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それぞれにすさまじい話でしたが、やっぱり表題作の『瓶詰の地獄』は改めて読んでも「第三の瓶の内容」で落とされます。
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請い、狂い、拒絶し、散っていく様がすばらしい。
表題作の《瓶詰の地獄》。
漂流して辿りついた手紙を入れた三つの瓶。
繰り返される美しい島での毎日に訪れた黒い影。
美と悪が表裏一体となった作品。
どこをどこまで書けば読み終わったときに次の想像に繋がるか、
それを彼が確信して書いているのであれば
私は間違いなく彼に殺されるか殺しているか
そのどちらかしかないような気さえもしました。
(2009.05.30)
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まさか復刊されるとは夢にも考えてなかったので、ぞくぞくするくらい嬉しい…!瓶詰も良いですが、他も負けないくらい毒々しくて素敵です。
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【090510】楽あれば苦あり
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「彼らは亡くなったのです。」
意外にも
女は冷静だった。
「まず、彼女が自らを絶ち、
しめやかに彼女を送った後、
しばらくして身辺を正してから
彼も去りました。」
女と違い
私は直接には彼らを知らない。
傍目には人生を楽しんでいるかに見えた。
「苦しみもあったと思います。
悲しみもあったのではないでしょうか。
特に彼女は。女は衰えます。」
楽しんでばかりでは生きては行けぬか。
「私は
苦しいの好きです。
息が止まるほど苦しい。
声が出ないほど苦しい。
目が見えぬほど苦しい。
好きです。」
彼女もそんな苦しみを好んだか。
彼はそんな彼女を受け入れたか。
「今も
求めています。
狂おしく。
心が。」
女が伸ばした
腕を取った。
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購入はしていない。
大学の講義で、瓶詰め地獄を読みました。最後の手紙がカタカナで書いてあったのを読んで少しぞくっとしました。
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どきっとした!
ぞわっとした!
無人島持ってったら危なそう!
でもつい読んじゃう、魅入られる。
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「一足お先に」は、短編作として屈指の名作である。虚に引き込まれていく。真実が何か分からない。読書による疑似体験では、恐怖の極みである。
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ドグラ・マグラで有名な夢野久作の短編集。
表題作の『瓶詰の地獄』はかなりの短さながら、秀逸な作品。
流れてきた瓶の順番や、矛盾点を考えるとなかなか深く、ぞっとする。
その他もなかなかよいが、『死後の恋』なんかは、あの時代の時代背景なんかを良く理解してるともっと楽しめると思う。
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夢野久作は本当に凄い。
ほぼ全文が、とある島に流れ着いた瓶の中に入っていた手紙。
その手紙調の文体のチカラで、この話の威力が倍増してる。
これが昭和初期に書かれた小説とは思えない。
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『瓶詰の地獄』
『人の顔』
『死後の恋』
『支那米の袋』
『鉄鎚』
『一足お先に』
『冗談に殺す』
2009年8月27日購入
2011年3月18日読了
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短編なので、サラッと読める。読めるんだけど、話からサラッと抜け出せるかと言うと難しい。とにかくすごい。
「死後の恋」とか「一足おさきに」とか、タイトルもいいよね。
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悪魔に誘われるがまま罪深く美しい地獄へ迷い込む。でもその悪魔は他でもない自分自身だったりするのだから、笑うしかないわ。泣き叫ぶしかないわ。狂ったようにうっとりと。
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「……オレダヨオーオー」っていう「冗談に殺す」の最後の台詞が頭の中でワンワン響いた。「瓶詰の地獄」は本当にトラウマ……
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海難事故に遭った兄妹が無人島に漂着。
3本の流れ着いた瓶の中の文書から
彼らに何が遭ったのかをひも解く。
すごく短い話。
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表題作は流れ着いた三つの瓶に入っていた手紙を第一の手紙、第二の手紙、第三の手紙と紹介していく形式。無人島に流れ着いた一組の男女。天国のような島において、地獄の苦しみを味わう二人。第三の手紙におけるインパクトが強烈で、また、この短編に仕組まれた作為性にも思わず身震いがする程。
表題作のほかに6作の短編が収められているが、どれもこれも、読むものに眩暈を起こさせるような秀逸な作品だ。特に、解説文でも「白眉」と言われている「死後の恋」。旧ロシアの貴族だという紳士のがある日本の軍人に語る「死後の恋」についての話。その語りに引き込まれていると最後に驚かされる。