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お縫い子テルミー みんなのレビュー

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一般書

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みんなのレビュー102件

みんなの評価4.0

評価内訳

101 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

素晴らしくエッジの効いた美しい短編集

2009/12/19 01:31

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ジーナフウガ - この投稿者のレビュー一覧を見る


栗田さんの小説を読むとホッとする。「人生って捨てたもんじゃないなぁ…」と思えて来るのだ。
それは多分、栗田作品に登場する人達が皆、如何なる状況下に置かれようとも、

結構タフに自分の運命を受け止め、受け入れた上で、前向きに進もうとするからではないだろうか。
この作品の主人公照美も、やはり、しなやかな感受性を持って、

場面場面ごとに必要な選択が出来る少女だ。何も持たない若い少女がひとりで生きていこうと
思ったら、なんだってある街、新宿歌舞伎町しかない!という母の言葉にしたがって、

十五で島を離れ東京に辿り着いた照美。そこら辺の描写が、とてもリアルだから、
ある意味特殊な、主人公が「お縫い子」と言う設定の物語にも、

感情移入がしやすかったのではないかと思う。彼女が最初に勤めたのが
キャバクラのような店だというのも、又。接客風景が丸っきりキャバクラのそれであるのに、

唐突に、日に三回も、女装歌手、「シナイちゃん」の歌謡ショーが挟まれる店。
うわぁ、いかがわしくて、何だかとっても、歌舞伎町っぽいぞ…。

それに、よくよく考えたら、新宿に在るからこそ、しっくりくるんじゃないかな。
何処にでもありそうなのに、その場所にいる全員の背中から色濃く「ここでしか生きてけません」

そんな空気が作品中に揺れている。大都会独特の。
照美が惚れたシナイちゃんが歌以外を愛することが不可能な人で、

歌一筋に一目惚れを続けるしか出来ない位、照美も布と、裁縫を武器に生きるしかない。
照美が初めて「一針入魂・お縫い子テルミー」として自立して行く様、オーダーメイドで、

世界に一つしかない、その人の為だけを思って布を選び、裁ち鋏を入れ、一針ずつ、
世界に一着だけの洋服に仕上げて行く描写が、何より美しい。決して相容れることはない、

お縫い子テルミーと、歌い手シナイちゃん、二人それぞれの一途な恋心が昇華し、
同士として固い友情で結ばれていく。ある意味ハード・ボイルドを思わせると同時に、

新たなスタートをも感じさせる希望に溢れた小説です。
個人的には脇役である依頼主松本さんの、少しとぼけた人物造詣が、作品に、

奥行きと味わいを出していて、良いなと感じました。
併録の【ABARE・DAICO】では、小学生の主人公誠二の視点から視た世界についてが描かれている。

彼が内心ライバル視をしているハンサムな同級生水尾君に負けたくない一心で努力し続ける下り
( 身の周りにいる人の顔と名前を全員分、無理して覚えようとしたり)非常に共感した。

そうなのだ。小学生の頃と言うのは、
「○ ○、すげえ」って風に尊敬を集めたかったりするものなのだ。

で、彼は数多の小学生同様夏休みにちょっとした冒険(含む・背伸び)をする。
彼、小松誠二君の場合はアルバイト。しかも、このアルバイト、

一筋縄じゃ行かない仕事内容だった…。
翻弄される少年の体験するハラハラ・ドキドキした感じに、こちらも笑ったり、

驚いたり、一緒になって不安を覚えたり。すっかり夏の日の少年の気分になる物語はやはり、
他の児童文学同様、爽快な読了感を残してくれたのだった!子どもの頃に感じた、

よその大人を知ることについて、その時に全身に覚えた物思いについての
アレコレがとっても良く書けていて感動しました!!

あ、英語のタイトルの意味に爆笑するのも、忘れないで下さいね。
まさに、一冊で二度美味しい読み応え満点な短編集で、

今年読んだ短編集のベスト1になりそうな気配です、大お勧めいたします。

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紙の本

誇りと自由をブローチに。

2006/08/16 13:56

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:小野伊都子 - この投稿者のレビュー一覧を見る

人生は、一枚の布みたいだ。
いつのまにか目の前に広げられていて、
でも、形にはなっていない。
その手触りを確かめていくうちに、気付く。
自分のサイズが分からなくては、
どんな形にするかも分からない。
ものさしは、自分の中にしかないから、
あてずっぽうに測るしかない。
そして、鋏で切っていく。
切るのには、とても勇気がいる。
だって、失敗したら、ぴったりの服ができないから。
でも、テルミーは違う。
迷うことなく、すぱっと人生を切って、縫いあげていく。
一針一針、魂をこめて。
恋をしているから。
そして、ひとりで生きていくことを決めたから。
お縫い子として、仕立てていくのは、その人の生き方。
ひとつの恋とさよならする時、
テルミーは初めて、自分の人生を縫い始める。
パッチワークの暮らしじゃなくて、
自分だけの布でつくる、未来。
それは、世界にたったひとつしかない、テルミーだけの服。
誇りと自由をブローチみたいに心に留めて、
テルミーは歩いていく。
私も、思いきって鋏を持とう。
針を持って、一針一針縫っていこう。
自分だけの服を纏って、歩きだすために。
指を傷だらけにしながら。
何度も、縫い直しながら。
テルミーみたいに、青空を見上げて。
ガウチョの歌を口ずさみながら。

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2006/07/04 10:32

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2006/07/09 00:12

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2006/07/19 08:47

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2007/01/03 00:40

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