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朝日新聞連載中に読んで吉田さんの本が嫌いになってしまった小説、ついに文庫落ちしたのを読み返しました。
連載中は不気味な挿絵がすごぅく嫌だったけれど、文章がすごくぐいぐい読ませます。
確実に鬱っぽくなるけどね…。
どうして不幸になってしまうのだろう…とか、小説の登場人物にすごく感情移入してしまいます。
私、あんまり自分の生き方に不満ばかり他人にいっていないかなぁ。
他人の悪口を言っていないかなぁ。
そんなことばかり考えてしまいます。
せめて、嫌われないように、下手に誰かに自慢したいような生きたかはしたくないなぁ。
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九州地方に珍しく雪が降った夜、土木作業員の清水祐一は、携帯サイトで知り合った女性を殺害してしまう。母親に捨てられ、幼くして祖父母に引き取られた。ヘルス嬢を真剣に好きになり、祖父母の手伝いに明け暮れる日々。そんな彼を殺人に走らせたものとは、一体何か―。
《ブックデータベース より》
《2010年7月23日 読了》
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文庫になって新刊で本屋に平積みしてあったので、
早速購入。
まずは上巻だけでいいやと思って下巻を買わずに帰ったのですが、
読み始めたら一気に読破。
すぐに読みたくなって、本屋へ直行。
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上巻だけ買ったものの、すぐ読み終わって本屋に直行した。
吉田修一のえぐさみたいなものが出ててすごくよい。
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09/11/20読了 久しぶりの吉田作品。下巻まで読み終らずにレビューを書くのは如何なものかと思いつつ、記録だけ。
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福岡の田舎町で陽の当たらない平凡な暮らしをしていた若者たち。
刺激のある生活がしたい・・少しでも金を稼ぎたい・・誰かと会話したい・・・
そんな些細なことから事件が起き、話が展開していく。
出会い系サイトで知り合った男女の殺人事件なんて、珍しくもなんとも無い現代だからこそ、非常にこの話はリアリティのあるものに感じる。
犯人の清水祐一なんて、すぐ隣にいる人なのかもしれない。
また「殺人」を犯すことは許されないことであることはわかっているものの、その裏にある被害者・加害者の事情には複雑なものが入り乱れ、感情移入してしまうところもあることがジワ~っと伝わってくる。
そのあたりに「悪人」とタイトルをつけた吉田氏の意図するところがあるのかな。
この小説は来年の秋に映画化されるらしい。
主人公の清水祐一役は妻夫木聡が金髪になり演じるとのこと。・・大河ドラマの主役がこの役か?・・
しかし「悪人」と呼ぶにはなりきれなかった主人公を演じるのは、これまでは善人のイメージが強かった彼だからこそ活きるのかもしれないね。
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最初はだらだら進む感じ。
章が変わるたびに、新しい登場人物が出てくるのはちょっとうんざりした。
しかし、後半に進むにつれて何がしかの接点が各登場人物にはある。
後半になって、やっと続きが気になりだした^^;
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友達に借りた。
最初から犯人がわかっているんだけど、もしかして違うのかなって思っちゃうほどいい人、って感じ。
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吉田修一、これで合わなかったらもう読むのやめようかと思ったけど、これは結構がつっと読んでしまった。最初はちょっとダラけるカンジなんだけど、途中から止まらなくなるねー。
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裏表紙に主人公が女性を殺したという記載があるのに、最後のところに下巻が気になるような書き方をして部分があり面白いと思った
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吉田修一氏の作品は以前に読んだことがあった。
「女は二度・・・」である。
私がこの本を読んで感じたことは、実に吉田修一という作家は進化しているということである。
なぜなら、人物の心情をディティールにここまでこだわって書く作家もまれであろう。
そして、読者はすでに犯人が誰なのかを知っているにもかかわらず、彼女が会ったのはいったい誰なのか、もしかしたら・・・という気にさせられる。
悪人の意味がほんの少しずつ姿を現すのが、この上編である。
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複数の人の視点が入り混じって進んでいって
うまく核心が伏せられてて終始どきどき
章題にも惑わされるなー
最後の最後でえーって思わされてほんとにびっくり
読み終わった時には悪人とは?と考えさせられる
ミステリーなのに人間についても深く考えさせられる
とてもおもしろい物語でした
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こわい、哀しい、ドキドキする。はやく続きが読みたい。これが悪人を読んでいるときの気持ちだった。博多弁?久留米弁?の理容院のお父さんのおしゃべりが、哀しい。
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フェリー乗り場の情緒感を知ってるか知ってないかで大きく違いますね。
錆止め塗料のどこか陰鬱な感じとか。
重々しいフェリーのエンジン音とか。
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まず読後、『悪人』というドッシリしたタイトルに返ってさあ何を思うかということが求められる気がする小説には違いない。読むほうも「いざ!」といわざるをえないタイトルである。
このタイトルで群像劇となるとなるほど殺人犯に焦点を絞りながら被害者を含めた周囲の人間が悪人として浮かび上がってくる感じかなと読者に想像させながらやっぱり実際にそういう作りにはなっているが、読み終えるとそのこと自体は今更何をというぐらいどこにでもある現実的な事例として留まっているにすぎなかったように思う。
殺人逃亡犯の祐一は自分が被疑者になることで(相手を被害者にすることで)世間的に相手を守るという誰に知られることもない善人性を持っていることが終盤に明らかになる。ここで読者としては祐一は不器用なだけで決して悪人ではないとしてしまいたい欲求が勝手に出てきて「祐一は善人なのに理不尽な人間社会だ」でまとまればわかりやすいのにそうはさせてくれず殺人自体は全く言い訳がきかない突発的犯行である。このあたりがタイトル『悪人』にすっと回帰できないという吉田修一してやったりの文学ならでは読後感を演出しているように思った。現実はそう一貫したものではないという歯がゆさを味わわされた。
出会い系サイトを通じてのトラブルを扱っているあたりも現代の世相を映す小説ではあると思う。祐一が殺人を告白するシリアスな場面でイカの足がうねるというシュールさも抜群のリアリティだと思う。ただひとつはじめに容疑者となった増尾のいかにもぼんぼんで軽薄な青年像にはリアリティを感じなかった。まぁああいう人も存在するんでしょう。