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近代化が進む明治時代末期。急速に変化していく日本の姿に、「日本人とは何か」という問いを募らせた官僚・柳田国男は、岩手県遠野地方に伝わる民話を書き留め、自費出版で世に送り出した。
天狗や河童、座敷童子などの妖怪や死者の話、地元でまつられる神々や行事についての記録など119話が当地の伝承のままに、それでいて格調高い文学性をもつ文体で書き記された本書は、芥川龍之介や南方熊楠らにも影響を与えている。
岩手県遠野市(当時:陸中遠野郷)に伝わる民話、説話を遠野出身の佐々木鏡石(本名:佐々木喜善)による口述から民俗学者の柳田国男がまとめた説話集である。1910年発行であり、冒頭では「この書を外国に在る人々に呈す」とされている。日本の民俗学に大きな影響を与えた。
長短合わせて119話からなる。題目には大きく地勢、神の始、里の神、神女、天狗、山男、山の霊異等々と分類されている。山中にありそこにあるものをを持ちかえるとその人に幸福をもたらすという不思議な家マヨイガ(マヨヒガ)や、雪女、川童(カッパ)、山姥などの妖怪の話、カクラサマ、オシラサマ、ザシキワラシなどの神様の話などが採録されている。
よくある昔話のような「昔々あるところに」という形式と違い、具体的な場所や人名が出ているのが特徴である。この書物によって有名になった妖怪や怪異として代表的なものは、座敷童子やマヨヒガなど。
・もくじ
遠野 5
山の中 28
民話の里 172
主人公は民俗学を学ぶ学生。
フィールドワークで遠野に来るが遭難し、
山小屋に住む老人に助けられて一週間の山奥生活を経験することになる。
野外風呂に入りながら、囲炉裏にあたりながら、猪を調理しながら、
二人はスローライフの素晴らしさと現代文明の批判を繰り返す…。
作中に出てくる妖怪は以下ですべてです。
・天狗(遭難の原因。出オチ)
・山男(老人が主人公に語ってくれる唯一の妖怪話)
・経立(壊れたラジオを持っているので、直してあげたら猪をくれる)
・河童(生ゴミを漁っているところを見かける)
・座敷童(背景に1コマだけ登場)
・犬?の化け物(主人公を食べようとする)
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【原作】未読
いやー。久々に「まんがで読破」シリーズ買って読んだんですが、軽く落ち込むくらいハズしました。悔しいので感想を書きます。
アニメ『ゲゲゲの鬼太郎』を見て育ち、学生時代は”民俗学”の響きに漠然と憧れを感じ、成人してからも大塚英志&森美香『北神伝綺』に胸を熱くしている私なのですが、柳田国男先生の著書は恥ずかしながら中央公論社の「日本の文学・第26巻」を斜め読みした程度。
こんなことじゃダメよね、でもなかなか読む時間もなくて……と定番の言い訳をしかけた所、「まんがで読破」シリーズに『遠野物語』を発見しました。
そうそうそう、さすが「まんがで読破」。まさに私のような人間のためにあるシリーズであることよ。僥倖。
ってホクホクしながら読み始めたのですが……。
ワシゃ、河童の話が聞きたくて読んどるんじゃがのう!
いつまでこのメガネの山暮らし奮闘記に付き合えばいいんかのう!
私の内なる菅原文太が大暴れ(ちなみに河童の登場コマ数は4コマ+裏表紙でした)。
なんだろうこれ。『遠野物語』って現代のもやしっ子大学院生の自分探しストーリーなの?ちがうでしょ?ちがうよね?
原作を読んでいないので本当は何とも言えないんですが、でも多分こんなんじゃないと思うよ『遠野物語』!これに懲りたのでちゃんと岩波文庫読みます!
本当にごめんなさい、今まで読んだ「まんがで読破」シリーズに順位をつけるとしたら、迷わずワーストです……。
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まんがで読破を読破するシリーズ。
「遠野物語」というタイトルではあるものの、民俗学を学んでいる大学生がフィールドワークで遠野に行って、おかしな体験をするっていう別の話になっている。
要所要所で、民話に出てくる妖怪が出てくるんですけどね。