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結論から言うと、この作品は「BANANA FISH」の二番煎じになっている。物語の構築や転がし方や設定などはバージョンアップしているものの、物語の魅せ方や作品から受ける面白さの質が非常に似ている。前作のアッシュ・リンクスが2人居たらどうなるか?というような話と思えば当たらずとも遠からず。そして、前作にあったような主人公の多面性を2つに切り離したことによって登場人物には詰めの甘さがあり、紋切り型に描かれているように思える。良く言えば作者の芸風として完成され洗練されているといえるし、悪く言えば泥臭さく心に訴えかけるような感情表現がきれいに排除されているというか。いわゆる汚れた表現は凛の側に集中し、静の側だけにポジティブで暖かな感情表現が見られるというように役割をあからさまに分担している。その為キャラクターが軽く見えてしまう。強いて言うと三上尊というキャラクターの内助の功と友情は前作には無い部分かも知れない。物語が終盤に入り煮詰まってくる展開で前作で活躍したキャラクターをキーマンとして出してくるあざとさにはがっくりきてしまった