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ー概要ー
四天王寺カウンセリング講座での河合隼雄の講演記録を2冊にまとめたものの1つ。「カウンセリングと時間」「カウンセリングと人間理解」「カウンセリングと倫理」「カウンセリングと家族」「カウンセリングと友情」の5章から成立。
カウンセリングを学ぶ講座であるが、自分の生き方について深く考え、何かを考えなおすきっかけを探そうという人にもお勧めできる。
ー河合隼雄さんー
日本人としてユング派分析家の資格を取得。
ー感想ー
カウンセラーの役割とは、心の表層から深いところまでおりる作業をしていくクライアントの横にいるよと示すこと、また絶対にきれない関係であること。
これは簡単なようでものすごく難しい。たぶんふとした拍子にクライアントに対して何か感情移入してより過ぎたり離れ過ぎたりしそうだし、それが伝わってしまいそうだと思った。
カウンセリングに時間を設けるのはきれないよう、長く一緒にいるために共倒れにならないようにするため。私の元カウンセラーもクライアントとは一生の付き合いだと思ってやってると言ってたのを思い出した。
その作業(非日常)を週に1回、1時間行い繰り返すことで日常と非日常を結びつけていく。あまりにも大きな非日常体験は日常に落とし込むにはかなり時間と労力がかかることだからカウンセリングはちょうどいい。
カウンセリングと関係ないけど、考えたこと。
動物保全においての私にとってのカウンセリング的存在は公園管理のNPO、イレギュラーは小笠原のウミガメ保全や長野のクマ研修。
公園管理で学んだことはゆっくりと吸収されていく感覚があって、研修たちはいまだに圧巻ってかんじで落ちてない感覚がある。たまにそんな研修を挟むのも悪くないけど、続けるか悩むところだったけど、やっぱりNPOは続けていこうとこの話を読んで思ったのであった。
カウンセリングの技術として勉強になったのは、自分の倫理を()にいれる、ということ。
クライアントの話に自分の倫理観がひっかかったとしても、それは()にいれておいて、さてとするのはとても良い考えだと思った。倫理観を無視して話を聞こうとしても人間、表情や声色、態度に微妙に揺れが出て変化に気づかれると思っているので、この方法なら堂々と立てそうだと思った。
私がこれから人生において考えていきたいと思った2つの考え。
1つはカウンセラーとは研究者、勝負者、芸術家であるということ。意味は理解してるけど、カウンセラーじゃないから本質はわからない。
2つめは激しいを超えて深い感情をもつということ。