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1).目次
省略
2).筆者の主張
省略
3).個人的感想
・池田勇人が所得倍増計画に基づき、日本が高度成長を成し遂げた経緯がノンフィクションとして書かれている。
・池田のブレーンとして活躍した田村、下村はいずれも、大蔵省出身で、大蔵省では全く活躍出来ない不遇の時代を過ごしていた。
・首相になった池田は、30前後の数年を大きな皮膚病で休んでいたが、大蔵省に復帰し、太平洋戦争の結果、大蔵省の上司が排除された玉突き的に次官や出世街道を歩んで総理になった。最後は喉頭癌で死んだが、30歳前後では人生どうなるかわからないことの証明であり、いろいろな人に目を向けて、人生頑張っていく必要があると感じた
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池田内閣が、現在の日本の政治構造を構築したのでしょう。本書を読む限り、池田首相の志は高かったと思う。その後に続いた政治家は果たしてどうだったか。同じタイミングで「深夜特急」を読みましたが、沢木耕太郎は、こんな本も著していたのですね。
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☆未読了
・グッドルーザーとしての体験
・理想を語る人間、論理を突き詰める人間、理想と論理をつなぐ人間
・理想と論理を繋ぐ人間にはなれるかも
・政治家の役割とは。ブレーンの必要性と重要性
・人を惹きつける言葉の威力。「月給2倍」ではなく「所得倍増」の必然
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若いころ、沢木耕太郎氏のファンだった。「一瞬の夏」「敗れざるもの」「深夜特急」等々、それこそ貪るように読んだ記憶がある。
しかし、年齢を重ねるに従って、沢木氏の持つ優しさが少し鼻につくような感じがするようになって、いつの間にか氏の作品から遠ざかってしまっていた。
本書は久しぶり(10年ぶりくらいか)に読んだ沢木氏の作品である。
久しぶりに手に取ってみた理由だが、本書の舞台は1960年頃という高度成長期の日本であり、以前からこの時代についてもう少し知りたいと思っていたからである。
本書はその高度成長期の真っ只中のド真ん中にいた、首相の池田勇人(はやと)と、有名なコピー『所得倍増計画』の中心人物、下村治。そしてその二人の仲立ちをした田村敏雄の三人を描いたノンフィクションである。
読んでいて意外だったのは、とにかく『熱い!』のである。登場する3人も書き手である沢木氏も。ただ、その熱さの表現の仕方がそれぞれ異なっており、そのコントラストがまた素晴らしい。
この3人、頂点にたどり着くまでに文字通り、死と向き合わねばならないような苦難を経ており、キャリアのなかでもいわゆる「負け組」と目されていたのである。
その非常な苦難を乗り越えて来た彼らの取ったものが、『所得倍増』という究極の楽観論。ここにある意味での凄みを感じたのは沢木氏だけではないと思う。
久しぶりに「志」という言葉(僕なんかもう殆ど忘却の彼方だ)を思い浮かばせてくれる作品だった。
前編通じて興味深いのだが、最後のある部分で、恥ずかしながら大泣きしてしまった。きっと、いつの間にか失ってしまった大切な「志」というものに触れることで、心動かされたのだと思う。
テーマは非常に地味だが、これを読んで興味を少しでも持って下さった方なら、是非読んでみていただきたい作品である。
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沢木耕太郎らしい叙情的な作品。なんにせよ高度成長期には夢があったが結局それも欧米のキャッチアップという目標が明らかであったためだ。
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所得倍増の夢、3人の敗者が挑む。
ノンフィクション、その時歴史が動いたの素材としてそのまま使えそう。
城山三郎とはまた違うのだろう。
しかし、読ませる内容ではある。
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1963年生まれの私にとって、「所得倍増」と言うキーワードは何となく懐かしいイメージしかありませんでした。このビジョンがどういう過程を経て命を吹き込まれ、70年代に突入したかが、丁寧に、そして説得力のある文章で書かれていて、とても読み応えのあるノンフィクションでした。やはり沢木耕太郎は凄い!
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そう、高校の受験のときに感じた違和感が
わかる本だった。
池田勇人の内閣時代に所得倍増計画という
経済面がキューにくるんだよね。
ここでの設備投資という背景での経済大国化の
実現はすばらしい。これがなければ今の日本は
ないかもね。だって隣の韓国をみれば日本が
世界第2位の経済力なのは、違和感というか
不思議だもん。
最後のブレーンである下村治が言ったらしい
高度成長からゼロ成長へとオイルショックで転換
していく話は示唆がある。
そことは別に今の日本は別の意味でのひずみを
産業構造の変換ととらえ政策転換、実行できる
政治家がいれば更なる経済規模の拡大と
この本で言う「静かなる世界の中心」=
王道をすすめるはず。
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池田勇人、田村敏雄、下村治の3人を中心に所得倍増計画がどのようなプロセスによって実現に至ったのかを綴った本。日本復興のためには経済の成長が不可欠だと考えた池田勇人の慧眼とそれを陰から支えた田村敏雄の辛抱強さ、所得倍増計画の立案者だったエコノミストの下村治の鋭さにはただただ感動。
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「所得倍増」を産み、実行していった三人の男の物語。
しっかりと政治を行うためには、政治家のぶれない意志と、これを方向付け、支えるブレーンが欠かせない。また、そのブレーンが生み出す政策も、大局観に立っており、未来を見据えている必要がある。そんなことを改めて感じさせる。
現代に置き換えて、過去ほど分かりやすい目標が失われてしまっていることを考慮しても、政治家・ブレーンともに、日本を預けるに値する者が見いだせないでいる。それは、偶然世に出ていないだけだという指摘があるかもしれないが、結果が出せていない以上、そのように結論付けるほかない。
現代のリーダー待望論はまさに、そのようなチームを国民が熱望していることの現れなのであろう。そう思えば、やたらタレントなどの目立つ人が期待されることも、ある意味で仕方のないことかもしれない。
ただ、やはり本物のリーダーは、長い年月をかけた積み上げが、最後に花咲く一瞬の時を、国民に捧げるということでしか生まれない様に思う。
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かの有名な「所得倍増計画」が池田勇人内閣の下で喧伝されるに至るプロセスが描かれている。池田自身、そして経済政策における下村治・田村敏雄という彼のブレーンも大蔵省の出世競争からは取り残された非主流派であったことが大変興味深い。また、優れた政策や計画の実施にあたっては立案者と遂行者(および両者を架橋する者)が必要であり、彼らの役割分担について考えてみると現政権がこだわった「政治主導」がなぜあれほどの混乱を招いたのかがよくわかる。うちのボスが折に触れて言う「大学職員プロデューサー論」にも通じる部分がある。
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本書は所得倍増にかけた三人の敗者の物語です。首相となった池田勇人、政治面を影で支えた田村敏雄と政策面を支えた下村治。本書を読むとかつては確かに志をもった人達がいたという事が良くわかります。
久々に人間の凄味を描き出すような良質なノンフィクションを読みました。
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1950〜60年代。大蔵省の3人の男は、多くのエコノミストが経済悲観論を唱えるなかで楽観的かつ所得倍増計画を打ち出した。奇しくも3人の共通点は大蔵省の「ルーザー」であった。
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“GOOD・LOSER”(良き敗者)だった三人の男たちが、キャッチコピー「所得倍増」のもと、日本の経済成長(ゴールデン・シクスティーズ)を演出する。
半世紀後の現代、日本経済はピークアウトして久しく、むしろ六重苦に悩む。この困難な時代にこそ、悲観と楽観、夢と現実等、対極のバランス感覚が必要でなかろうか。
「世界の静かな中心であれ」。筆者が語るよう、三島由紀夫の一文が身に染みる。
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所得倍増計画!
戦国最大のキャッチコピーを今一度考えてみようかと。
沢木耕太郎は、旅ものじゃなくても、いいんだー。これは面白い!
それにしても、骨のある政治家って、何処にいたんだろう?
次は吉田茂でもよむか。