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ベルギーの植民地であったルワンダ共和国の発展の奇跡?
ルワンダ農民、商人の地道な努力で発展を遂げた。
くしくも明治時代、ヨーロッパ諸国から見た
日本という小国がここまで発展するとは思われたいなかった。
現在のルワンダはその当時の日本に匹敵にするのかなと感じた。
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現場の声に勝るものはない。ある日本が6年間ルワンダ中央銀行総裁としてルワンダを建て直す日記。スリリングで面白いです。
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日銀からルワンダ中央銀行総裁として派遣された著者の6年間の記録。著者の自負とその自負に違わぬ能力が良く伝わってきた。著者の説得的な議論の仕方も参考になる。途上国の発展を左右するのは「人」であるという指摘は至言。
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私たちは自分のなかにいろんなフィルターを持っている。例えば、世界を
観る時、そこには「アメリカ」というフィルターが存在していることが多々ある。
先進国の中でも非白人国の日本であるからこそ、世界各国で出来ることが
あるはず。そんなことを本書は教えてくれる。
赴任したルワンダ中央銀行の職員は、銀行業務のなんたるかを知らず。
政府に関わる外国人顧問はアフリカの旧植民地を見下し、自国の利益
になることばかりを考える。ルワンダ独立に貢献した政治家たちも、
白人種へのコンプレックスからか、自分の考えをなかなk表に出そう
とはしない。
「ルワンダ人には任せられない」。外国人顧問や外国人商人の決まり文句
に疑いを持った著者は、直接ルワンダの人々と話をし、この国が発展する
には何が一番いいのかを考える。
著者が関わったのは銀行業務だけではない。富が海外へ持ち出されるより、
ルワンダ国内に還元させるよう、広範囲な活動を見せる。
日本のODAはひも付き援助だとよく言われるが、ルワンダとルワンダ人に
とって、最良の手段に心を砕いた日本人がいたことを、私たちは誇っていい
のではないか。
当初は5カ月だった任期が、大統領をはじめとした政府要人に請われて
更新するうちに著者の任期は6年になった。そして、財政の安定を確信し、
中央銀行の総裁もルワンダ人が務めるべきだとの言葉を残してルワンダ
を去る。
順調に成長しそうなルワンダではあったが、1990年のルワンダ愛国戦線
の北部侵攻から始まる動乱で大虐殺が始まる。
増補稿としてこのルワンダ動乱が捻じ曲げて伝えられていないかとの
話は目からうろこ。この動乱には、さぞ心を痛められたことだろう。
日本人初の世界銀行副総裁を務め、定年退職後も各国の会議に参加し
1999年に世を去った服部氏。以降、日本から第二の服部氏が誕生して
いないのが残念。
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見知らぬ土地で、見知らぬ人のために働くというのは、意外と簡単なことなんじゃないかなあ、なんて読み終わったあとに思う。少し勇気をもらいながら。
確かにその仕事に関する知識や経験も必要、語学力や異文化への理解力など、自分を失わなわずに他人を受け入れるだけの人間的ふところの深さも必要。困難は山ほどあることくらいはわかってる。
でも、どこに行っても人間同士の付き合い。お互いに尊重し合えば必ず上手くいく。時間と手間をかければ、お互いが幸せになるような成果が挙がるのだと思う。
“途上国の発展を阻む最大の障害は人の問題であるが、その発展の最大の要素もまた人なのである。”(文中より)
286頁に著者の在任中のルワンダ経済の数値データが載っている。大変だったんだろうなあ、数値に疎い素人でもわかる苦闘の日々。
それでも、この本が読者を引き付けて止まないのは、所々に入るユーモアとペーソスと共に、人が見知らぬ土地で見知らぬ人のために働くということを守り続けた矜持が物語を貫いているからだと思う。自分の能力や知識や経験を信じるということは、他人のそれをも信じるということでもある。そんなシンプルな姿勢が美しい。
海外でなくてもいい、仕事でなくてもいい、これから何かを、自分の頭で考えて、自分の身体で動き、自分の肌で感じようと行動しようとする人は絶対に読むべき本だと思う。
読み終わった後も、しばらく傍に置いておこう。
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日本銀行員を20年勤めた著者が、1965年から6年にわたってアフリカの小国ルワンダで中央銀行を立ち上げて、経済再建のきっかけをつくり上げるまでを綴った自伝的経済指南書。
まさに必殺仕事人、テクノクラートの鏡。著者の真摯で信念を持った仕事人人生は清々しくすらある。内容も普段のちょっとした生活に触れつつも、技術的で実践的な経済論が中心となっていて、ちょっと古いテキストではあるものの、未だ貧困に喘ぐ地域が多数ある世界経済において、あるべき経済活動とは何かを考えるために必読の本なのではないだろうか。
これは☆7つくらい上げても良い名著だと思います。
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経済学、途上国援助に興味がある人は是が非でも読むべき名著。
本人による回想形式なので美化や事実誤認は多く含まれているのだろうけど、それでも正座して全部読むべし。
経済学の基本的な知識があればより面白いだろうけど、無くてもノンフィクションとして傑作なのでさほど問題ないはず。
みんなイマイチわかっていないだろう国における中央銀行の役割についても、実地の活動をベースに概要を掴む事が出来る点も良い。
後のルワンダの動乱についての、現地をしる著者の論考もついているので、その筋に興味がある人には、是非とも本文と合わせて読んでもらいたい。
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日銀からIMF、そしてルワンダ中央銀行総裁へと出向した著者。話のかなりの部分は1966年の年のルワンダフラン切り下げの話に割かれている。独立間もないアフリカの小国の雰囲気が感じられた。90年代のルワンダ動乱が悔やまれる。
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1965年から6年間、独立間もないルワンダで中央銀行総裁を務めた服部正也氏の回顧録。
貨幣経済・市場経済が成立するには、通貨・金融に関するインフラや経済的な前提条件が必要となるのが分かった。今の日本で大きく問題になることはないが、自立したばかりの新興国にとっては、外貨準備確保が特に問題となる。
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日記というタイトルだけど中央銀行総裁になってからの出来事を時系列にまとめた形なので読みやすい。
当事者であるルワンダ人も長年ルワンダに住んでいる外国人たちでもルワンダは土地が狭くまた保守的な民族性のためルワンダの経済発達は難しいと思い込んでいたところに、外部からやってきた日本人が一つ一つ課題を解決していくの姿は小説のように楽しめた。
もちろん実用書としてルワンダの経済の状況を数字で丁寧に解説しその対策が書かれています、また国内や海外との駆け引きについての説明も政治の難しさが伝わってきました。
当時のルワンダでは商業は外国人がすべて行っているため、商品が少数の外国人が想像するルワンダ人を必要とするものしか提供できていなかった状態でした。そこにルワンダ人同士の取引を拡大させて新しい需要を生むための政策を投入していくところは、発展途上な状態では必要箇所にリソースを投入することさえできれば、すぐに成果が出ていく一般事例としての教科書になると思います。
この本は60年代なので90年代のルワンダ虐殺につながるような話はないものの追補によりある程度理解することができました。
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著者の熱い思いが伝わってくるかのようだった。
経済政策は国家の土台を作るもの、確固たる信念と確かな知識、そして親身にその国民について調べ、語り合い、理解しされてつくられたものが如何に素晴らしいかと胸が熱くなる。
そしてさらにすごいと思うのが、この著者が特別すごいからルワンダ中央銀行総裁の任に選ばれたということでもなく、当時の日本の官僚なら概ねこういうものだと語ることだ。
明治~昭和初期のエリートと呼ばれる人の凄さに感動するとともに、現代の官僚にこういうことが出来るか、特に日銀総裁よ、お前達も自叙伝かけよ、俺達を感動させろよ(出来ないだろうけどな)と強く思った。
経済政策は理論を振り回すだけでは上手くいかず、現地の人との対話で何が必要かを深く考える必要があることを示す素晴らしい実例だと思う。
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94年の大虐殺のイメージが強いが、その前にルワンダはアフリカ最貧国から中位国にまで経済発展していて、さらに中央銀行設立には日本人が総裁として関わっていたというのは知らなかった。
銀行業務・経済のことをもっと理解していたらより具体的に内容を感じとりつつ読めたのかもしれない。。。
何も知らない国を理解し、その方向性を理解し、それに基づき経済政策を立てる。無能な『お雇い外国人』を首にし、国の現状を理解するために外国人コミュニティの言うことを鵜呑みにせず、ルワンダ人に聞いて彼らの論理を理解しようとする姿勢がすごい。
帰国後20年以上が経ってからとはいえ、虐殺のニュースを聞いた時の心中を推し量るとなんともいたたまれない。
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学生さんにおすすめしたい一冊。
1960年代にルワンダの中央銀行総裁を務めた日本人が、
在籍当時の出来事を自身で綴った一冊です。
中央銀行の仕事がわかる、
海外での国際開発に尽力する人間の情熱が伝わってくる、
知識の力、無能の罪を見せつけられる、
海千山千との交渉でどきどきする、
そして、その後の出来事を思い悲しい気持ちがこみ上げる。
とにかく、いろんな方向から楽しめます、
経済を勉強してから、もう一度読みたいですね。
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現地人の力を信じた経済改革にかける日本人総裁の熱意にうたれる。その分ルワンダ動乱で無に帰してしまったことに胸が痛む。
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名著だというので読んでみた。確かに良書であった。ただ冷静で客観的な記述が多いので強くくるものがないという感じで四つに。とはいえ、実行したこと自体はすごいことで、行政の力の大きさを実感する。こういう人たちが日銀にいるわけで、もう少しありがたがっても良いと思うのだがね。結果責任もあれども。政策的にまずかろうと思うこともあれども。