紙の本
SFロボット作品の根底にあるもの
2012/08/16 12:45
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:金曜日のらいおん - この投稿者のレビュー一覧を見る
この作品は,ロボット工学三原則を基本とした短編集です。
この作品が発表されてからのロボット物は,ほぼこの三原則を基本として
いると言ってもいいと思います。それだけこの三原則が,端的にロボット
開発の特性を表したすばらしいものなのだと思います。
いったいどれだけの作家さんが,この作品を愛し,オマージュしたので
しょうか。
読み進めていくと,既読の作品のそこここに,アシモフの成分がちりばめ
られていることがわかります。
ああ,この作者(既読の作品の方)もアシモフ読んだんだなあと思い,
同じように感じることができて,うれしくなったりします。
後世の作品を列挙していくときりがありませんが,メジャーなところでは,
手塚治虫の「火の鳥」でしょうか。「われはロボット」に出てくる「ロビィ」
と性格が同じ「ロビタ」が出てきますし,「災厄のとき」と同じ設定を
手塚治虫色に味付けしたものもあります。
文学以外でも,「ルンバ」の製造元のIROBOT社は,タイトルの
「われはロボット=I,ROBOT」が(どう考えても)由来でしょうし。
是非一度は手に取ってほしい一冊です。
紙の本
映画化を機会にぜひ一読を
2004/08/09 00:07
2人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:APURO - この投稿者のレビュー一覧を見る
すぐれた作品や発明は、ただ名作である、というだけにとどまらず、ひとつのジャンルをつくり出し、後に続く作品群をもたらすことがある。
著者アシモフは、ロボット小説の開祖ではないけれど、彼の考案した「ロボット工学の三原則」がなかったら、小説や漫画でロボットものがここまで定着することはなかったかもしれない。
「ロボットは人間に危害を加えてはならない」
「第一条に反しないかぎり、ロボットは人間に危害が加えられるのを見過ごしてはならない」
「第一条、第二条に反しない限り、ロボットは自分を守らなければならない」
この、一見単純な三つの命題が、人間とロボットの間にさまざまな悲喜劇をもたらす。
「子守りロボットのロビイと引き離された少女は、再び彼に会うことができるのか」「正常に作動しているはずのロボットが、人間に対してうそをついた。その理由とは‥‥」など、なかなかに味のある短編がぎっしり詰まっている。
最近ハリウッドで映画化されたようで(D=ワシントンの主演で)、どうやらそれはCGでSFでサスペンスでスペクタクルのようだけれども、その原案となった本作にも、これがきっかけで陽があたればうれしい。
とくに少年少女におすすめしたいなあ。
質の低いマンガ・アニメのノベライズ本ではなく、SFにはこういう作品から入ってほしいので。
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ロボット小説で有名なアシモフのロボット3原則のロジックを題材にしたSF小説。
人間を決して傷つけず、かつ忠実であれば、決して人間を危険にさらすはずがないのに、パウエルとドノヴァンはいつも命がけです。
そしてキャルビン女史のロボットに対する愛情が深いだけに「迷子のロボット」という話の終わりは非常に切なく感じました。
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映画は映画として好きかな。でも原作とは全然別モノ。
原作は原作として読んで損無し。古典はいいなぁと思った次第。
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この作品に全く影響を受けていないロボット作品がこの世に存在するのだとしたら、ぜひ一度見てみたいと思います。それほどまでに強い影響力のある小説です。私が語れることなど今更何もありません。
決して完璧ではない個性的なロボット達のエピソードを読み進めるうちに、ロボットを愛おしく思う気持ちが芽生えて来ました。
残念ながら私は未だにこの本に登場するようなロボットと出会ったことはありませんが、いつかロビイが我が家にやってくる日を心待ちにしたいと思います。
【2005年8月1日読了】
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私は、中学生からこっちずっと、スーザン博士に恋しています。ファウンデーションも停滞空間も鋼鉄都市も大好きだけど原点はここに。
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有名な「ロボット工学の三原則」はここから。他の出版社からでている翻訳もありますが、早川のこちらをお勧めします。
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この本凄く面白かった!! …と、本気で絶賛しても良いと思えた本。いや、マジで面白かったです。割と厚さのある本なのですが、短編集形式になっているのですんなり読めます。というか、一気に読めてしまいます。面白くて読むのが止まらなかった…とも言いますが。
ちなみに映画にもなった「I,ROBOT」とは全くの別物と考えた方が良いかもらしいです。私は映画観たことないですけど。
本文はロボットにまつわる様々なお話を、ロボット心理学者のキャルヴィン博士が語る〜という形式で進んでいきます。ロボットの、「友達」である「ロビィ」の話はとっても可愛いお話ですし、「われ思う、ゆえに…」は逆に少し恐ろしいお話でもあります。ロボット三原則に基づき、決して人間に危害を加える事が出来ないロボットが、どうしても人間に対し、危害を加える結果となるとしか思えない行動をしている。何故? …といった話も多々含まれています。
本書の冒頭で、ロボット原則についてこう記載されています。『第一条 ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない』。ここで言う、「危害」が、想像を超える程に適用されているので、是非読んで驚いて欲しいです。本気でオススメ。
「SF苦手〜」とか言って読まないのは勿体ないですよ〜!!
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子供の頃に読んで、未だに覚えている本。ロボット三原則もこの本から学びました!「ロビイ」が一番好きでした。
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今更言うまでもないくらいの有名古典。
面白かった…。
なんで今まで読まなかったんだろう…
と悔やんでよくみたら、
この新訳版は最近出たものだった。
旧訳版を開いてみたら読みにくかった。
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「ロビイ」が一番好きです。グローリアとロビイの純粋さに涙腺決壊。
「堂々めぐり」には腹筋が崩壊しました。スピーディwww パウエルとドノヴァンが登場する話はスリルとギャグが絶妙の混ざり具合。
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「ロボット工学」という言葉と共に、「ロボット工学の三原則」を生み出した古典SFの名作。
USロボット社に勤め、ロボットの歴史とともに生きた、ロボット心理学者のスーザン・キャルヴィンが過去を振り返る形でまとめられた短編集。
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有名だけどはじめてちゃんと読んだ。
三原則ってそうか、こんな風に絡んでくるんだ… うまいです。
型番をニックネームっぽく呼んでるのがかわいくて好き。
SPD→スピーディ、QT→キューティとか。
全然むずかしくなくて楽しく読めました。SF苦手でもだいじょうぶと思う。
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あの有名なロボット工学三原則が出てくるアシモフのSF入門書。
ロボット心理学という面白い側面から、登場するロボットたちの行動を分析していく。「われもうゆえに」のキューティ。「うそつき」のハービィが好き。
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内容
ロボットは人間に危害を加えてはならない。人間の命令に服従しなければならない…
これらロボット工学三原則には、すべてのロボットがかならず従うはずだった。
この三原則の第一条を改変した事件に
ロボット心理学者キャルヴィンが挑む「迷子のロボット」をはじめ、
少女グローリアの最愛の友である子守り用ロボットのロビイ、
ひとの心を読むロボットのハービイなど、
ロボット工学三原則を創案した巨匠が描くロボット開発史。