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根底にあるものは、幸せに暮らせる生活。
みんなが助け合ってけんかして仲直りする。
普通の人間関係の後ろに潜むそれぞれの欲。
それさえも正義として進んでいる。
昔、税を米で支払ってた時代の日本を、思い出してしまった。
心からの笑顔は誰だってどこだって見ていて気持ちがいいもので。
半年以上も一緒に暮らした人々の消息が、
この時代に確認出来ない事実を知らなかった自分。
またいつか村の人たちと会えたら良いな、と思いました。
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ルポのテーマは垂涎。語り口が笑ってしまうほど軽快。
体験、見聞だけでなく
世界情勢、歴史もポイントごとに書かれていてわかりやすい。
行ってみたい。
秘境がなくなっていく。なんだかかなしい。
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黄金の三角地帯というアヘン栽培の現場で何がおきているのか
ワ民族の村に滞在しながら自らもアヘン中毒になりながら
取材した本。
文章を読むと力がぬけていて、やにさがっていない作者の態度に交換がもてる。
実は中国語、ビルマ語、ワ語と語学の勉強もしっかりしているし、英語のルポの読んだうえで現地に入るし、この体験も英語で出版しているし、しっかり一本筋が通っている。
しかし、どのページをよんでも脱力感は、あくまでも周りの状況や相手に態度を合わせてしまう高野さんのタオルケットのような姿勢にあるとみた。
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ミャンマー北部、反政府ゲリラの支配区・ワ州。1995年、アヘンを持つ者が力を握る無法地帯ともいわれるその地に単身7カ月、播種から収穫までケシ栽培に従事した著者が見た麻薬生産。それは農業なのか犯罪なのか。小さな村の暖かい人間模様、経済、教育。実際のアヘン中毒とはどういうことか。「そこまでやるか」と常に読者を驚かせてきた著者の伝説のルポルタージュ、待望の文庫化。
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生きるためにアヘンをつくる。
それは米をつくることと何らかわりない。
それを利用する軍やマフィアがそのサイクルを悪い方に利用している。
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相当面白い!始めて準原始共産制の村に学校というシステムが導入されて、学校の本質が画一的な管理教育であることに筆者が気付くことや国家を認めていない村人が始めて自分達の言語が方言であることを認識する場面に立ち会う下りは衝撃的だった!
発展するためには効率化な教育が必要で競争の中で、子供の比較やストレスが生まれていくんだなぁ。
そんな村でも文明から遠い村人がアヘンの投機で財テクをしているのも、人間の本質を感じる。
筆者が、ワ州でアヘンを栽培を通して体験した数ヶ月の日々はいいも、悪いも判断無く日本と近い文化を暮らす人々の生活が感じ取れて凄い。最後にアヘン中毒になって帰るあたりが本当にリアルな実体験!
虹の煙がどんな心地なのか気になる( *`ω´)
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いやあ、すごい。色んな意味で。「アヘンは現場から作られている」とばかりにゴールデン・トライアングルに本当に行き、実際アヘン栽培をし、現地の人と一緒に暮らし・・・。それは高野氏をもってしても容易なことではなく、現場に入るまでも多くの人の手をわずらわす一苦労。入ってからは畑仕事にヒーフーフー。やりたいと思ってやっちゃう、その好奇心と行動力に脱帽です。「世界には知らないことがまだまだ山盛りにある」ということを力づくで教えてくれる良書。目からウロコを落としたいときにどうぞ。時代背景がくっきり出ちゃってる部分もあるので、解説の入っている文庫判がお勧めです。
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ムベンべのときより文章力があがっているのか、だいぶ読み応えがありました。
ミャンマーの政治が複雑なことがわかったけど、アヘンを作っている人はそれをどれだけ理解しているのか。軍の幹部にしても、ちゃんと理解できてる人がどれだけいるんだろう。
わけは分らんけど、武器が手に入るから戦争してる、みたいな印象。書かれたときとはまた情勢は変わってるんだろうけど、誤解は誤解のままになってやしないか、とか心配。
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こんなにハードな内容だとは、読む前には思ってもいず。とにかく無事に日本に帰ってきて、この本を書いてくれてありがとう、と著者には言いたい。中国と国境を接するミャンマー・ワ州では、両国のどちらにも属しない独自の生活が営まれていて、そこでは皆がケシ栽培を行っている。著者はそこで暮らし、ケシを栽培し、アヘンを吸いもする。ここまでやる人の言うことは信じるに値すると思う。
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まだまだ世界は広いことを思い知らされる…。
行きたくても行けないところが、まだこの世の中に存在するとは。
アヘンの実態を知るために、実際にケシの種まきから収穫まで、村に滞在しながら体験するなんて。
「誰もしないようなことをする」が高野さんのモットーというが、なかなか出来ることじゃない。
村人との交流が、笑えるところもあり、おもしろかった。
シラミに悩まされるくだりは、読んでてこちらまで体が痒くなってきた……。
服の縫い目という縫い目にビッシリと……ウゲー。
しかしワ州ってところは、ホント独特なんだなぁ。
ビルマであってビルマでない。
ビルマのお金も「なんだそりゃ」状態だっていうんだから。
日本でそんなところはまずないだろう。
高野さんの本を読むと、なんというのか、深窓のご令嬢がひょんなことから(本当は心優しい)不良と知り合って、いろんなことを体験していくうちに「この人は、私の知らない世界をどんどん見せてくれるわ!」と感じるのに似ている気がする。
まあ、私は深窓のご令嬢でもなんでもないけどさ。
願わくば、高野さんがもう一度、ムイレ村でお世話になった人たちの消息を探りに行って欲しいと思う。
もうきっと、行けないんだろうし、行けても見つからないだろうけど……。
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作品の紹介
ミャンマー北部、反政府ゲリラの支配区・ワ州。1995年、アヘンを持つ者が力を握る無法地帯ともいわれるその地に単身7カ月、播種から収穫までケシ栽培に従事した著者が見た麻薬生産。それは農業なのか犯罪なのか。小さな村の暖かい人間模様、経済、教育。実際のアヘン中毒とはどういうことか。「そこまでやるか」と常に読者を驚かせてきた著者の伝説のルポルタージュ、待望の文庫化。
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他の高野作品に(あまり)ない『重厚さ』を持つ本書。 お馴染みの飄々とした雰囲気もあるが、しっかりと訴えの詰まった一冊になっている。ベストセラーには、なりにくいかも知れないケドとても面白く、愉しめる。
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これまで麻薬、アヘンを栽培する村に潜入するだけのジャーナリストはいたけど、まさかのそこに潜入して、村人と一緒にアヘンを栽培する!さすが高野秀行。でも栽培だけにはとどまらず、アヘンに手を出しついにアヘン中毒になってしまう!というミイラ取りがミイラになる的なオチですが、ゴールデン・トライアングル、ミャンマーの事なども書いてます。
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これぞ読書の醍醐味かと。アジアの辺境に行って、アヘンを種から育てて、ひたすら草むしりして、最後にはアヘンプチ中毒になるなんて、まず自分では体験できない。イイなぁと思うのは、作者が上から目線ではなく、滞在する村に溶け込む努力をしながら、でも、どうやっても異邦人であることを認識しながら書いてあること。愛があります。
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沢木耕太郎の本を読むと旅に出たくなる。 一方で、こんな旅したくない、と思わせるライターがいる。 したくないというか、できない。この人でなければ、こういう旅、こういう体験はできない。 高野秀行。『幻獣ムベンベを追え』では、アフリカ・コンゴにある湖に怪獣探しに出かける。しかし、食糧不足になり怪獣探しというよりジャングルでのサバイバルとなる。 今回はミャンマー奥地、ゴールデントライアングルと呼ばれる地域の村に住み、村人といっしょにケシを栽培しアヘンを収穫する。マラリアにかかり生死をさまよう。シラミに刺され猛烈な痒みに襲われる。 つらそう。痛そう。 しかしそんな旅というか生活でしか見えてこないものがある。 語学の能力に長けていることもあるが、外国から来た有名な作家(取材許可を得るため建前はそうなっている)、なんて存在ではなく、どこか知らないところから来た変わったヤツ、くらいにしか村人に思われない。 女たちといっしょにケシ畑の草取りをし、男たちといっしょに酒を飲みアヘンを吸う(!)。高野と村人との距離はものすごく近い。 そんな村の生活の中でわかってくることがある。この地域は反政府ゲリラの支配地域だ。 村人は、その反政府軍に徴兵されたり、収穫したアヘンの半分近くを税として取られる。生活はつらく貧しい。 そういうミャンマーのゴールデントライアングルの状況がよく理解できる。すぐれて読みやすいルポルタージュだ。 著者は同じミャンマーものとして、やはり集英社文庫から『ミャンマーの柳生一族』という本を出している。 こちらのほうが最近の旅を記しているのだが、著者はこの本を、中央ミャンマー政府を徳川幕府に、反政府ゲリラを監視する役人を柳生一族に例え、書いている。 しかし歴史物に疎い私(地理は得意)、徳川幕府の知識に乏しく、例えが例えにならなかった…。 それはともかく、行きたい! とは思わないが、読みたい! と本が出るたびに思わせるライター、それが高野秀行だ。