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なんというか、ど真ん中3の評価しか付けられない作品だと思う。
呼子池の怪魚みたいな短編があと四つも並べば、名作と呼べたのかもしれないけど、あれ以外は取り立てて面白い作品だとは思えなかった。怪談としても幻想綺譚としても弱い。
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怪奇・幻想的な作品を7編収録した短編集。
最も印象的な短編は「特別料理」
変わったものを食べることに喜びを感じる主人公とその妻が、"YUI"という料理屋の虜になっていく話です。
その中に出てくる料理名や解説が妙に生々しくそしてシュール、
想像するだけで気持ち悪くなるとともに、もはや笑えてきます(主人公がそうした食癖に目覚めたきっかけ、ミジンコ風味のチャーハン、カマキリ料理をめぐっての主人公と店員のちょっとしたやり取りなどなど)。
そして読み進めるほど料理のレベルが上がっていき、自分の中で徐々に不穏な感情が浮かんできます。これがミステリ的な伏線と共に明かされ、そしてラストに収束した時、一線を越えた人々の異常さと彼らの幸せそうな描写に震えました。
他の短編もミステリ的なトリックを使いつつ、見事な怪奇・幻想短編になっています。「再生」はその典型でトリックを見事に畸形への愛という美しさに昇華させた作品だと思います。
「呼子池の怪魚」もラストが美しく「人形」は読み終えたときの不思議な読み心地が印象的。
表題作「眼球奇譚」は作中に出てくるオブジェの描写や女性の執念が凄まじく、一ひねりも加えられていて大満足!
江戸川乱歩の短編を読んだときにも思ったのですが、こうしたジャンルの作品って、文学の本流からは外れている気がするのですが、完成度が高いと文学作品以上に美しく見えてくるのが不思議です。
そんなことを考えているうちに思いだしたのが「特別料理」の主人公夫妻。彼らは常識外の料理を食べることに喜びを見出します。それはこんなものを食べている、という一種の誇らしい感情と罪悪感が混ざり合った甘美なものらしいです。
料理で考えるとなかなか共感はできても理解はしにくい彼らの感情ですが、それを怪奇や幻想小説といった本流から外れた文学作品に夢中になる自分と重ね合わせると、
ほんの少し彼らの抱いた甘美な気持ちが理解できるような気がします。
ちなみにこの作品はコミカライズ化もされてるそうですね。表題作をどんなふうに書いているのかももちろん興味はありますが、
収録されているかどうかは知らないのですが「特別料理」がやっぱり一番気になるなあ。読みたいような、読みたくないような…
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前3編のテンポの良さにのめり込み、その後3編に少し物足りなさを感じてたら、最終話にて、なんとも言えない後味の悪さ。たしかにミステリーとも違うし、ホラーとも違う。作者の思う通り、怪奇、幻想という言葉が一番しっくりくる。
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綾辻さんの作品はどれも好き。
本作品は短編集になっているものの、由衣という人物の名前は一貫して登場するため、各作品は独立しておらず関連性があるのかと不思議な気持ちになる。
脳内変換される映像がどれもグロテスクだが、
特別料理という作品は、読み進めるにつれて昆虫系が出てきて想像するのが辛くなった、、、笑
どんどん読みたくなる文章なので、一気に読めます。
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やばいオチへの予感を巧みにくすぐる愉しい導入部分から、ときに猟奇的、ときに怪奇的、ときに幻想的な読み味を味わえる奇々怪々な物語が7篇。
奇妙な面影によって芽生える強い既視感と不安感が作品内を支配する。
どこかで見たことがある、から誰かに見られている、への反転。
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初めの「再生」で度肝を抜かれ、その後も「盛りだくさん」な展開に目が回りました。何個か印象に残ったものを上げると、まず「特別料理」。題名と内容から想像するにほぼ間違いなくスタンリイ・エリンの小説を踏まえた一作です。最後の一文、最強のハッピーエンドのようで最恐のバッドエンドとも取れます。エッジのきいた、あとは何と言っても「再生」。形容しづらい気持ちの悪さ。同じ話をされるのにも、話し方によって印象が変わりますが、これはその語りが良い。短編一つ一つのレベルが高いだけでなく、短編集としても良いまとまり。満腹。
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ミステリだろうと勝手に決めつけて内容を確認せずに読んで失敗しました。どの話も読みにくく意外性もなく楽しめなかった。
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ちょっとグロめの短編集。
特に、「特別料理」の気持ち悪さは圧巻です。ちょっと妻がアホすぎないかという気はするけれども。雫井侑介さんと同じく、文章に変なクセがないので読みやすいです。
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とても不思議なお話がいくつか詰まっています。
綾辻行人先生の、「深泥丘奇談」が好きと言う方には積極的にお勧めしたいです。
不思議な話は読みたいけれど、意味がはっきりわからない話は読みたくない、と言う人にはあまりお勧めしません。
私は中でも「特別料理」の話が好きです。
読む前に戻ってもう一度お話に引き込まれたい気がします。
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最近エリンの特別料理を読んだので、読みたくなった。多分10年以上前に一度読んだ事がある。
全体的に陰鬱でよい。なんていうか、記述されてる内容に関係なく、どんよりした曇りの日とか湿度の高い寝苦しい夜みたいな空気がずっとあって、不安感や不快感がある。
あと解説がうるさい。
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7話の短編作品で、すべての作品に「由伊」という名の人物が出てきます。
綾辻行人のこだわりなのだろうか、すべてが同一人物ではなく、話により美しく、妖艶で、性格も年齢もそれぞれだ。
恋人や夫婦愛、親子愛、動食物愛。
眼球奇譚の中の一文、「お食べなさい。噛み砕いて、味わって、飲み込みなさい。消化して、吸収して、そして排泄しなさい。」ゾクゾクするが、身体の奥底も一体になれそうな快感と愛を想像してしまいました。
ホラーではなく、どれも独特の世界観の中の、美しく奇妙な愛の話と感じられました。
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再読。短編集。昔読んだ時は読書初心者ということもあってどの話も興味深く読めたものだが、いま改めて読んでみると現在では似たような話が氾濫しているからか今更感が強かった。この作品が発表された当時に読めていたらその時はもっとぶっ飛んだ感想を抱けていたんだろうなぁ。一番好きなのはやっぱり「再生」かな。
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少しばかりのミステリーと腹を突き上げるようなホラーが入り混じった怪奇譚・幻想譚が7篇おさめられた短編集。どれもこれも不気味で、思わず目眩のするような気持ち悪さを感じる場面も少なくなかったが、それは作者の表現力によって読者が場面をありありとイメージさせられるからだろうと思う。目を背けたくなるのだが、続きが気になり目を背けられない、ホラーとはそういうものだと感じる部分があるため個人的にすごく大好きな小説に出会えた。
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気色わる〜!
タイトルが気になって読んだけど、結構、グロいのある〜!
ホラーにミステリーテイストが付いてる感じ。
短編7編、全部のストーリーにユイがててくる。どういう意味かは、読者が考えて欲しいとの事。
で、私には分からん(涙)
特に『特別料理』が…こんな美味しいそうな料理が食べれるなんて!多分、食べたら…私なら…((((;゚Д゚)))))))
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どなたか(多分辻村深月さん。違ったらごめんなさい。)のエッセイに出てきてメモしておいた本。グロ・ホラー系だったのでちょっとびっくり。7つの短編からなる短編集。あとがきによると、綾辻さん初の短編集らしい。
由伊という人物がどの話にも出てくるけど、同一人物ではなさそう。