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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
小説だから、一応、フィクションなんですけど……、読んでいて、つらくなったのは、大江健三郎さん自身、障害児の父親なんですよね。そう思って読んでいると、ちょっとね~。障害児への偏見がね~。
紙の本
逃げることと生きること
2015/06/04 08:31
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投稿者:アトレーユ - この投稿者のレビュー一覧を見る
個人のエゴと社会のモラル。構図がわかりやすいので、あっさり感もあるが、そうそうドラマチックにいくわけもなく、案外、日常の小さなことが大決断のきっかけであったりするのが人生なのだろう。エゴとモラルの間で揺れ動く、特別ではない、ありきたりな人間を主人公に据えたからこそ、人の存在という根源的な問題が浮き彫りになってる気がする。
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ノーベル文学賞大江健三郎は難解、と思っているあなたへ。それは全くの誤解。村上春樹が「鼠」という男を登場人物にするよりもはるか昔に、彼は「鳥」を主人公にした作品を書いている。その時代を先取りしたコピーライター的センスにまず感動してほしい。内容も悪く言えばお涙頂戴もので、今の「セカチュー」に通じるところ大。
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人は、自分自身の人生を生きる事しか出来ない。主人公「鳥」の人生も又、彼自身以外の誰のものでもない。互いの人生を球体だとするならば、その表面が接するほんの小さな点のような部分でのみ、読者は彼の人生に思いを馳せ、様々な感情を抱くのだと思う。文庫版後書きでは、作品の最後の部分について著者の考えが述べられていたが、私はその箇所で確かな安堵と感動を感じた。
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大江健三郎の小説家としてのターニングポイントとなった作品。今では作曲家として有名になった息子の光さんの誕生という個人的体験をもとに、障害を持つわが子を迎えた父親の葛藤を描いている。
あくまでもこの作品は小説なのだけれど、ここに描かれている苦悩は一個人としての大江健三郎の苦悩と重なっており、そこから醸し出される圧倒的な重苦しさが、人が生きることの意味を読者へと問いかけてくる。
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あとがきで、これ書いたとき俺は若かった、とか言ってる。わかりやすいラストに向かうまでのウダウダイジイジは、読むのに日数かかった・・
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大江健三郎って難しいんじゃないかと敬遠してました。買ってからも放置プレイだたし。
・・・面白い。一気しました。
最後のくだりはちょっと読んでてキツかった部分もありましたが。女的に。
男と女だと感じ方違うんじゃないでしょうか。
今ダーにすすめてます。
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ヒトは青年から大人へと成長する。
ピーターパンシンドロームの私にとっては、つらい事実だ。
しかし、受け入れがたい状態を、目を背けるのではなく、昇華する。
そんな、順当なヒトの成長の過程を描いたこの話を読んで、大人もそんなに悪くはない、とほんの少し思った。
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独特な世界がその本の中に漂っていた、そんな感じがした。話自体はとても面白いと思ったが、難しい表現があり、最後までその雰囲気になじめなかった。もっと大人になってから、もう一度読んでみたい作品だった。
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エンディングの部分で三島由紀夫が批判したのは余りにも知られて居るので、短く書くけれども、
クライマックスで切るべきだったと批判されて尚、作者がクライマックスその後、を書き続けたのは、
氏が文学において「魂の遍歴」に重点を置いたことに他ならないと感じたので、
私はこの物語設定に満足しています。
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それが意図的かどうかはともかく、この小説が(或いは他のいくつかの作品が)著者の実生活に端を発しており、そのファクターのうち幾つかが実在の人物、事物であり、そして何より読者が容易にそれを知れる(マスコミの報道、出版物などによる)明示された事実である事は、1からフィクションを練り上げて執筆された小説に比べてこの実生活に根を持つ「自伝的小説」の方がよりフィクションであり、それを作品として完成させ発表する著者の志、創作に対する真摯さ、ちょっとでも気を抜けばただの安っぽい作家の告白とでも言えるようなスキャンダル性を売り物にした駄文になってしまうという緊張感を持った、非常に危険で研ぎ澄まされた側面を持つ作品である。と読者に思わせる事に成功している。簡潔に言えばこの小説は、大江健三郎という作家の「ただものじゃなさ」を思わせるのにうってつけの作品であると言える。かつての自分および自分に起こった事件、それに対する周囲の人間の行動や言動を全て客観化する事はやはりどっちかと言えば難しい事で、自分自身という対象は一番書きやすく見えて実は一番書きづらいものである。小説の題材に自分を選ぶのは、端的に言えば間違った選択といわざるを得まい。そこをあえてテーマに選び、ともすれば自分自身がかつて自分の子供を、その異形がゆえに殺してしまおうとした人間であると読者に誤解(あるいは?しかしそこは大した問題ではない)されることを厭わず、そして極端なまでに客観的冷たさ、鋭さを持った筆致で描写する。しかしこの作品がそういったこと―作家としての手腕をアピールする事や、或いはまあ そういう色々の表面的なものを繕う或いは飾るための意味合い―を目的にして書かれたのではなく、つまり純粋な創作物としての目的以外何ら関せずに作られたのだとしたら この著者は恐ろしい作家である。陳腐な言葉だが、書くために生きているのだろう。と思う。しかしまあそういった諸々は置いといて、個人的にはあんま面白くなかったです。何か、見え見えで。
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やはり実体験に基づいた感情のほとばしりは力強い。主人公の悩み苦しみ、逃げてしまおうか…という素直な感情。非常に率直に表されている。
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回りくどい表現が多く自分には難しかった。時々はわかりますが連続的に理解はできませんでした。なんど寝たことか…
とにかく主人公の絶望がながながとつづられていて鬱になるかもしれません。
しかし最後には批判もあったようですが個人的には納得いく締めくくりでした。
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大江健三郎は大学の授業でこの本を取り上げていたことから読み始めました。
この人はヘミングウェイなどの影響を受けているせいか、自然の描写が美しいと思います。
加えて、自分の人生の内容をオマージュする(私小説とは少し違うと思いますが)ことが多いので、内容が少しわかりにくくても変に臨場感があるのが面白いと思います。
自分にもし子供ができた時、自分は逃げずにその子を自分から守れるだろうか?
考えられました。
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授業の教科書なんで読んでみた、第2弾。つらい現実から逃げる。逃げる。逃げる。雰囲気が気に入ったから大江健三郎の他の本も読んでみようかな。