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ー はっ、連中が物語なんか必要としているものか。そんなものは読み捨てのカストリ雑誌で十分さ。連中は"現実"に酔っぱらってるんだ。飽食して、垂れながしているんだよ。
おい、夏樹さんよ、本当のことを教えてやろうか。ぼくがどうして豚の王を自称しているかを。連中は豚なんだ。いや、人間ってやつが地べたを這いずりまわる豚なのさ。
だから、ぼくは豚の王なんだ。輝やかしき、栄光に満ちた豚の王なんだよ。豚に星の物語なんか必要であるものか。笑っちゃうぜ。おい、精神の王国なんてないんだぜ ー
物語(神話)と虚無との永遠の闘い。
繰り返されるハルとナツとフユとの闘い。
哲学的で面白い。
山田正紀はほんと奥深い作家で、幅広いジャンルの作品が120作を越えているので、いろいろ読んでみたい。
こういうSFチックなのも多いから他の作品も気になるなぁ〜。
もちろん、オペラ3部作に代表されるミステリも数多くあるので、こっちはマストだな。