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2010/10/11読了。
帯は「一夜にして現代日本文学の風景を変えてしまった、芥川賞受賞作」。関西弁丸出し、人の連続する思考をそのまま活字にしたような句点の少ない文章、女性性の生々しい筆致…が息苦しくもあり、快感でもあり。好き嫌いが分かれる作品かと。
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凄まじい個性だなあ、とまず一言。
でも生々しい雰囲気や書いてることはすごくおもしろくて好きです
ラストの卵のシーンはそれまでのうまくいかないかんじとか噛み合わないかんじがぐちゃぐちゃにまざってなんだか気持ちいいような気持ち悪いような、そんな気分でした。
作者のエッセイとか読んでみたいな。
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浦野所有
→10/10/16 鈴木陽さんレンタル →11/04/24返却
浦野レビュー - - - - - - - - - - - - - - -
最近の芥川賞作品のなかでは読みやすく、おもしろかったです。でも、なぜこの作品が「日本文学を一夜で変えた」といわれるんだろう??
巻末に解説がなく、そのへんがよく理解できませんでした。
淡白に進行する中年姉妹の物語と、その間に間に無秩序に挿入される娘の日記のリンクがおもしろいです。全体的に間欠的というか、「もう一言補ってくれ」といいたくなるような筆致であることも、かえって心地よさを感じさせるものでした。
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芥川賞受賞作品。たたみかけるような関西弁の文章が斬新。女性の色々がテーマになっていておもろい。豊胸ね…。
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直木賞受賞作。豊胸手術に妙に執着した母親と口を利かなくなった娘の結構ベタなストーリーだった。けども雰囲気が奇妙でドロドロしている。最後に卵ぶつけたりする場面も異常な感じで気持ち悪いとさえ感じるかも。
自分が思ったことをそのままとめどなく書いているような途切れることのない文章で、正直読むのに疲れた。
後ろの短編「あなたたちの恋愛は瀕死」は男と縁の無い生活を送っている女の話。
女の妄想垂れ流しといった感じの1冊。
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身体を入れ物として客観的に見てしまう気持ち、
女の身体やその変化を疎ましく思う気持ち、
身体と心を一致させようとして躍起になる気持ち、
極端なほどそれぞれ違った感情を持っているのだけど
どれも少しずつわかります。
自分のなかにある不安定さや違和感を言葉にしてもらった気分。
母と娘の家族としての関係云々よりも、女の捉え方がとてもしっくりきたのが気に入りました。
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気持ち悪い!って言葉は、癖になる気持ち悪さと受けつない気持ち悪さとがあるけど、ごめんさい後者のほうでした。生々しくて気持ち悪い。
川上さんの本は初めて読むけれど、感想は、なんて読みにくいんだろう!なんて描写が細かいんだろう!ってこと。丁寧に読めば読むほど、面白い。
卵をばんばん割り合った後、巻子は赤いハンカチで、緑子の卵をぬぐう。
別個の問題なのに、どこかつながってる。
さいごに「母子」になってよかった。乳と卵なのです。
きっとこれでちょっと救われたんだと思う。
卵ばんばんする程のぶつかり合いはきっとこれからも周期のように永遠にあって、でもその度に赤いハンカチで綺麗にして。
そんなこと繰り返したらいいんだと思う、人生も。
生理みたいに。
そんでもって人の誕生みたいに。
「あなたたちの恋愛は瀕死」
短編。
言葉おもしろい。
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「書くということはペンと紙だけあったらどこでもできるしただやしなんでも書けるので、これはとてもいい方法。これは記録といいます。」
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正直あんまおもしろくなかった。。。
短いんだけど読んでて疲れた。
夜中に主人公がトイレに行く下りはリアルだな~と思った。あるある。
緑子が卵でぐちゃぐちゃになって声を振り絞るシーンは心に響いたかな。
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多分そういうんじゃないだろうけど、笑った。それも声にだして笑ってしまった。
一文一文が長くて連想ゲーム的に文が流れるのも新鮮な感じがする。
とはいえ、そこが意図してるものが解りづらくなる所以か。
短いながらも『読んだ』という満腹感、結構面白かった。
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う~ん、初めて川上未映子さんの作品を読みましたが、ちょっと私には「難しい」感じ。「難しい」というより、「合わない」というった方が正確かも。
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ジェンダー的なお話、男である私の脳に出自する映像は完全フィクションであり、なんとなくこんな感じなんだろう、えいっ、と匙を投げてもおかしくない程、曖昧な感覚でしか女性の身体問題にせよ、生理にせよ、捉えることはできない。だけども、軽快で生ぬるい文体がわたしを全自動にて運んでくれる。女性はすごいよ、だからこそ大切にしないと。生々しさをもってして、今も脳でこだましている。
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句点が少なく、会話や思考をそのままつらつらと書き起こしたような文。癖があって相当集中しないと理解しにくい文体。でも不思議と中毒性を増してくる。生理とか胸とか、女性なら体に対して誰もが持っているけれど漠然とした感覚を、見事に細かく表現していて感嘆。そうそう、それ、そうなの、それが言いたかったの、代わりに言ってくれてありがとう!って感じ。うまいなあ。時々さりげなく入る、ボケ、つっ込みが笑えた。それを本当にさらりと入れるのが関西な感じ。
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芥川賞作品はどうも相性がよくないんだけれど、おもしろく読めた。句読点の打ち方というか、リズムがおもしろい。表現もわざとらしい独特感ではなくおもしろい。他の作品も読んでみたくなった。
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11/29-12/1。初潮を前にした少女・緑子のアンバランスな内と外をノートとペンによる「記録」がかろうじて調和を保つようす、肉体や心を含むその年ごろの瑞々しさの描きようが心地良く感じました。緑子・巻子・夏子の人間模様が関西弁で綴られてることもあり安っぽい人情劇風の趣がありますが、緑子が殻を破って母・巻子と和解を遂げるに至るシーンは、心に迫るものがありこちらの心が開かれたような錯覚すら覚える一体感を感じました。