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国語教科書の思想 みんなのレビュー

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みんなのレビュー32件

みんなの評価3.9

評価内訳

29 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

アイデアは良かったが、展開は不十分。

2005/10/11 21:06

13人中、13人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:越知 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 かねてから入試の国語問題について、斬新な切り口で興味深い本を出し続けている国文学者の新著である。
 学校の国語の教科書は何のためにあるのか? そりゃ日本語を学ぶためだろ、という答えは事実の半分をしか言い当てていない。実は道徳を教え込むためにもあるのだ、というのが著者の主張である。
 近年歴史教科書について激しい論争がなされている。歴史をどう見るべきかがイデオロギー闘争であるとするなら、国語の教科書が採用する文章にだってイデオロギーは含まれているのは、或る意味当然であろう。極端な話、教科書にマルクスや重信房子の文章が採用されているのと、保田与重郎や北一輝の文章が採用されているのとでは、子供たちが受ける印象はまるで異なってこよう。無論、現実にはそんな文筆家は採用されるはずもなく、無難な内容の文章が選ばれるのではあるが、にもかかわらずそこにはある種の定型的な思想が看取できると著者は主張する。
 例えば小学校の国語教科書には動物の出てくる文章がやたらに多く、「自然に帰れ」「都会は悪く田舎は善である」というようなメッセージが隠されているという。この種の分析は、言われてみればなるほどと思うが、意外に気づかない点であろう。
 著者はまた、一時期新聞をにぎわした「国語教科書から鴎外や漱石が消えた」という報道が誤りであると喝破し、「ゆとり教育」批判の一因ともなった「PISAの読解力試験」がいかなるものでその結果を単純に学力低下と見ていいかどうかという疑問をも提出する。いずれも貴重な指摘であると思う。
 以上、この本の価値を認めた上で、以下疑問点を記す。すなわち、著者の分析自体がイデオロギー的な偏向を含んでいるように見受けられるところである。例えば環境問題が国語教科書に頻出し、「わたしたちが考えていかねばならない」という言い回しで締めくくられる場合が圧倒的に多いことに触れて、これは政府の責任を回避する保守的な見方だと著者は言うのだが、果たしてそうだろうか? むしろ市民サヨク的な思考法の表れと見た方が適切ではないか。この種の問題を政府に丸投げせずに、自分たちの問題として捉え、自分は社会に直接関わっているという意識を絶えず持ち続けるのがその種の人たちの生き方だからである。高度の消費生活を営み環境を危機に陥れているくせに、「私は環境問題を自覚し活動もしているのだ」という理屈で自分を免罪してしまう。このくらいまで分析ができないと、国語教科書のイデオロギー批判としては物足りない。
 また、内容をそのまま受け入れるのではなく、内容の是非について議論できるようにするのが国語教科書の役目だと言いながら、案外著者の判断が固定的なのも気になる。例えば戦時中の物語から取られた教材に「体の弱いお父さんまでがいくさに行かなければならないなんて」という表現があることをとらえて、著者は「体の丈夫な男性なら戦争に行ってもいいとでも言うのだろうか。(…)どんな人間であっても戦争に行ってはいけないのだ」と書くのだが、どうだろう。生徒の意見の自由を尊重しろと主張したいなら、体が丈夫なら戦争に行くという考え方もあり得る、と書かねばならないのではないか。時代によっては個人の生よりも国家全体の安全を選ぶという選択もあったはずであり、現代人にそれが受け入れられるかどうかは別にして、様々な時代の異なる感性に対する想像力を養うのも国語教科書の役目である以上、著者がもう少し広い感受性と思考力を持たないと、せっかくのアイデアが十全に活かされない本で終わってしまう。一考して欲しい。

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2005/10/23 16:22

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2006/03/03 17:26

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2010/04/26 01:29

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2010/05/19 23:28

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2010/06/28 19:26

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