかるように書くのはかなりテクニックが要ると思います。
物語では、登場人物である合唱部の部員たちがそれぞれ未来の自分に対して手紙を書きます。各章の最初にその手紙が出てくるのですが、そこにも誰が書いたのかが示されていません。しかも、手紙には含みのある文章が入っているので、読み手はそれが何を示すのか推理する必要があります。推理どおりだったものもあれば、思いがけない展開に発展したものもあり、良い意味で裏切られました(笑)
久しぶりに青春を感じられる爽やかなお話を読めました。あと、個人的には物語の舞台である五島に行ってみたいなぁと思いました。
映画化もするらしいので楽しみです!
それにしても、手紙や日記の類ってきっとどんなにデジタル化が進んでも無くならないものなんでしょうね。今の
自分が悩んだり迷ったりしていることって、未来の自分からしたら大したことないものでしょう。けれど、そのときは目の前の壁に精一杯ぶち当たっているわけなので、決して「馬鹿だなぁ」とは思わない。ありのままの自分を記録しておくことって大切ですよね。
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人が死ぬわけではない、誰かが嫌な思いをするわけでもない、けど、涙が出てくる。作品に溢れている人の温かさで、自然と涙が出てきてしまう。
中学生は子供で、大人で、そして何より誰よりも大人になろうとしているんだなあと感じた。出会いも別れも、恋愛も友情も、全部自分を育てるための大切な肥料なんだろう。そんな淡い青春のひと時を感じることができる作品だった。
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離島の合唱部が舞台。ただの部活動青春物語じゃないちょっとした特別感。学生たちの会話はすべて方言で、普段耳にしたことのない言い回しが面白い。生き生きして聞こえるのだ。
Nコン出場までの短い数か月間で悩みあり、衝突あり、でもみんな大人へとぐっと成長していく姿が見れる。
子供の時に読みたかった!!
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青春だぜ!
小生も中学時代にNコンに引っ張り出された。
不覚にも、
涙うるうる、、、、、、!
馬鹿野郎、年甲斐もなく、ケッ!
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自分も合唱部でNコン出たことがあるので、すごく共感できるところが多かったです。
練習の雰囲気だとか中学生特有の男女の微妙な距離感とか、ああ、そうだよそう感じてたよ、と思うばかりでした。
また、課題曲の手紙という曲とリンクして、各登場人物の思いが描写されていることが、素敵でした。
合唱がまたやりたくなりました。
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長崎県五島列島のある中学合唱部が物語の舞台。今の中学生ってどんな感じかなぁって思って読んだけど、自分の中学時代を思い出した。合唱部いいなー私の時も顧問の先生が美人だったけど、男の子は入ってこなかった。
柏木先生がすごい実力があるのにニートになってwiiしてたとか子どもにあっけらかんと言ってしまうのとか実際だったらないない。
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長崎五島列島のとある中学校合唱部の物語。
NHKコンクールに向けての練習や、課題曲にちなんだ十五年後の自分への手紙を書くことで、過去・現在・未来の自分と向き合う子どもたち。
誰だって心の傷や将来の不安を抱えている。でも部活動や音楽を通して知らず知らずのうちに成長する子どもたちに好感を持った。
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前半はなかなか読み進められなかったが、後半ようやく面白くなる。合唱のお話。青春ですね。
印象的な箇所は「桑原サトルの存在感は合唱部内部でもサランラップなみにうすく透明だった。」
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読みやすくておもしろかった。乙一らしい不安感がにじむ雰囲気はあるものの、全体的にまっとうな青春小説。不覚にもお兄さんの言葉にポロっときてしまったw
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ほのぼのとした気持ちになれた。何十年も前の中学校の合唱コンクールを思い出した。そんな校内の大会でもあの頃、合唱が永遠に終わらなければいいと思ったことがあった。方言もいい。それにしても、同じ中学生なのに、ソロモンの小生意気な奴らとの何たる違い。
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小学校からいままで合唱やってて 今年合唱部部長になりました。なんで読んでいなかったのか不思議でなりません
ハモった時の表現とか 集団で練習する難しさとか だけど合唱が大好きなところとか
共感する点がありすぎて 何度も鳥肌がたちました。
今年度で部活は引退なので これでコンクールが最後、という主人公達の想いと自分の想いが重なって何度も泣きそうになりました
精一杯がんばりたいと思いました
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とある読書会で紹介いただいた一冊。
舞台は長崎は五島列島のとある中学校。
そこの合唱部に、ちょっと風変わりな美人ピアニストが、
顧問として来るところから、物語は始まります。
それまでは女子部員だけだった合唱部ですが、
そこに美人顧問目当てに入部してきた男子部員が参加。
そして、動機が動機だけに、真面目に練習をしない男子、
当然のように、男女の対立が始まります。
それを知ってか知らずか、部員たちに、、
「15年後の自分への手紙」を書く課題を出します。
それをきっかけに、というわけでもないのですが、
徐々に一つにまとまっていく様子が、青春だなぁ、、と。
15年前の自分は何をしていたのかな、
そんな風に思ってしまうのはやはりいい年だからでしょうか。
『楽隊のうさぎ』とあわせて子どもにも読ませてみたい、
そんな風に感じた一冊です。
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中学校の合唱部が舞台の青春物語。
実際に全国合唱コンクールの課題曲として作られた「手紙」をモチーフに、思春期ならではの悩みや事情を関連させながら巧みに綴られている。
歌詞と同じく15年後の自分に宛てた手紙を使うところなどは、当時日本の多くの中学校でも同じようなドラマがたくさん生まれたのだろうなと想像させます。
時には辛いエピソードも交えながら、それでいて読後感は圧倒的に爽やかな作品でした。
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島で生まれ育ち宿命を背負う少年の心の移り変わりと合唱コンクールまでの出来事が、さらっと爽やかに読み通せる文章もあり楽しめ、泣かされます。
さすが 中田永一=乙一。おそるべしです!!