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七竈、雪風という名前がすてき。
桜庭一樹に出てくる、「すごぅく」のような小さい「ぅ」を使う言葉が私は好き。
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静かだけどゆっくりだけど怒りとか憎しみが伝わってくる。母親に苦しむ女の子が可愛くてすき。幸せになるってどういうことだろうって、何が不幸なんだろうって感じです。
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「少女には向かない職業」「推定少女」「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない A Lollypop or A Bullet」と、この作者の少女を主人公にした作品を(再)文庫化を機に続けて読むことになったのだけど、いずれも読後ざらざらした感触を残す作品の中で僕にはこの話が一番胸に迫った。章ごとに主人公の美少女、彼女の親友の美少年、二人それぞれの母親、そして主人公の飼い犬(!)と異なった視点から語られる巧みな構成のおかげもあり、主人公のみならず周囲の人物がそれぞれ深みを持った魅力的な存在として描かれているからではないかと思う。
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桜庭一樹強化月間、最後の一冊は「昭和の言葉を喋る、うつくしいかんばせを持つ白雪姫」のものがたり。
あまりにうつくしすぎる少女・七竈と少年・雪風の物語、なのだけれど……七竈というよりは、七竈の母の物語のような気がした。それは多分読みながら、いつも七竈の母親のことがどうしてもチラつくし、七竈の父親のことをふと考え、七竈の見る世界感じる思いは……母の影を踏むようなものだから、ではないのかなと思うから。七竈を通して「母」の存在を見てるというのか。うーん。それだけじゃないし、やっぱりこれは七竈の物語なんだけど。
ビショップの眼差しと、七竈と雪風の会話がとても好きです。
最後の一話は少し消化不良というか、入り込めなかった感覚がしたのが残念。これがなかったら☆4だったかも。
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桜庭一樹さんの書く少女は、何故に毎度毎度こんなにも美しくて壮絶に孤独なのでしょうか。
全編通して、七竈のどうしようもない悲しみの空気に満たされています。
平成を生きる人々のお話ですが、言葉遣いがどこか古めかしく、古風で退廃的な雰囲気を漂わせています。
優奈もただ一人と思った男に想いを遂げられないからって“辻斬り”しなくても。
皆が“辻斬り”に巻き込まれてしまっていて、最大に巻き込まれて悲しみに暮れているのが七竈。
七竈、可哀想に。
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なんだか切なくて物悲しい。生きる上で己とどう折り合いをつけていくか。憎んだり、許したり。
古風な言葉遣いが独特の雰囲気を醸し出している。七竃も良いが、緒方みすず後輩もなかなか。
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平成の物語にしては古過ぎる言い回しのせいか、どうも最後まで馴染めず。…そのまんま昭和の物語だったら違和感なかったのに。
最初から最後まで、本当に淡々としているお話ばかり。可愛そう、なのは大人たちではなくこどもたちである、と言いたい。
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非凡な美少女・七竃と美少年・雪風のワールドに憧れては、まとわりつき涙する。想いを馳せる。真っ白な雪によく映える赤と黒。大切な思い出と憂鬱とかすかな希望を乗せて走り出すキハ八兆Mの音。
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今年度一番最初に買った本。
桜庭さんの本はラノベ時代しかしらないので読んでなかったんですが、このたび文庫化してるのを知りつい購入しました。
私が南国育ちなのでこういった冬の寒さを表す小説はなかなか空気を感じにくいんですが、これはさすがでした。
大学の課題の女性文学、むしろこの方について書きたいです。
内容は恋愛小説、ってかんじですかね。見ればわかるし。
ネタばれはいやんなので雰囲気のみに留めておきます。
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童話っぽい空気の話しだと思った。
独特の文体やセリフで、ジオラマの中のような、ちょっと現実離れした世界が出来上がっている。タイトルからしても「白雪姫」を連想させるし、その舞台が旭川というのも、この物語の雰囲気に合っている気がする。
七竈の木、赤いマフラー、かんばせ。
世界を説明する単語の選び方が、とても好きだ。
この話しは、子供の頃に感じる、世の中の理不尽に対して湧き上がる嫌悪感と、それを解決する力を何ら持たない自分自身に対するどうしようもない憤りに満ちている。とても狭い世界の中で、異形の身として居ることの所在なさ。そして、自分の意思とは無関係の成長と旅立ち。その哀しさを、このように、柔らかくも美しい文章で表現出来るというのは、すごいことだと思う。
何人かの乗客がわたしをみつけて、「川村、あの、旭川第二高校の・・」「あいかわらず・・」「ちょっと大人っぽくなったかな」などとささやきあった。顔に。顔に。顔に視線が突きささる。毒をぬった針のように。やめろ。見るな。勝手にわたしを見て見て消費するでない。わたしはうつむいて長い黒髪で顔をかくすようにして、つり革をぎゅうと握りしめた。(p.36)
「美しい人は、都会に向いている、と、そんな気がね。つまり変わっている生きものは。頭がよすぎるものも、悪すぎるものも。慧眼がありすぎるものも、愚かすぎるものも。性質が異様で共同体には向かない生まれのものは、ぜんぶ、ぜんぶ、都会にまぎれてしまえばいい、と思っていてね。ははは」(p.108)
わたしはああっ、とつぶやく。せまいせまいせかい。ちいさな町。人と人との距離のあまりの短さ、かかわりごとの多さにおもわず息をのみ、絶句する。(p.120)
「七竈の木って言うのはねぇ。とても燃えにくくて、七回、竈に入れないと炭にならないのだって。ねぇ、人間にだって、それぐらい念を入れて燃やさなければ、あきらめきれない気持ちはあるわよねぇ。だけど七回燃やした七竈の炭は、とても上質なものになるそうだから。だからねぇ、七竈。わたしは、あのころ、七竈の炭になろうと思ったのよ。」(p.221)
「はは、気にするな。旅は長い。これから君、いろんなものを得て、失い、大人になって、そうしていつか娘を産んだら、こんどは自分が、女としてのすべてを裁かれる番だ。はは、だから、気にするな。」(p.248)
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このひとの書く物語は、
どこか不思議なところがあってすきだ。
「七竃」「雪風」「七竃」「雪風」
「がたたん」「ごととん」「がたたん」「ごととん」
よみおわったあと、なんだか、
雪のにおいを吸ったみたいな、すきっとしたかんじがした。
(09/04/20)
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図書館で借りて一度読んでるけど、文庫化したので購入。やっぱり最後の場面が好き。これ読んでから、顔を「かんばせ」って言うようになったw
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Y君のお勧め。耽美的なところ、高校生くらいの年代はハマるな。旭川が舞台、鉄道好き、そっくりな美男美女、名前だって雪風に七竈とアイテム満載
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「白っぽい丸」からはみ出そうとした母と、「美しい」という自らの異形を呪った娘。女の一生は、本質的に「母を許せるか、否か」という問い…個人的に『私の男』よりも好きです。閉じた共同体、人間関係の描写がさすが!鉄道模型と、七竈と雪風の「がたたん」「ごととん」が印象的でした。
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文章が綺麗で読みやすく、現代の話のはずなのに妖艶でふしぎな雰囲気を醸し出した話でした。
桜庭一樹さんの物語をしっかり読んだのは初めてですが、また桜庭さんの本を読みたいと思いました。