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私のなくしたものたちに思いを馳せた。
いい作品を読んだ後、それぞれにユニークな特別な読後感に浸れる。読み終わった後、たまらない気持ちになった。
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以前も角田光代さんと松尾たいこさんのコラボの作品を手にしてすごく良かったのを思い出し、今回もきっと良いに違いないと思って購入。
なんだか読み終わったあと号泣してた。せつなくてあたたかくて、自分が今まで知らず知らずなくしてきたものに気付かされたというか。
私も自分がなくしたものたちの国にいきたい。忘れてたことを謝りたいような、でもそんなこと必要ないのもわかってる。
ただ、なくしたものをぎゅっと抱きしめて、また会えた喜びをかみしめたい。そしてまた違う形で会うことを約束したい。
いや、約束なんていらないんだよね、どうしたって出会ってしまうんだから。
うん、ほんと、いい作品。
なくしたものは私を待っててくれてる。だからなくしたことを悲しまなくていいんだ。
待っててくれてるし、また会える。
さよならは別れじゃない。
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不思議な連作短編集。
「なくしたものたちの国」という発想が素敵です。考えたことはなかったけど、ものをなくすことについて、無意識に絶望的なことのように感じていました。
なくしたものが在り続けることのできる場所があると思ったら、(本編でも書かれていたように)安心します。なくしてもどこかでいつか出会えると思ったら嬉しいです。
優しい発想だと思いました。
静かで、不気味だったり狂気じみてたり、でもどこかやさしい、各編読み終わる毎になにかジワーっと心にくるお話でした。
きれいな色使いのイラストなのに、静けさに、満ちていて物悲しく感じます。
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コラボ前作と違い、一人の女性の一生の物語なので読みやすかったですね。ただ、絵にも重要性がかかるので小説の内容には少し物足りなさがありました。
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ナリコの少女から年老いるまで。
彼女を取り巻く不思議なこと。
その不思議は切なくて甘酸っぱくてほろ苦い。
それらは、もしかしたら私も経験していたかもしれない。
そして、忘れてしまったのかも?
そんな風に話の世界に浸ってしまうのが、心地よい。
2015.5.13
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ステキなイラストを味わいながら少しずつ大切に読みたいと思っていたのにあっという間に読んでしまった。ミケの銃一郎の話は電車で読んでしまい涙を堪えるのが大変だった。
気づかずに無くしてるもの忘れてるもの、そういえば色々あるな…
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忘れてもいいのよ。姿をかえても、かたちをかえても、こうしてまた会える。
私のなくしたものたちのことを考えながら読み進めていって最後は、どばーと泣きました。ぐっときました。
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内容(「BOOK」データベースより)
いつのまにかなくなったもの、というのが、人生にはたくさんある。たとえば、赤ん坊のときに好きだったぬいぐるみ。水玉模様のかさ。初めてできた友だち。恋とは気づけなかった幼くてまばゆい初恋…。松尾たいこの彩り豊かなイラストから角田光代が紡いだ5編の小説には、そんな愛しくてなつかしい記憶がぎっしり。人生の出会いと別れをこまやかに綴った、せつなくもあたたかい作品集。
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幼い頃の思い出をたくさん思い出しました。ずいぶん、長いこと開けていなかった引き出しの中を見た気持ちになりました。大切にしなくちゃいけないものがたくさんあるなぁ。
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角田さんと松尾さんのコンビ、とっても合ってる!
ミケのおはなしが一番スキかな。
ゆきちゃんの喋り方がかわいい。
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角田さんの小説はうまいと思うけれどゾワリとした感覚がありそこがあまり好きではなかった。
「なくしたものたちの国」はまるで子供の時に楽しみにしていた学研の学習の夏休み特大号を彷彿させる。物語と一流の画家による挿絵。物語と絵が拮抗していた。学校へいかなくていい嬉しさと子供にとってはたくさんのお話が収録されていてワクワクとベージを開いたあの日、、、、。
ユーモアあり、ホロリとする場面もたくさんあり、不覚にもこの歳になって最後はじんわりと涙が。
今年読んだ一番好きな小説になるかもしれない。
なくしたものは、きっとなくなってはいないんだね。
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あーーーーすきだな、と思う。
角田さんの本は、これ読まなくてもよかったかも…って思うのと、ああこの本が読めてよかったって思うのと、両極端だけどどっちもある。けどこれは後者。読めてよかった。手にとってよかった。よくわからない話だって思う人もいるだろうけど、わたしにはすごくよかった!
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なかなか面白かったです。短編集かと思いきや、少しずつ重なっていて、前話の”私”のその後が判る。
失くした物たちの国がある、というのは、少し怖くもあり、でも懐かしくもあり。
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なくしたものたちの国。詩的なタイトルにストライクされ購入。内容もストライクでした。
銃一郎がお母さんを前に昔の思い出を語るところが泣けた。
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眠れない夜に時々ふと思う。
そういえば
昔大切にしていた
文房具やお気に入りの本やCD、Zippoライターにハンチングの帽子、手編みのマフラー、
みんなどこへいったんだろうと…。
人は失って初めて
大切なモノの大きさに気づく。
どんなに愛していたモノも
その去る時の瞬間は、
まるで記憶を消す魔法をかけられたかのように
一度も覚えてないし、
まるで始めから
そこになかったかのように
見事に消失する。
(特に消しゴムやライターの見事なまでの消え去り方には脱帽するし、まるで自ら意思を持って失踪したかに思わせる)
そんな忘れられたモノたちが暮らす世界が
どこかにあったとしたら…
瀬尾まいこさんと同じく
小説家の中でも
最も人間力のある人格者だと
個人的に思っている(笑)
角田さんだからこその
暖かい眼差しで描かれた
失われたモノたちへの愛と鎮魂。
お母さんが大事にしていたお姫様のかんむり、
ホットケーキが焼けるおもちゃの機械、
叶わなかった超ド級の恋。
動物や植物や果物と話し、生き霊にまでなってしまう(笑)
主人公のナリコが
幼少期から母親になるまでの
長い年月の間に失ってきたもののエピソードの数々は
誰もが自分と照らし合わせて
共感できるものばかりで、
大切なものを失ってきた人であればあるほど
どこまでも感情移入してしまうハズ。
その中でも
小学校に入学したばかりのナリコと
山羊のゆきちゃんとの甘酸っぱい思い出の話と
高校生のナリコと去っていった飼い猫との
奇妙な再会の話、
そして相手を想うあまり
生き霊になってしまうナリコの
三十三歳の切ない恋を描いた話は
本当に秀逸。
特に飼い猫のミケと主人公の母親とのエピソードは
動物を飼ったことのある人なら
号泣必至なのでご注意を…。
(そういう自分も、角田さんお得意のあざとさを感じさせない抑制された展開と会話の妙に、静かに静かに嗚咽が溢れてきてホンマヤバかった!汗)
人は無くすことを繰り返しながら
それでも生きていく。
まったく別々の道を歩んできたモノ(人)たちが
ほんの一瞬、同じ時を共有して、
そして別れていく。
なくしものをしても、
見つかるまでじっとそこで待っていることは許されない。
さよならだけの人生だと誰かが昔言ったけど、
さよならだけでは終わらないのが
人生の妙味だ。
いつか失くしたものや人たちと
遠いいつか、もう一度出会うために
人は生きているということを
この小説は優しく甘やかに教えてくれる。
なくすことはコワくない。
なくすことは出会うこと。
そう思わせてくれただけでも
自分にとっては価値ある小説だった。
最後に、
7年の��い生涯を終えた我が愛猫ヤミクロに最大の感謝を!!
この小説にどんなに励まされたかわかりません。
主人公のもとに愛猫が帰ってくるエピソードは
さすがに何度も読めなくなったけど、
今はこの小説に出会えて
本当に良かったって思えます。