紙の本
ブログの焼き直しにすぎない
2011/07/18 12:10
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:iga - この投稿者のレビュー一覧を見る
佐々木俊尚氏推薦の帯に期待も、がっかりした一冊。
まず、砂画面の表紙が異彩を放っていた。
そもそも、新書っぽくみえない(サブカル本にみえる)ので、手に取る顧客層は限られるか?
内容は斬新かと思えば凡庸の一言。
著者のブログの焼き直しであり、ブログを眺めていたほうがよほど有益である(無料でもある)
凡庸に加え、のっけからの映画産業についての話などは聞きかじりの知識であり、具体的な数値が示されていない。
全て「仮定の話」「だいたい20~30%」「~と聞いている」等々…
致命的だったのが、これからのテレビのありようについての主張。
著者はテレビは単なる放送受像機ではなく、便利な情報端末になるであろう!と締めくくっているが
そんなことは10年前から知られていたこと。
ニコニコ動画やyoutubeなど受け手側の発信について全く触れられていないのも取材不足であり、
逆に「iStoreで色んなモノが買える」とmac信者ぶりのみが鼻につく。
さらには「wiiで家族みんなが楽しめる」と5年前の話を新刊でされても取り扱いに苦慮する。
結局は「iphoneやfacebookで新しい遊び道具を見つけたオジサンの素人感想文」に過ぎない、残念な新書であった。
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メディアビジネスの流れや今について、短時間で頭の整理ができた。
テレビ広告市場の縮小のなかでコンテンツがどう生き残るか、クリエイターのたち位置、今一度、現場で確認したい。
当然本の中には答えはない。
今後を考えるためのポイントは二つ。
一つ目は、市場。
米国で、DVDレンタルの大手がたちいかなくなるなか、 コンテンツの二次利用の市場の再定義も必要だ。
二つ目は、原資。
市場が立ち上がる前には、いや立ち上げるためにも、広告市場にかわる製作投資を引き出す必要がある。
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映画、CM、アニメ、テレビ番組といった映像ビジネスの解説とクリエイターへの提言の書。
前半は読み手のリズムをそぐような曖昧な表現も見られるが、本書は210ページ(第5章)を過ぎたあたりから主張に急激に熱を帯びはじめる。
メディア企業に勤める社員クリエイターはこれまで“美しい勘違い”をしてきたと指摘し、彼らが生み出す表現には大した経済価値はないとバッサリ。贅肉だらけだった制作現場からムダを排除してダウンサイジングさせつつ、「ソーシャルクリエイティブ」という造語を用いてソーシャルメディアとリンクさせた新しい制作物の概念を説く。この論考は非常に興味深く、本書の魅力でもある。
賛否ある内容かもしれないが、大胆な提言を行った著者の勇気を支持したい。
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映像ビジネスのカネの流れに関するカラクリをつまびらかにした記述は実に興味深い。地デジ化以降の未来予測への踏み込みがもう少し強ければ尚可。
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映画ビジネスの仕組み
ここ10年のトレンド。
日本の映像産業はテレビ広告のお金を中心に回ってきた。
ビジネスとしては成立していない。
国内市場はもう伸びない。
アメリカのフィンシンルール
クリエイティブではお金を取れていない現状。
ミドルメディア、ソーシャルメディア、日本以外のマーケットへ。
リーマンショック、そして3・11以後、もはや特別な業界ではない。
粗利でみない。ムダを省き、若者の気合、根性とドンブリ勘定
で乗り切ってきたものを、人件費も加味してビジネスとして成立させる。
10年後の業界の姿を考える
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テレビはどうなるか。3.11後、全くテレビが面白くない。視聴者がどの様に変化したのか理解できていない現場がいる。流れに乗って仕事をするわけにはいかない。音楽も同じだ。
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テレビ業界側から見た危機感が綴られた一冊。
あちこち「おや?」と思うトコロもあるけど、大筋間違ってはいないか...。
3.11の結び付けは強引。
本書のような内容はテレビ業界だけではないんですよ、と言いたい。
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テレビ業界の中の人の視点で、日本映画・TV番組・深夜アニメ・CMなど、映像コンテンツビジネスのここ10年ぐらいのトレンドと、ビジネスモデルがわかりやすく解説されていた。
個人的に気になっていた、日本映画がなぜ製作委員会方式で作成されるのかが分かったのは収穫。
後半は未来の映像コンテンツビジネスへの提言。「狩猟型」「農耕型」コンテンツ制作モデルという表現はおもしろい。webでコンテンツが生まれる仕組みをつくるときは、「農耕型」を意識するのがよさそう。
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「マスメディアからミドルメディアへ」などの提言は興味深い。
いずれにせよ、TVとスマートディバイスの協力・融合は、
今後重視しながら取り組んでいかなければならない。
番組づくりの予算が確実に減っていく中、
限られた時間・予算・人員でいかに質の高い番組を作っていくか
他人事では済まされない。
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テレビ自体というよりメディアの話が中心である。
テレビがつまらなくなった原因の考察や次代のテレビの在り方など、メーカーに勤めている人なら読んで損はない。
TV自体の考察はよく語られていることの延長線上なので目新しいことはない。映像×ソーシャルという方向性はきっと誰でも思うはず。
あとはどう実現していくかだ。
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一言で言えば面白くない。
そして値段が高い。
当たり前のことしか述べてない。
ソーシャルが存在感を増すのは当然だと思うが、どこまで勢いを伸ばすのか。
家でも友人や同僚と付き合いたくないと言う人も当然出てくるだろうし、「mixi疲れ」や「Twitter疲れ」なるものもさらに横行するだろう。
いい面しか見てない著者は良く本が出せたものである。
おまけにテレビ局に勤めているわけでもないのに。。。
映画ビジネスに関して勉強になったことはプラスです。
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これからの映像ビジネス成功のカギは従来の「マス」ではなく「ミドルメディア」のビジネス。これだけ世の中に情報が溢れフラットになってるなか、「総」という発信の仕方は時代遅れである…といった内容で大変勉強になります。
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冒頭の「はじめに」に、太字で強調された文字で次のようにある。
「おそらくこれから十年間ぐらいかけて、ぼくたちとテレビの関係は大きく変わっていく」
この本は、その来るべき変化について書かれた本である。著者は、この本は「テレビと、そこを舞台にしてきた人間が、これからどう考えるべきかのヒントにはなることを書いている」としている。ここで「テレビを舞台にしてきた人間」とはこの本では映像クリエータのことをまずは指している。あとがきでもこの本を「メディアの生き残り論を通して、クリエーターの未来を考えようと書いた」と告白している。
テレビ業界やシステムの未来予測の話としても面白い本だが、その前に映像クリエーターたちへの厳しくも温かいメッセージが感じられる本である。著者が主宰する境塾などの活動は目的において同期しているものなのだろう。なので、正否は時間が答えを出すとして、著者が意図するところについてはとても信頼がおける気がした。
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まず本書の前半では、映画産業やテレビ放送事業などの二十世紀に確立した映像ビジネスについて丁寧に解説されている。事情がよく分かっている人の解説だと分かる。第二章の締めくくりに次のような言葉を置く。
「テレビの力はこれから、弱くなってしまうだろう。ぼくたちはそこからもう逃げられそうにない。けれども、テレビによって培われたこの国の創造性は、これからまた別の新しい舞台で発揮されていくのではないか」(P.112)
これを受けて次の第三章は、ソーシャルメディアとスマートデバイスについて書かれる。これらを著者が「新しい舞台」と考えていることは明らかだ。
「ツイッターやフェイスブックは、じつは、最高の暇つぶしツールでもある」と正しく指摘する。その点で、テレビの時間を単純に奪うものであるかもしれない。一方、これらソーシャルメディアは同じ暇つぶしのツールとしてテレビと親和性があるとも言える。ネットはテレビの「補完物」なのか「代替物」なのかというのは、よく出てくる議論だ。
この点に関して、テレビと両立する新しいツールとしてタブレットとソーシャル視聴とを持ちだしている。この論点は『スマートテレビで何が変わるか』(山崎秀夫)でも挙げられた論点と全く同じだ。
「テレビ×スマートデバイス×ソーシャル。その有機的な関係は今後のメディアを考える大きなヒントになるはずだ。」
その有機的な関係を花開かせるためには、色々と既存の考えの枠を外していかないといけない。放送事業とコンテンツ事業が本来別物であることや、テレビ受像機と放送とが実は別物であるという点などだ。また、ビジネスを考える上で重要なことは、マーケットが縮んでいくだろうことだ。人手をかけてはいけない、過剰を排除しなければならないと著者は明確にうたっている。これは無視できないメッセージなんだと思う。
また同時に作り手側において、ソーシャルクリエイティブという業態の出現を予言している。これまで既存マスメディアでやってきたことについて、ソーシャルメディア上でも同じ役割を担う人が必要になるということだ。��かも、ずっと小回りが利く形で。
現実的対応としては、マスメディアからソーシャルメディアまでを一括で見る部署や人材を置くことが理想なのかもしれない。結局は中身も要求される能力もコアはそう違うものではないのだろう。メディアミックスという発想も必要なのかもしれない。 「こだわるべきは、やり方ではなく中身であり、何が言いたいのか、だと思う」(P.236)ということだ。
進化論が教えるところと同じく変わっていく環境に即して適応していくものだけが生き残ることができるんだよ、と仲間への優しくも厳しいメッセージなのかもしれない。そしてそういうメッセージを発しつつ自身はしっかりとソーシャルに軸足を移されつつあるように思う。
そして最後、タイトルにもある「テレビは生き残れるのか」という問いに対して、「生き残る、ただしこれまでとは違った形で」と答えている。どのような形で生き残るのかについても著者は答えを用意しているが、そこは本書をよく読んでそれぞれがよく考えるべきところだろう。最初に書かれた通りビジネスモデルも含めてヒントは盛り込まれてあるのだから。
本書を締める言葉はこれだ。「2020年の映像ビジネスの姿を、そのときのメディア構造を、制作の現場を、ぼくたちはイメージしなくてはいけないと思う。そのうえで、何をどうしたらいいのか考えたい。そのために痛みも必要なら受けようではないか。それによって十年後への希望が見いだせるのなら、それはちっとも痛みではないのだから」
この手の本の中でも特にいい本だと思う。
* ちなみに私はクリエータでもメディアの人間ではないのですが...
またAmazonの評価がくっきりと分かれていて面白いですね。
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テレビ業界や映画業界など映像ビジネスの事情と展望がよくわかった。映画好きだったが、製作と制作違いや映画の始めに出てくる○○委員会の謎も解けた!
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映像ビジネスのカネの流れが赤裸々に語られる。最近の邦画が元気の良さの背景も知ることができる。ただ、ミドルメディアに対しての言及は理解の範疇から出ない。