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ジョン万の素晴らしさに着目した井伏さんは最高です。私は井伏さんが大好きです。
この話の素晴らしいところは沢山ありますが、前半の船の中での食べ物の下りが最高すぎます。ジョン万の素晴らしさは、努力だの勤勉だの人徳などではなく、あそこにあると思いました。いや、人徳の原点はあれだと思います。腹が減った時こそ人間の真価が問われると思います。
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たしかジョン万次郎がよみたくて買ったんだったと思う。
でもジョン万次郎も面白かったけど、さざなみ軍記がおもしろくて
驚いた覚えがある。
終わりははっきりしないけれど、そこも含めて面白かったんだよね。
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船で遭難し、無人島で苦しい苦しい生活をしてる
万次郎はじめとする5人の日本人が
アメリカ船のホイットさんに救助されます。
それから長い長い万次郎の世界漂流が始まるわけですね。
5人の日本人の中で一番若い万次郎が学習するに最適な若さだろうと見初められ
英語の勉強から、欧米文化や知識知恵までを教えられます。
日本にやっとの思いで帰国しても
今度は日本の役所による調査調査、、、
それが終わったあとも鎖国から開国という時代に巻き込まれ
海外との橋渡しになる万次郎。
15歳で遭難したことが、
万次郎のその後の人生をすごくグローバルにしました。
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ジョン万次郎は江戸の時代、幼少期に土佐沖で遭難して異人船に救助されて、アメリカで色んな勉強をして帰国後日米交渉に活躍、のちは教育者になってその知識を伝えていくって云う、聞いただけで面白そうな人生を送った人。
そんな人生を送った人物の小説がなんで薄い文庫本一冊で収まってるのか怪訝に思ってたら、案の定小説というよりは純粋な伝記でした。
もっと肉付けして、吉川英治あたりに書いて欲しかったなぁ。
なんなら大河ドラマにでもしてほしい。
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歴史物にしては読みやすい。さざなみ軍記は平家没落時の話で、一人の若い公達の成長過程が書いてある。終わり方が尻切れトンボではあるが、それも井伏鱒二らしくて面白い。他二編ある。
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どちらも、淡々と書かれている。面白かった。
作者の感情は隠されていて、でもどこかしら意欲的な感じを受ける。
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一軍の将というものは、覚丹の表現によると部下に対して「猥りに糺さず、もってその志を犯さず、気を失わしめず」と心得るべきだというのであった。
伝蔵は言った。
- 世界のはては東西南北みな同じように、行くところまで行けば東西南北みな世界のはてにきまっている。いや、この島はまだ世界のはてとは思われぬとしても、助船がこの沖を通ろうとは夢にも考えられぬ。今日この島に着いたが最後、この島で朽ちはてるよりほかはないだろう。しかし考えようによっては、今日この島に着いたのが天地初時(あめつちはじめのとき)とも考えられぬでもない。みんな気を大きくして、そういうことにしたらどんなもんだろう?
他の四人のものは、ではそういうことにしようと答えて衆議一致した。つまり現代の言葉で言いおなせば、当日をもって無人島紀元元年の第一日と定め、おのおのその生命を慈しみ人生に対する懐疑を捨てようという説である。
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平家ものだというので、読んでみました。
教科書の山椒魚以来の井伏鱒二です。
さざなみ軍記・・・ネタばれになります。
某平家の公達の日記形式です。
だいたい都落ちから一の谷後まで。
主人公の公達の名前は明かされませんが、
父が新中納言で十六歳、武蔵守ということで、平知章です。
小隊を預かり、若年ながら、軍を率いて成長する様子が、描かれています。
六波羅を懐かしんだり、逃げたいと思う気持ちも見え隠れしつつ。
精一杯背伸びしていたんだと思います。
が、言葉選びが難解で、読みにくい。
時代がかってるんですが、それが、
平安を現代語訳した雰囲気を出しているのか、昭和風なのかよくわかりませんが、どっちにしろ、難解。
感情移入はし辛い。
ついでに、新中納言だの、三位中将だの、能登守だの、平家の皆さんの呼称はみんな
官位なので、誰が誰が知ってないとわからない不親切設定。
官位呼びはまぁ、当然なのですが、系図とか、最初についててほしかった。
ちょっと、誰が誰かわかるように学ぼうと思いました。
最後にオチ。
なんか!え?ここで?ってところで、うやむやに終わります。
一の谷で打たれる史実を踏まえて、次の日の戦で死ぬってところでぶつ切れるならわかるんですが、
史実に反して、生き延びてるんですよ。この知章は。
なのに、中途半端に怪我して、代筆させてすやすや眠ってるって。
そこで終わり!?
消化不良だわ。この、生き延びちゃった後どうするよ。
むしろ、くっついてるジョン万次郎の方が面白かったです。個人的に。
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土佐沖で遭難後、異人船に救助され、アメリカ本土で新知識を身につけて幕末の日米交渉に活躍する少年漁夫の数奇な生涯「ジョン万次郎漂流記」。
「黒い雨」もそうだったが、井伏鱒二の小説はノンフィクション風で、気が付くと引き込まれて読んでいる。ジョン万次郎とともに漂流し、ハワイに漂着した者が他に4人もいたこと、日本に帰国したのは万次郎を含め3人だったこと、万次郎が明治31年(享年72歳)まで生きたことなど、この本を読むまで知らなかったことが多かった。
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「ジョン万次郎漂流記」.そっけないくらいの淡々とした文章で,偶然と時代の流れによって大きく変わってしまった一人の男の人生が語られる.帰国後,幕末から維新にかけての大活躍は,一見したところ,成功した人生にも見えるのだけれど,私には彼の身の丈にあった生き方ではなかったように思えてならなかった.
「さざなみ軍記」.西国に落ちていく,平家の若侍の手記の形をとった小説.読んでいて,気持ちが塞いだ.こちらは星2つ.
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確か『黒い雨』でも感じたが、この作家の特徴は見た目はシンプル、意図が濃密に詰まっているところか。
表題作二作ともに、パーツは淡淡としているのだが、退屈させることなく、かつ、主張をさりげなく刷り込んでくる。書かれた時代背景を考えれば、この作家の反骨心と才に一目を置かずにはいられない。
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この小説は、「さざなみ軍記」「ジョン万次郎漂流記」「二つの話」の三作品が収録されています。
「さざなみ軍記」は、平安時代末期から鎌倉時代初期と言いますが、前夜までを平家の某と言う主人公からこの時代を語っています。
「ジョン万次郎漂流記」は、日本史でも少し習っている当時の漁民の一人が漂流して帰国した話です。
「二つの話」は、新井白石の時代の話です。
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さすがに練達の作家の手になる歴史小説だと感じる。平易でありながら、その時代の空間の奥行きや手触りとともに、主人公たちの心理に、すっと入りこむことができる。
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表題作に加え、「二つの話」と合わせ短編三つ。「さざなみ軍記」。平家の都落ちの過程で主人公の成長の様子を描いたもの。戦を忌避したい気持ちも窺える。「ジョン万」。実在した人の話だが、資料が少ないので虚構の部分が多いが、それがゆえおもしろい。「二つの話」。過去にタイムスリップするフイクション。2019.12.3
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井伏鱒二、優れた作家と思いきやあまりの面白くなさに辟易した。3話の中でも最後の「2つの話」は最低であった。