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筆者の筆力が確かだから、上質のノンフィクションとして読める。歴史を語るときに、こんな形式があるってのはなんか新鮮だったなー。
欲を言えば、『妖怪と歩く』のときみたいに、もうちょっとセンチメンタルな描写があったらうれしかった。
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前半は邪馬台国所在地論争がテーマ。考古学的成果を基にしている姿勢には信頼感が持てるし、最新の情報をわかりやすくまとめていることもありがたい。
倭国大乱の前後で、中国鏡の分布域が北部九州中心から畿内中心に変わったこと、弥生後期には気候が寒冷化し、農具や工具としての鉄の重要性が増したため、朝鮮半島との交易のパイプを太くするために、より強力な権力者が生まれたこと、鉄資源の争奪が起きたことが弥生時代を終わらせ、古墳時代を到来させたこと、などは歴史の動きが伝わってくる内容だった。
後半は日本書紀がテーマ。大山誠一氏の仮説を紹介しているような内容になっている。文章の分析から巻が3区分されること、実在の天皇の範囲について4つの説があること、聖徳太子捏造説、蘇我氏天皇説、大化改新の黒幕説などもあり、あくまで日本書紀が天武天皇の時代に編纂されたもので、編纂者の思惑によってつくりあげられている可能性が説明されており、興味深かった。
・箸墓古墳の周豪や内堤から出土している布留0式土器の年代は270〜280年(橋本輝彦)。AMSによる炭素14年代測定法の結果、3世紀半ばと判明(国立歴史民俗博物館)。
・黒塚古墳から発見された三角縁神獣鏡は、倭国内でつくられた葬送用とみる意見が多い。
・倭国大乱の前後で、中国鏡の分布域が北部九州中心から畿内中心に変わった(白石太一郎)。
・弥生後期には気候が寒冷化し、農具や工具としての鉄の重要性が増したため、より強力な権力者に外交・軍事を任せ、朝鮮半島との交易のパイプを太くした。鉄資源の争奪が起きたことが弥生時代を終わらせ、古墳時代を到来させた(松木武彦)。
・明日香にある見瀬丸山古墳の被葬者は蘇我稲目とその娘と伝えられる。梅山古墳は欽明陵。
上毛野
・古墳時代前期に濃尾平野を中心に中部・関東を含む狗奴国連合が形成され、それが3世紀半ば過ぎに西日本の邪馬台国連合と合体した(白石太一郎)
・日本書紀には、ヤマト王権の中で上毛野氏が主に外交と軍事にかかわったことが記されている。
・三ッ寺I遺跡からは、最新調理施設のカマドなど、朝鮮半島系の遺物が多く発見された。
・伊那とともに、上毛野は馬をヤマトに送りだす一大基地だった。
・6世紀の榛名山の2回目の噴火によって、保渡田古墳群の系列が途絶えた後、7世紀に前橋市の総社古墳群が優勢となる。
・藤原鎌足の妻(不比等の母)は、保渡田古墳群の車持氏の出身。
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著者が各地に足を運んで研究者に話を聞くという手法で書かれている。内容は邪馬台国から飛鳥時代まで。
わかりやすく書かれていて古代史について素人の自分でも楽しめる本。
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この書籍では、日本古代史の謎の一つ「邪馬台国」と「卑弥呼」についてを著者が、「古墳」や「遺跡」などの資料を加えて考察しています。