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聖書にちなんだ こじつけた登場人物の名前が嫌味にならないくらい 話の展開が面白く感じた。絵画 キュレーターをモチーフにした小説とは違って 著者の別の面が解かったようで新鮮だった。
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最期の地として選んだところにひょんな人生が待ち受けていた。
辛い過去を抱えた一人一人が重なり合って生きていく。 生きていられないと思っても生かされ生きる。
赦されないと思っても赦されて生きる。
そしてどんな自分でも待ってくれてる人がいる。
そんな事を噛み締めて読んだ。
四季折々の風景を美しく感じた。
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一流料亭で辛い下積生活を送る紫紋。スキャンダルに巻き込まれ、後輩を失い、尽果へ辿りつく。そこにある食事処まぐだら屋のマリア、マリアを嫌う女将さん、母を殺したという丸弧・・・紫紋を含め、それぞれに人には言えない過去を持つ者が尽果に集まる。そんな人たちも徐々に自分を取り戻し、それぞれの場所に帰っていく。
名前が凝り過ぎだと思うけれど、いままでのマハさんの本の中では、一番読みやすかった。
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紫紋、マリア、克夫、女将さん。
地塩村、バス停・尽果〜つきはて〜
原田マハさんは、執筆中に涙を流さなかったんだろうか。
紫紋の仕事っぷりと青年らしい素直じゃない所とひたむきな所、マリアの覚悟、克夫の懐の深さ、他の人たちの静かな優しさがいい。
やっかみや僻み、詮索のない静かな村もいい。
心に残る物語だ。
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内容(「BOOK」データベースより)
東京・神楽坂の老舗料亭「吟遊」で修業をしていた紫紋は、料亭で起こった偽装事件を機にすべてを失った。料理人としての夢、大切な仲間。そして、後輩・悠太の自殺。逃げ出した紫紋は、人生の終わりの地を求めて彷徨い、尽果というバス停に降り立った…。過去に傷がある優しい人々、心が喜ぶ料理に癒され、紫紋はどん底から生き直す勇気を得る。
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登場人物はそれぞれ、ハードな過去の罪や罪悪感というものを抱えている。
この小説のテーマは贖罪と母の慈悲深さというところなのでしょうか。
美味しそうな料理の描写や、故郷の母を思う気持ちなど、心にぐっとくる場面が多々ありました。
それぞれが罪の意識があるからでしょうか、聖書にちなんだ名前がつけられていて、「まぐだら屋」やマリア、紫紋はまだいいとしても、丸弧や与羽は流石に無理があるだろーと、そこだけが気になった。
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テレビもインターネットも携帯もない生活。人と面と向かってつきあう、本当にリアルなコミュニケーション。他人への思いやり。そして、そんな思いやりの中で、自分自身ときちんと向きあうことの大切さを思い出させてくれる。
登場人物の多くが、聖書に出てくる名前を持つ
シモン、マグダラのマリア、ユダ、マルコ、ヨハネ。。。
それぞれは、なんらか元の名前の人物像に少しなぞらえているところがあるようだ。
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親子の愛を様々な形で表現していた。
吉兆の不祥事事件を要素に入れたりしてリアルな感じ&事件の舞台裏ってこんな感じなのかな?って興味深かった。
料理のディティールが鮮明で創作意欲を掻き立てられる。
少年たちと母親との関係がすごく良かった。
母親の愛はすごいね。素敵な小説だった。
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母親が息子を思う気持ちに涙が出て、まぐだら屋の料理を想像しておなかをすかし、マリアの悲しい過去に気持ちが沈んだが、克夫の優しさ、女将さんの気持ちにホッとさせられた。
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東京の超高級料亭で料理修行中の主人公が食品偽装、使い回し事件に巻き込まれて、弟弟子を自殺で失う。生きる気力を失くしてたどり着いたのが、尽果(つきはて)という海沿いの地にあるまぐだら屋という食堂。料理をするマリアに出会い、生きる気力を取り戻す。左手の薬指がないマリアには隠された過去がある。マリアが尽くす女将という病気の老女はマリヤを憎んでいる。あの女に惚れないことが、ここに居てよい条件だと言われた主人公は戸惑うが、マリアに惹かれた主人公は料理を作りながら居着いてしまう。女将が死を迎える時にマリアを許すことになる。
食品偽装から入るが最後には愛の話になる。面白い。
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すぅーっと物語の中に引き込む優しい文。終始、優しさに包まれたお話でした。
マグタラに引っ掛けた鮪鱈…出て来る人たちの名前…つっこみたくなるけど(笑)
許し、許され、生かされ、生き抜く。人間一人じゃない。大丈夫。それに母の無償の愛は偉大だ。
一番好きな場面…
見知らぬ人物でも、面倒くさくても、ひと声かけてみる。そうすることで何かがかわるかもしれない。
そう思って与羽に声を掛ける紫紋。心掛けたい、優しい気持ちだ。
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これは…マリアの過去が重すぎて何とも複雑。決して同じ女性、既婚者としては許せないし、贖罪というにはあまりに…なんというか。聖書からの引用の名前もちょっとひっかかる…。途中までは過去に実際起こった老舗料亭の事件がモチーフだろうし、そしてこんな過去が書かれていて…なんか、なんか、微妙ー!
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書名から「マグダラのマリア」がモチーフになっていることが分かる。読んでいくうちに紫紋、マリア、丸弧、名戯(ナザレ)寺、与羽という聖書に因んだ名称が使われるのを見るとクスッと笑いがこぼれてしまう。紫紋が死を覚悟して東京から逃げてきたのは恐らく山陰地方の日本海側。マリアの切り盛りする食堂で生きる希望を見出し、周りの人々の壮絶な生き様に包まれ巻き込まれ、やがて自分の本当の故郷へと帰る勇気をもらう。最後の頃の、母からの留守番電話に吹き込まれたメッセージを読んでいて涙が溢れてきた。
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ずるい
ずるいよ。
人のあたたかさ、繋がりの深さに涙が出ました。
なんか雰囲気が北の国からに似てなくもないような、そんな気がした。
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面白い小説に出会えると、その作家さんの作品をあれこれ、読み漁りたくなってしまいます。
しばらくの間、そのようなことが無かったのですが、久しぶりに”ハマった”のが、原田マハ。
最初に読んだ『楽園のカンバス』が面白かったので、以降、この作家さんの作品を次々と呼んでいます。
https://booklog.jp/users/makabe38/archives/1/4101259615
この作品の主人公は、20代の男性。
老舗の高級料亭に勤めていた彼ですが、失意を抱き、「遠くに行きたい」という思いに突き動かされます。
死を意識しながら、最後の所持金を使い切って降りたバス停の名前が「尽果」。
目に映った「崖っぷちの小屋」に向かう主人公。
着いてみるとそこは、「まぐだら屋」という食堂だった・・・という始まり。
深い心の傷を追った彼を受け入れてくれる、食堂の女主人、マリア。
彼女以外の住民たちも、なぜか彼を温かく迎え入れてくれる、尽果という土地。
マリアの包容力の影に、暗い過去の影響を感じる主人公。
登場人物それぞれの「過去との対峙」が、この小説のテーマになっています。
人を受け入れる、人を許す、人の役に立つ・・・この小説を読んで、「他者との向き合い方」のようなことを、学ばせてもらえたように感じます。
これまで読んだ作品とは違う、暗いトーンに戸惑いも感じましたが、逆に、この作家さんの”幅の広さ”も味わえた作品でした。
『旅屋おかえり』原田マハ
https://booklog.jp/users/makabe38/archives/1/4087452255
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