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みのもんたのサタずばッで取材キャスターをしていた下村氏が、内閣審議官として内閣広報官室で仕事をした2010年10月~2012年10月までのドキュメンタリーだ。
その間、尖閣沖での中国漁船と海保船衝突画像流出、諫早湾開門、東日本大震災、東電福島原発爆発、管内閣総辞職、野田内閣発足、大阪市橋下氏、大阪府松井氏の維新圧勝、ギリシャ債務不履行、2030年代に原発稼動ゼロを目指す新エネルギー戦略決定、普天間にオスプレイ配備、など他にも既に記憶に残っていないことも多い。
広報担当として、初めてわかった事やマスコミの報道などについて書かれている。プロから見てそうなのだから、私が新聞やテレビで知る情報などまともに伝わっているはずがないと痛感する一冊でした。
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2010年から二年間、管直人前首相のもとで内閣広報室審議官を務めた著者が審議官時代を振り返って書いた回顧本。
印象としては、みんなが最善を求め、良い結果を得ようともがきつつも、それらが相互に絡まった結果どうすることもできずごろごろ転げ落ちていった、といった感じです。それぞれの行動にはきちんとした理由がありそれだけ見ると合理的なのですが、全体からみると必ずしも正しい行動ではないと。
また、政治というのはTVや新聞を通して無機質に伝えられることが多いと思いますが、内部にいる当事者たちが何を感じ、考え、行動していたかを知ることで、「中にいる人たち」も素朴な感情をもって生きている生身の人間なのだと感じられます。決して超人なわけでも、極悪人なわけでもなく。
あと、言葉の大切さというものを感じました。たった一言を発信するだけでも大変な神経を使っていて、それでも間違って伝わってしまうというのは残念ですね。
メディアに携わっている人なだけあって言葉の使い方が上手く読みやすいです。面白いし、軽く一気に読めるのでおすすめです。
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「あのとき」首相官邸では何が起こっていたのか。テレビのニュースに映る政治の裏で行われた気の遠くなるような「前例破り」。学生時代のころから菅直人を知っていた著者ならではの人間味あふれるエピソードも面白い。
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これは面白いというよりあの時期の官邸内の状況が唯一わかる資料という意味で必読。菅直人もいろいろ動いていたのだ。もし自民党政権だったらと思うと本当に恐ろしい。
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著者が広報担当官になったのが古い縁であることがよくわかった。相当気をつかって筆を進めている感はあるが、それでもいろいろ意見は出てくるだろう。
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TBSで活躍していた下村氏が内閣広報室審議官として経験されたことがまとまった本。なかなかこんな修羅場を経験された方はいないだろう。マスコミの視点、広報の視点が織り混ぜられていて、広報部所属の身として読んで大変勉強になった。
霞が関ほどの独特の言い回しではないが、直球は投げない言い回しだったり、縦割りだったりするところは、度合いは違えど皆が悩んだことかあるはず。
震災以降は特に大変だったことがにじみ出ていていた。カンフルブログ、存在はしていたけど、本を読んではじめて閲覧したし、映像を活躍していたとは全く知らなかった。もっと関心を持たなくてはと反省。
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下村さんの本やっと読んだ。
ほんとこの国の情報公開はまだまだで、でも割と公開されてると思ってるひとたちが多いだろうことが情報公開が進まない一つの理由なのかなとも思った。
下村さんはこの国の政府の内側からそしてマスメディアがもっと変わっていくための促進剤の一環としてこの本を出したとこもあると思うんだけど(内側からみた政府を伝えようっていうのが一番大きいと思うけど)、あたしはこれを読んでますます政治を伝える機関としてのマスメディアはいらないんじゃないかなと思った。
それだとどこでとかテレビはやっぱり万人への情報を与えるという面では大きいから難しいとこなんだけど、政府というかこの国の権力者たちの御用機関ですのでそういうふうに見てください的前提がある程度のひとたちに共有されればいいのかもな。
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3.11を含む時期における内閣広報室のドキュメンタリー。首相官邸側から見た震災対応の内幕ってなかなか出てこないので、興味深かった。
結局、日本で内閣報道官制度ができない理由は何だっけ?
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もともとTBSでアナウンサーを振り出しに報道系の現場を歩き、みのもんたの番組で取材キャスターを務めた著者、ひょんなことから、当時の管直人首相からの要請で内閣広報審議官と言う聞き慣れない役職をもらって首相官邸に乗り込み、東日本大震災の前後の広報、政府からの情報発信の混乱と改善への取り組みを記した一冊。特に震災発生直後、ひとつ間違えばパニックによる社会機能の停止につながりかねない中、言葉を慎重に選ぶ風景はなかなか面白い。本職につながるエピソードもあって読んで良かった感倍増。
菅さん(民主党の方ね)も鳩山さんも特にネットの住民から、箸の上げた下げたもいちいち粘着質に批判されてるけど、相手の言い分も聞かずに、あるいは聞き流して取り合わずにずれた論点をあげつらってると、大事なところが見えなくなる(自由な批判ができなくなる)ぞ。玉石混交を丸呑みする前に、こういう本を読みなさい。
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山口敬之の「総理」が面白かったので、類書を少し読んでみようかと思って手を出したのだが、読み通すのが辛くなるほどつまらなかった。これほど素晴しい環境で、数百年に一度の大災害を経験して、こんなにつまらない話しか書けないのかとびっくり。
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先の衆院選(2017.10.22)の前にJ-Wave(Jam the World)に出演し、有権者としての立場、責任を分かりやすく解説しており、著者の考え方をもう一度確認したいと思い読んでみた。
ラジオ放送で語っていたことが本書にも書かれていた。
「市民の側にも≪自分たちが選んだ政治家を支える意識≫が必要だろう。投票したらオシマイ、あとは文句を言う対象、というのではなく、投票した責任で、任期いっぱい支え続けること。粘り強く叱咤し、支え育てていく努力をしなければいけないのではないか。」
「自分たちがたった1年前に選んだ政権が、ヨチヨチ歩きで苦闘しているのを、助けようとも育てようともしないで、また次のヒーロー願望かい?そんな”お任せ民主主義”を、一体いつまで続けるつもりなんだ!」
一票を投じただけでは終わりではないという考えを持って、先の選挙には臨めた。
選挙前に読了しようと思っていたが、後半は3.11の対応や、菅退陣後の野田政権での話などが多く、それなりに面白くはあったが、いまさら過去の振り返りでもなかろうとペースが落ちてしまった。
それでも、3.11での原発への対応は、教訓として将来しっかり活かしていくべき話が多いし、原発そのものや、危機対応について大いなる問題を孕んでいた(現在も、孕んでいる)ということがよく判る。
そうした諸問題も、国家と国民との間の意志疎通のツールが機能していないという点を、メディアに属する民間人の視点で赤裸々に描いている点も興味深い。伝えるべきメディア(マスコミ)にも問題はあるが、伝えようとする為政者側にも問題ありという点も分かりやすく記されている。曰く、総理側近たちが自分たちの本丸を守ろうとするが故に築いてしまう防火壁のような情報遮断であり(出る方、入る方共に)、あるいは、官僚たちの
”伝わらなさこそが「上手」という価値観”という摩訶不思議な作文法等々。昔からよく言われていることだが、実際に政権内部に飛び込んだ民間人の視点から改めて語られる新鮮味があった。
仮にこうした問題点がクリアにされたとしても残る問題として、やはり原発の存在だろう。
原発そのものの安全性が確保されたとしても、究極、それをコントロールする人間の叡智に全てはかかっていることは、過去も未来も変わりないということは、肝に銘じておくべきことだ。
この例えが見事だった;
「皆が原発という車の安全性の話ばかりをして、運転手の力量の話をしていない。」
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市民目線/民意の重視、脱原発という思想底流そのものに対しては、日頃の分析的視線も放念して共感・共振してしまうような人々がおり、著者もその一人か。そういう人々によく見られる特有の生臭さは、若干残っている。著者個人としての菅直人に対するシンパシーもわからなくはない。
そういったバイアス?は別として、メディア広報のプロかつ修羅場の実践者からのリアルなレポートとして、とてもわかりやすく、また発信行為のお手本のような優れた著書であるとは思う。
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政治がどうなっているか全然分からないと思い、興味を持って読んだ本。個人の思考があるからすべてがその通りとは思わないけど、必死で動いても難しいとこがあるのだと感じた。
マスコミの切り取り方もあるのだろうけど、政治をしっかり興味を持っておっていないと、文言の若干の違いを読み取るのは難しいと思った。