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現場主義の元伊藤忠社長、前中国全権大使が語る、日中関係が大問題となる日本の理由。
尖閣問題のみならず最近の政治主導な展開による弊害。
教育後進国状態を放置する弊害。
そんな状況を放置し、密告社会を作ることにも抗わない私たち国民の現状。
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伊藤忠の元社長で、その後中国大使を務めた丹羽宇一郎氏からみた中国について書かれた本です。
中国の要人の人脈も広く、とても説得力があり日本の将来を考えさせられる内容で、なんだかとても危機感を感じました。
中国嫌~い、なんて言ってる場合じゃないかも。
例えばワシントンのシンクタンクがアメリカと中国に対する好感度を調査した結果なんかも驚きです。
これは、自国にとって相手国が「敵」か「味方」かを問う調査なんですが、世界における中国に対する好感度は私のイメージより格段によいのです。
例えば、アメリカやヨーロッパは4~5割、ラテンアメリカやアフリカは6~7割、高い国では8割ほどが中国を好意的に見ています。特にラテンアメリカのの20歳代の層が相当の差で中国に対する好感度が高い、若者が中国を好意的に感じているそうなのです。これらの国は、中国の技術・ソフトパワーを尊敬しているとのこと。そこまで中国が進出してるんです。
(ちなみに日本では9割以上が中国を敵とみてました)
私達が中国をどう思おうと、中国の力は増し、今後益々経済の中心になることは間違いない。
軍事費の3倍の教育費をかける中国に対し、今や教育や研究にお金を掛けない日本・・・モノづくりの品質の高さが日本の特徴だったのに、このままじゃまずいでしょ。
人材育成をしながら中国と手を携えていかなければ日本の将来は・・・
とにかく、日本の将来を真剣に考えなければいけないし、そのためには好き嫌い言ってる場合じゃないんじゃないでしょうかね。
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中国の大問題
・理想の上司
ところどころ自慢てきな要素があるがそれを入れてもこのご年齢でこのようにご活躍されることはほんとに素晴らしい。
・中国の内情
共産党がいつまで持つのか。習近平をはじめとする官僚が理系なことにも驚く。そして尖閣諸島問題、不気味な北朝鮮。最初は少し眠くなったが自分のストーリーと絡めて語る中国の実情はまるで冒険しているようであった。
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前中国大使によるフィールドワーク的なレポートは、他の学者達の著作とは視点が異なっていて面白い。
中国は広大であり、世界一人口が多い国である。我々が接している情報は、中国共産党の一部の情報に過ぎない。
草原と馬と羊がイメージされる内モンゴルは、今世紀に入ってからは毎年20%近い全国トップの成長率で急激な経済発展を遂げている。その一方で、チベット、ウイグルと同様にモンゴル族に対する粛清と弾圧の歴史を有し、大規模な抗議デモが続いている。
中国人で日本人に会ったことがない人は98%。会ったことがあるのは2%だから約2800万人。日本に来る観光客は年間340〜350万人だから、10年かかっても3500万人。中国の人口に比べれば微々たるものである。中国人のほとんどは尖閣問題を知らないし、知っていても自分とは関係ないと考えている。中国全土で尖閣問題を注視していると思ったら大間違いである。
実態としては、日本人は中国のことを良く知らないし、中国人も日本人のことを良く分かっていない。
戦後70年の談話に注目が集まっているが、まずは正しく知ることを継続していくしかない。その積み重ねが歴史になっていく。
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中国についての情報を集まるべく読んだ本。中国や共産党の組織体制、財政、少数民族問題、社会保障、日中関係等についてがまとめられている。
伊藤忠時代から30年以上も中国に関わっているため、中国要人に関しての記述は具体的で要点を抑えていたと思う。断片的な中国政府についてのイメージが整理できた。
平易な書振りで、素人には読みやすかったが、内容に新鮮みには欠けていた。
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経済人として中国と長く関わってきたので、その視点が随所から感じられて面白い。多分、外交や学問一筋の人が書いたらもっと違う内容になっていたと思われる。かの尖閣諸島漁船追突事件や尖閣諸島国有化についても、この本を読むと別に日本の国益を損なえと言ってるわけではないのがわかる。
ただ、一方で、大使のような政治的な立場では、その発言がどんなに悪意がなくとも思惑と違ったとらえられ方をすることがある。大使になる以上、その辺の政治感覚が必要だったのかとも感じた。
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[渦中の人の言]伊藤忠商事の社長として活躍し、2010年6月には民間出身者として初の中国大使に就任した丹羽宇一郎氏。日本国内からの厳しいバッシングが相次ぐ中で、中国との外交はどのように推移したのか、そしてどこへ日中関係を導こうとしたのかが記された作品です。
漁船衝突事件や尖閣諸島のいわゆる「国有化」などで揺れた日中関係の一端が伺える点で非常に有意義な一冊だと思います。また、大使時代の話のみならず、中国一般に対してや、日本という国の行く末そのものに関する知見も紹介されており、いろいろ思考をめぐらしながらの読書体験となりました。
本書では、 その構成、特に最も著者の思いが詰まっていると考えられる冒頭部分に注目していただくと良いのではないかと思います。丹羽氏が中国との外交を考える上で思考の主軸を那辺に置いたかがよくわかるとともに、氏に対する厳しいバッシングの源はその主軸の置き所が一部の国民とそもそもずれていたところに端を発したと考えられるのではないでしょうか。
〜中国を決して侮ってはいけないし、かといって、過剰にひるむ必要もない。ただ、中国を知れば知るほど、この巨大市場を独り占めにさせてはいけないと実感する。〜
薄い本ですが☆5つ
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今の中国を知るために一読。
2013年 習近平体制(福建省に14年の親日派)
2017年チャイナ7のうち旧派の5人が定年退職。
教育費に国防費の三倍。(中国労働者に教育格差あり)
アメリカのハーバードに582人の留学生。(日本は13人)
中国は年間200人のアメリカ高官を招待している。
中国は世界の中では好感国である。
とうぶん中国は内需とインフラで発展?
中国とアメリカで世界を統治する時代となる。
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いろいろ言われておりますが、商社マンとして30年、大使として2年半の実績は認めるべきであろう。
「中国の弱みに石を打て。彼らに資することはやめ、彼らを利する戦略をもて」
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民間人から中国大使なった丹羽宇一郎による一冊。
中国の内政・外交について決して日本よりにも中国よりにもならずに淡々と記述しており、勉強になった。
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不戦の誓いを両国でする。しかし、それはすでに日中共同声明に入っている。
中国は国際的には好かれている。それを認識しないといけない。アフリカの若者からの好感度は高い。
日中共同声明など基本四文書がいかに重要かを改めて感じた。
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2014年刊。著者は早稲田大学特任教授。
民主党政権下の中華人民共和国駐留特命全権大使だが、個人的には伊藤忠商事の辣腕社長というイメージが強い。
その著者が大使体験を軸に、日中関係の現状と将来、そして日本の問題を辛辣に叙述する書。
冨坂聡の著書を読んでいれば、中国の現状は意外ではないが、全権大使中に中国各地を歴訪し、地方有力者や少数民族関係者と会談し、あるいは間近で見た習近平観等、独自の切り口が光る著である。
ここで表れるフットワークの軽さが商社マンの経験が生きたものと言えそう。
本書にある日本の教育の不備。さらに、人的関係を軽視する外交の在り方、事実を歪曲するマスコミ(明示しないが新聞だろうか)は納得のそれ(日経とNHKのBS系を除き、海外報道をまともに熟読・熟視する気持ちが起きない)。
元来、モーレツサラリーマンであった著者で、個人的には「こんなタイプが上司ならかなわんなぁ」と感じていた人物だが、なるほどと思うことが多かった本著は相手が丸くなったのか、自分が変わったのだろうか?。
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2017/1/20読了。
ある方の推薦本。
丹羽宇一郎さんが中国大使になっていたことすら知らなかった私だけど、比較的理解しやすい一冊だったように思う。
衝撃だったのは、中国人や韓国人に激しく嫌悪感を示しているのは日本人くらいのものだということ。
知的先進国だと思っていたけれど、日本もまた情報的に鎖国状態であり、ワールドスタンダードが理解できていない特異な人種だと思われているのかも、と気付かされた。
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至極真っ当な中国論だと思う
特に世界での中国の評価と日本での中国の評価は大きく違うという事を知る必要があると思う
著者の打った石が何であったかははっきりしなかったが、今後の日中関係に効いてくると期待したい
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総合商社・伊藤忠の会長から初の民間出身大使として中国に赴任したという経歴の丹羽氏による中国論。大使時代(2010-2012)に中国との協調路線を進めた事で国内世論から「中国寄り」と非難を浴びることの多かった丹羽氏だが、今もなお「日本の国益を守る」という観点から中国の重要性と危険性の両面について考察する。世界最大の14億という人口・ゆがんだ経済発展・政府高官による汚職・少数民族への弾圧など、今の中国が抱える大問題を、官僚出身の「職業外交官」とは違った民間外交の目線からレポート、世界第2位のGDPをバックに驕(おご)りを見せ始めた中国を、「恐れてはいけないが侮ってもいけない隣国」と定義し、彼らを「資する」ことを止め、「利する」戦略に転換することが重要であると主張する。