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池波正太郎の早い時期の小説。たしかに食事の記述はほとんどない!
さすが現地を歩いて土地に伝わる話を盛り込んでいるところに、厚みを感じる。
倒幕・維新という革命のもつ脆さ危うさ。おぞましいの世相の乱れ。
人間の醜さを指摘しているからこそ、清廉な西郷の人柄・人徳が引き立つのだろう。
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けっこうややこしい政治的観点からの安政~明治初期を分かりやすく書いてくれているのでかなり読みやすいです。
その中でぽつりぽつりと語られる西郷さんの動きというのも凄く分かりやすいし、引き込まれてあっという間に読み終えてしまいました。これが解説の人の語る、池波先生の『読ませる力』なんだなぁと脱帽です。
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西郷隆盛の生涯をダイジェスト的に知るには丁度いい小説。
司馬遼太郎の「翔ぶがごとく」全10巻は、ちょっとハードルが高いので、まずはこれでお試しです。
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西郷隆盛のことを悪くいう人はいない気がする。今も昔も。
日本史上、唯一の完全無欠善人、西郷隆盛の人物伝。
結局、西郷はあまりに善人過ぎたため、政治家にはなれなかった。なぜなら、政治家はどこかで弱者を切り捨てなければならないからだ。それができない西郷は常に社会主義革命のような理想を唱え続けることで、殺されることを願っていた。
西郷は自殺願望の強い理想主義者だ。
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今までなぜか取っ付きにくかった「薩摩藩」。ここにきて、西郷どんの太か魅力が気になり手に取ってみた。タイトル通り、西郷さんを知るにはちょうどの一冊。西郷どんのことをよくご存知の方には物足りない感はある。
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初の池波作品。
西郷隆盛の誕生から西南戦争で落命するまでの51年間を綴った伝記小説。西郷さんの魅力を伝えるエピソードがふんだんに盛り込まれており、思わずクスッときてしまうような愛嬌あふれる彼の肖像が思い描かれた。また禅(というか知行合一を唱えた陽明学だと思うが)に裏打ちされた哲学を芯としており、私利私欲を一切望まず、人民へ温かい眼差しを注ぎ続けた、まさに理想の政治家の姿を見ることができた。
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維新後、征韓論での対立から西郷さんが野に下り、私学校を設立し教育に励んだことで、薩摩藩には「私学校党」のような勢力が出来上がった。中央政府はこれを抵抗勢力と捉え、西郷暗殺のための刺客を放った(これが真実とは限らないが)。この刺客が私学校の徒により暴かれ、一矢報いるため政府への挙兵に至る。これが西南戦争である。西郷さん自身は挙兵に反対であったが、周囲が彼を担ぎあげて戦に打って出ることを止められなかった。このことを勝海舟が語るには、
「西郷は、みずから育てた子弟と情死したのさ。西郷さんは、あのような場面には知恵の出てこぬ人だった」
この一文に、当時も今も西郷さんが愛される所以を感じた。
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西郷の一生がコンパクトにまとまった一冊。初めて池波の著作を読んだ。司馬に勝るとも劣らない筆致で、こういう実在の人物を描いた作品をもっと書いて欲しかったと思う(有名な『鬼平』『梅安』等は読んだことがない)。
しかし誰が描いても西郷の偉大さというのは伝えきれないと思う。もし明治維新(西郷絡み)である人であるならば、この本を読んで、次に司馬の『歳月(上下)』を経て、大作『翔ぶが如く』(全10巻)に是非チャレンジして頂きたい。『翔ぶが如く』は単独で読むと、大変「読むのが辛い」作品だと思う。下手をすると歴史的事実がつらつらと述べられている錯覚に陥る可能性が高いからだ。
西南戦争が起こるまでの歴史的経緯をこの本や『歳月』を読んで理解したうえで『翔ぶが如く』を読むと、西郷の偉大さがよくわかると思う。僕は不幸にして『翔ぶが如く』を先に読んでしまったので、この池波版西郷に「物足りなさ」を抱いてしまった。
『翔ぶが如く』で司馬が「西郷の人格的魅力というのは、実際に会った者しかわからない」と匙を投げた上で、10巻も費やして伝えようとした西郷の魅力をこの池波版は1冊で伝えようとしているという理由による。
とは言いながらこの本が『翔ぶが如く』に劣るとかそういう意味ではなく、この本の魅力は西郷の魅力を伝えながらその一生をも著者の主張を厭味なく含めている点で読む価値はあると思います。
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苦手な日本史に着手。まずは人物からと風格ただならぬ西郷どんににらみを利かせました。とっつきやすく小説体になっている物から読みたかったので、池波正太郎の中編に決め手にとりました。
簡潔に西郷の気質と歴史における立場が分かります。面倒くさいことは省いて、その生涯に躍動感を残す描写は飽きずに最後まで読み込めました。もともと日本という国に愛国心はあれど、失望の方が大きかったので、その歴史と向き合うことが億劫であったのですが、歴史をたどれば見つめるべき部分は多くあります。西郷どん、その生涯感動し申した。
11/12/6
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私もこれが初の池波作品です。
意外に西郷隆盛をというより、薩摩を中心にした書が初めてでしたので、幕末から明治にかけての熱い試行錯誤の時代をもっと勉強しなければなぁと思いました。
物語の終幕で木戸孝允・大久保利通に加え、桐野利秋まで救いの手を差し伸べたのは好感がもてました。
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鹿児島まで行く新幹線と電車の中で読みました。
話が前後している所や横道にそれる部分が少し分かりにくかった気がします。
“記録”的な書き方で進められていたので、個人的にはもう少し『幕末遊撃隊』のような小説っぽさが欲しかったです。
この本に登場した桐野利秋がすごく気になるので、次は是非『人斬り半次郎』を読もうと思います!
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薄い本で読書苦手な私も抵抗なく手に取れました。しかし中身はとても熱かったです。西郷隆盛については里見浩太朗主演の年末時代劇スペシャル「田原坂」で大筋は知っていましたが、小説で読んでみて改めて西郷隆盛の一貫した生き様に、感動しました。まさに時代のカリスマ。惚れる。
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初の池波作品。惹かれざるを得ないと言われたその魅力のせいで、時に意図しない選択を迫られる西郷隆盛の一生。簡潔過ぎて少し物足りないが、所々に入る所感がいい。どの西郷作品を見ても、やっぱり江藤新平が軽く見えてしまう(笑)。
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西郷隆盛の話。初めて池波正太郎さんの本を読みましたが、読みやすく面白かったです。
西郷隆盛の正しいことを真っ直ぐ貫く生き方を少しは私も見習おうと思いました。
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西郷隆盛の半世紀の足取りを克明に追った伝記小説。池波氏は西郷隆盛と桐野利秋の二人を描くことによって、明治維新の様々な面を捕えている。
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西郷さんすごいなぁ。こういう人には、なれないなぁ。こんな偉大な偉人が日本にもいたんだと改めて。
池波さんの小説はどれもおもしろいな