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人は許されるから生きていける。
人は誰かのために働くから生きていける。
重い罪を背負った登場人物たちが、
最後に行き着いた場所、「尽果(ついはて)」。
彼らが、その場所で居場所を見つけ、
再生していく姿に感動しました。
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胸に湧き上がるこの温もりと滲む涙が原田作品の充実感。人間は弱い、でも同時に様々な強さも持っていることを思い出させてくれる。
ただ、与羽絡みのマリアの過去は好きではない。身近にいる紫紋や克夫さんが男だから彼女を見守る目線が穏やかなのかなとも思う。女将の抱えてきた苦しみは計り知れないだろう。赦される側より、赦す側の葛藤と感情の推移をもっと知りたかった。
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死を求め、辿り着いたバス停「尽果」。
そのバス停の先、崖っぷちに立つ小屋の様な古民家が、
「まぐだら屋」という料理屋さん。
そこから漂う、かつおの香りに引き寄せられて
紫紋は、足を踏み入れます。
下っ端料理人として修業をしてきた彼は、
そこで手伝うことに……。
料理屋を一人できりもりするマリアは、
なぜか左の薬指がなく…!
また、料理屋の元締め女将は、マリアを嫌悪していて…。
登場人物には、かなり謎があり、悶々とします。
一方で、食の力をつくずつ感じました。
生きる基本の力、心をふっと和らげる温もり…。
食に込められた愛が溢れていました。
ラストはやっぱり泣かされます。
原田さんの作品は、ほとんど泣いているかも…!
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挫折を経験した若者が、最果ての地で再生し、帰るべき場所へ帰っていく という物語。
登場人物や地名を(半ば無理やり)聖書に出てくる人物に準えているあたりは苦笑せざるを得ないが、フィクションだと割り切って読めばそれなりに楽しめるし、ほっこりできる物語だと思う。
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薬指のないマリアの過去は気になるし、紫文がなにから逃げてるのかも気になって仕方なかったけど、マリアの過去がどうにも気持ち悪く受け入れられなかった。自分が女のせいか、どんなにマリアが償っても赦されないだろうと思うとあまりにも身勝手に感じてしまう。
赦される方は勝手で、赦す方が何倍も辛いのだろとつい、考えてしまった
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マリアの過去が大げさだな…という感はあるものの、全体的に楽しく読めました。まぐだら屋の定食、食べてみたいな。
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☆3.5かなー。
読みやすい文章で惹きこまれるように読んだけど、どうしてこういう話って、結局みんなバラバラになっちゃうのかな。まぐだら屋にずっといればいいのにーー!
登場人物の名前は無理があったのと(苦笑)、マリアの過去にそこまで同情できなかったのがあって、ラストはうーんって感じかな。
ただマリアや紫紋が作る料理の描写がとても美味しそうで、良い意味で楽しめました。こんな定食屋行ってみたい。
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地名や人名が聖書(特に新約聖書)からのもので
戸惑ったけど
傷ついた人々の再生物語。
マリアの過去が聖書にマグラダのマリアに関連してるとするならば
マグラダのマリアが元娼婦という罪びとだったからなのかな?
詳しく聖書を調べればもっと深く読み込むことができるのだろうか?
紫紋の料理を食べてみたい。
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このような内容の物語は嫌いではないし、涙を誘う筆力はなかななかだと思う。だが、余りにもよくある話過ぎてしまって、心に残らないのだ。
世の中によくある話、ということではなく、このようなパターンの話ではありがち、という意味。悪くなく話だけれど、もう少し捻りが欲しいと思う。
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自責の念に押し潰されて自害を求めての最果ての地。自戒と無為の生~意義と償いの生へ、希望がふたたび灯るのをそっと見守る様な尽果の土地と"まぐだら屋"。一貫した重さとせつなさは最後まで振りほどけない…"再生ではなく復活""許しではなく赦し"の感がここまで強ければ仕方ないかぁ。
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とても面白かった。
内容的にありふれた感じでしたが、
全体の空気がとても心地よかったですね。
それぞれの人物がとても魅力的にえがかれていて、
終わりの余韻も良い感じでした。
原田さんの作品では、一番好きですね。
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聖書にちなんだ こじつけた登場人物の名前が嫌味にならないくらい 話の展開が面白く感じた。絵画 キュレーターをモチーフにした小説とは違って 著者の別の面が解かったようで新鮮だった。
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最期の地として選んだところにひょんな人生が待ち受けていた。
辛い過去を抱えた一人一人が重なり合って生きていく。 生きていられないと思っても生かされ生きる。
赦されないと思っても赦されて生きる。
そしてどんな自分でも待ってくれてる人がいる。
そんな事を噛み締めて読んだ。
四季折々の風景を美しく感じた。
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一流料亭で辛い下積生活を送る紫紋。スキャンダルに巻き込まれ、後輩を失い、尽果へ辿りつく。そこにある食事処まぐだら屋のマリア、マリアを嫌う女将さん、母を殺したという丸弧・・・紫紋を含め、それぞれに人には言えない過去を持つ者が尽果に集まる。そんな人たちも徐々に自分を取り戻し、それぞれの場所に帰っていく。
名前が凝り過ぎだと思うけれど、いままでのマハさんの本の中では、一番読みやすかった。
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紫紋、マリア、克夫、女将さん。
地塩村、バス停・尽果〜つきはて〜
原田マハさんは、執筆中に涙を流さなかったんだろうか。
紫紋の仕事っぷりと青年らしい素直じゃない所とひたむきな所、マリアの覚悟、克夫の懐の深さ、他の人たちの静かな優しさがいい。
やっかみや僻み、詮索のない静かな村もいい。
心に残る物語だ。