紙の本
アホバカトリックというものは、それだけで価値がある気がする。
2008/03/31 14:37
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ばー - この投稿者のレビュー一覧を見る
葉山響(with海路友)の解説から抜粋。
【「たんなるゴミである」(笠井潔)】
【「作者はバカミスを逃げ口上にしているだけ」(村上貴史)】
以上のように、この作品は、メフィスト賞を受賞すると共に空前の批判に曝されることになった。正面きって「ゴミである」と言い切るにはそれ相応の内容でなくてはならない。
くだらないとは前々から聞いていたが、今回の読書は少しいろいろと期待していた部分があった。もしもくだらないのであれば「どのようにくだらないのか?」、批判をするには、理想がなければならない。という事は、この本の逆が「理想のミステリ」の逆を示しているということだろう。私はミステリには疎いので、そういう意味でもこの本は一つの指針なのだ、私にとって。(あと、メフィスト賞の懐の大きさも分かるだろう。話題取りかもしれないが)
私が読んだのは文庫版。講談社ノベルス版に比べいくつか削除された物があるが、その分、文庫版だけの特典として、「オナニー同盟」、「五枚のとんかつ」が加えられている。
トリックそのものをここで話すわけにはいかないが、そのトリックは幼稚で、脱力系で、一言で言えば「く、くだらねぇ!」だ(下ネタもある)。他の推理小説をベースにしたトリック、などのようにパロディものもある。自分の作品のトリック(「六枚のとんかつ」)を基にした作品もある(「五枚のとんかつ」)。言うてしまえば、「誰も思いつかない」、「もし思いついてもやらないであろう」ネタの数々である。
短編の(バカ)ミスで構成されている一冊。主人公は保険調査員の「私」。その私の所に舞い込んで来る保険金絡みの事件が描かれている。時には自分で解決することもあるが、その多くは知人で売り出し中の新進作家・古藤に解いてもらう。同僚の早乙女と一緒に解く事件もある。だが、トリックがトリックであるのに関わらず、そう簡単に解けない。見当違いのシロウトっぽい推理の数々。探偵役は古藤であるが、アドバイザーであるので、いつもその後始末(「トリックはこれ!だから犯人はあんただ!」役)をする「私」は恥をかいてばかり。古藤や早乙女との(見当違いな)かけあいはもちろん、明かされるくだらなすぎる真相は絶対笑える(か、脱力する)。古藤達の推理よりくだらない真相って…。
笑った笑った。
ミステリに美学を感じていない(愛は多少はあるけれど)私にとっては、十分面白かったけどなあ。真面目にミステリやってる人は良いとは思わないかもしれない。また、その「超くだらないミステリ」っていうのが、存在する「真面目なミステリ」への反抗になっているのかも。「なに真面目にやってんだよ、ふん!ミステリってこんなもんじゃん」って感じで著者は書いたのかもしれない(し、書いてないのかもしれない)。
究極のアホバカミステリ。くだらないけど、そのくだらなさが、秀逸!
電子書籍
愛すべきお馬鹿
2018/06/10 13:45
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あかすり - この投稿者のレビュー一覧を見る
とにかくくだらないミステリー短編集です。表題作のほか国内外の有名推理小説のパロディが多く、下ネタも多いですが嫌悪感はなくクスッときます。本腰を入れて読む感じではないですが、満員電車での通勤などあまり読書に体力を消耗したくないときにサラッと読むのに最適だと思います。
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初めて紹介する本がこの本ではこのコーナーの品位を失うか心配ですが、店長の性格を表す意味では最適かもしれません(笑)。この本は「第3回メフィスト賞」受賞と言うことで、メフィスト賞と言えば、あの森博嗣さんの作品をイメージするので、そのつもりで読むと「とんでもないミステリー」なんです。呆れてしまって読み続けるのも大変な作品だし、内容的にも??の作品も多いです。
しかし、その中でも表題作の「六枚のとんかつ」(同じトリックの別作品「五枚のとんかつ」って言うのもありますが)と「しおかぜ17号四十九分の壁」などはすごかったです。特に後者は完全に騙されました。この作品のために本書を買っても損はしないと思うくらいに騙されました。しかし、こんな事で騙されるとは、、ってかなりの自己嫌悪に陥ります(笑)(中学生の時にちゃんと地理を勉強したのか!?)
筆者はこの本を買うより本物のとんかつを2枚買った方がお得なんて書いておりますが、それくらい賛否両論ある作品でしょう。2002.3.2
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馬鹿らしくなるようなミステリー。好き嫌いがはっきりするでしょうな。でも私はこういうのけっこう好きです。
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もうね、アホバカミステリーですよ連作短編集という感じかな。ノベルズ版と文庫版と収録が多少違うらしい作者が読み直して、作品の入れ直ししたらしい。バカバカしいけどおもしろい。
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空前絶後のアホバカ・トリックで話題の、第三回メフィスト賞受賞作がついに登場! 新作「五枚のとんかつ」も併録。またノベルス版ではあまりに下品だと言う理由でカットされた「オナニー連盟」もあえて収録した、お得なディレクターズ・カット版。トリックがバレないように、必ず順番にお読みください。
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メフィスト賞受賞作。こんなにアホでくだらないミステリーがあっていーのか!分かりやすさ満点。ミステリーが分かりやすくていいのかは謎だけど、クダラナイ好きだからバカバカしくて嫌いじゃない。ダジャレとミステリー。ダジャステリ。
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短編集で、ストーリーではなくトリックを楽しむミステリー。「まじっすか!こんなんあり!?」という仕掛けばっかりで、謎解きの予想が全くつかない。中にはしょーもなさすぎて何の感想もわかないのも混じってるけど、凄いのもあり、全体的には面白かった。
が、中にはあまりに阿漕かつくだらないひっかけに「これはないだろ!」と怒りを覚える読者もいるとか。楽しめるかどうかは人による。
古本屋にて「何か面白いミステリーない?」という質問に対し店のおやじが出してきたうちの一冊がこれだったんだけど、いくら好きでも客にこれを推すとは・・・。
「本格推理物が大好き」とか言っている人にもお薦めできそうにない。
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推理小説?とりあえずタイトルとジャケット、そして特別収録の「オナニー同盟」に惹かれました。ちょっと悔しいけど笑ってしまう。
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ジャンルは「アホバカトリック」・・とよくわからない(笑)
内容としては保険会社の調査員が、事件にまつわる謎解きをしていくというもの。
それぞれのオチもユーモラスで、「プッ」と笑える要素が満載。
(中にはダマされた!という話もあったが)
とにかく短編なので頭を使わずにページを進めることができた。
何となく筒井康隆の短編小説を彷彿させるような感じかな。
しかし、正価で買ったらちょっと後悔するかも・・100円なら仕方ないと諦めもつくが(笑)
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くだらない。馬鹿らしい。アホ。下品。
でも僕はこの作品が大好きです。
★五つにしようと思ったが、敬意をこめて★一つ。
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保険調査員が主人公の短編集でサクサク読めます。くだらん、と片付ける事も出来るけど、そういうモンだと思って読めばそれなりに暇潰しにはなります。下ネタとギャグを織り交ぜた脱力系バカミス。
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一応推理小説。ただし探偵役(保険調査員)は基本的に役立たずです。
この本は好みが分かれるでしょう。本格ミステリーを好む人は読まないほうがいいでしょうね。
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ミステリでこんなに爆笑していいのだろうか……。 『音のきがかり』の“ガッツ石松”がツボにハマり、その後は何を読んでも可笑しかった。『黄金』では「ですよね」のシーンで大笑いし、幾度と思い出し笑いを繰り返す自分は、我ながら不気味な人種だと思う。出てくる人間は馬鹿だらけ。やってることは馬鹿っぽいし、推理もとんちんかんで救いようがないのだけれども、なぜか憎めない。 ただのバカミスと思いきや、ところどころに本格テイストも散りばめられているので、それなりにメリハリがついているのではなかろうか。ただし、あくまでも“本格テイスト”であって“本格”という意味ではない。“ミステリ”だと思って読まぬ方がよろしい。その場合は、怒りを伴った脱力感に襲われるのでとてもお勧めは出来ない。
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あっははは。
にやにやしながら読む本ですな。
力の抜け具合がすてき。
桂男爵の事件がだいすき。