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筑紫さんのこれまでの仕事と、エポックメーキングな出来事を絡めて、その時に何が起こったのか、どう報道したのか、報道現場はどうだったのか・・を真摯な言葉で語っている。
筑紫さんの人柄が出ている。テレビの裏の世界は興味深い。
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筑紫哲也氏が亡くなつたのが、四年前の本日(11月7日)でありました。
世間の褒貶が極端な人といふ印象でしたが、改めてその著書を開きますと、傾聴すべき提言が多いのです。
『ニュースキャスター』は、筑紫氏が長年メインキャスターを務めた番組「NEWS23」の舞台裏を中心に語られてゐます。
番組誕生のいきさつや、テーマ音楽への思ひ入れ、「多事争論」ができるまでの経緯、クリントン大統領(当時)の出演、オウム事件や神戸の震災...番組の変遷は、そのまま平成現代史の歩みと申せませう。
筑紫氏といへば、その発言がしばしば物議を醸したものです。しかし、それらは失言といふよりも、世間の意見を承知の上で、あへて述べるのが役割であると自身で思つてゐたのでせう。
本書にも(169頁)、「多事争論」で世論に逆らう少数意見を述べる予定の日は、スタッフに「今日は(抗議の電話が多く)来るぞ」と予告してスタジオ入りしてゐたと書かれてゐます。
くどいやうですが、公正中立な報道は有り得ません。必ず「偏向」してゐるものです。
他人の意見に惑はされないやうに心がけてゐるわたくしですが、判断に迷ふ時にいつも参考にしてゐたのは筑紫氏の言葉でした。頼るべき指針と申せませう。(あくまでもわたくし個人の場合です。)
では又お会ひしませう。
http://ameblo.jp/genjigawa/entry-11399133781.html
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ニュースキャスターとは一体いかなる存在なのか?
「人は己を信ずるもののために死す。」
「私が採れる方法は二つあると思う。
一つはひたすらあやまって嵐が過ぎるのをまつ。
もうひとつは何故私があやまったかを
めぐって徹底的に論議することだ。」
「自然破壊を続けたら人類は生きていけない。
人類が滅びれば地球は生き残る。」
「人類の最大の発明はなんだと思うか?」
音楽 12音階
「北風と太陽」
「泥棒にも3分の利」;絶対の真理、絶対の正義はない。
小泉・田中は、文化が違った。
一番違ったのは、「言葉」である。
コミュニケーション
言葉だけによる部分 7%
言葉の抑揚、音節による部分 38%
表情、身振りによる部分 55%
非言語コミュニケーション」A・マレービアン 聖文社
私たちは言葉だけを信じて、相手を信用したり、
疑ったりの判断をしているわけではない。
顔つき、目つき、表情などの、
非言語的部分を含めた総体で評価している。
人間は自分が思っているほどには
かしこい生き物ではないし、理性的に、
ものごとを判断しているように見えても、
たぶんに環境に支配されて生きている。
「単一の説を守れば、その節の性質は
たとい純精善良なるも、これによりて
決して自由の気を生ずべからず。
自由の気風はただ多事争論の間にありて
存するものと知るべし。」福澤諭吉 <文明論之概略>
筑紫哲也の多事争論を見ていると、どうもめんどくさい。
とうまわしな発言が続いているので、
気に入らないと思っていた。
今回のニュースキャスターという本を読みながら、
人と出会いその人のホンネをどう聞き出すか
ということに、かなり注意を払っていることに興味を覚えた。
言葉以上に語るもの。
政治家といういくつものオブラートに
つつまれた存在に対していかにそのオブラートを
解いていくのかが問われるのかもしれない。
現在の経営者で、今の時代に対して
具体的にどう見るのか?ということに対して、
きちんと答える人が少ないのだろう。
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キャスターとして、パランス感覚に優れているのと同時に、今の日本に、この年代の人々が必要で、彼らにもっとスビークアップしてもらいたい。
我らの年代は戦争体験と言う部分で、ギャップを埋める事は難しい。
それにしても、電車の中は誰もがスマホばかり。一体どうなってるんや!
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「News23」の裏話。
かつ、これを通したニュースキャスター論。
新聞記者だけあって(というより、筆者の腕だろうが)文章はすこぶるわかりやすく面白い。「クリントン対話集会」がまざまざと蘇った。
それにしても、筑紫亡き後、ニュースキャスターを持たない我が日本は、ますます劣化してきている。
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神戸震災、オウムビデオ事件、9.11…世界を変えた事件の数々。ニュース23キャスターとして常に報道現場にいた筆者の筑紫さんが当時の状況を記している。
大きな事件が起きた時、特番の時、事件と並行しながら番組を臨機応変に対応しながら進めなければならない。それを「いざという時の5原則」として書いているが、これがとても深いので、メモ。
1.あわてない、うわずらない。
どんなに現場が緊迫していても、本部は常に冷静に。
2.とりつくろわない。ミスを恐れない。
率直に、大胆に進める
3.俯瞰、メリハリ、総括を忘れない。
全体像を見る。今起きていることは全体のどの位置、どの部分を占めるのか。途中途中で、随時まとめていくことも大事。
4.見えるものの背後を見る
見えているものをどう理解するか。どう解釈するか。
5.入ってくるものを鵜呑みにしない
まちがったまま進んで行かないように、
常に再確認、再検証する。