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著者は日本企業を大企業と中小企業という区分ではなく製造業を中心とした国際競争を行うグローバル企業と国内のサービス業であるローカル企業に分けて考えよとし、前者にむけて政策的には法人税減税、国際会計基準の遵守、企業経営は選択と集中などグローバルな基準に準拠して戦えと言い放ち、ローカル企業は労働生産性を上げて賃金アップが必須であり、それができない企業は退出せよと説く。
地方というと仕事がないと思っていましたが、人手不足が深刻とのことで、今後益々それに拍車がかかるようです。そして、それはこれからの日本全体の姿でもあり、これからの日本を考えるとても示唆に富む一冊でした。
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最近の冨山さんの著作の中では最もメッセージ性が強いと思う。僕自身も2005年くらいに、ベンチャー企業の育成をグローバルとローカルに分けていかないと原理が違うと考えていたことがあって、まさにそれをしっかり分析してる内容。
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加工貿易立国の時代 大企業、下請け、孫請けがあり、頂点が潤うと、下も潤う トリクルダウン
現在は大企業が生産拠点を海外に移した。水平分業化、モジュール化 トリクルダウンは起こらない
日本のグローバルプレイヤーが長期的に交代してきた本当の理由
日本企業の整理統合が進まない、多くお企業が過当競争、集約が進んだ海外起用に個別撃破される
利益率が10%を越える大企業は少ない ブリジストン、コマツ、信越化学、キャノンのい
事業環境や競争メカニズムの変化の中で、しかるべき事業と機能の新陳代謝を怠った
small but global No1 ファナック、マニー、ナカニシ、ハーモニックドライブシステムズ、浜松ホトニクス、ヒロセ電機、旭ダイヤモンド工業、日本セラミック、マキタ、日本電産リード、HOYA、日本電産コパル電子、シマノ、MARUWA、堀場製作所、ディスコ、日本電産、日本ガイシ、第一精工、THK、村田製作所、ウシオ電機
グローバル経済域で生き残るには、高収益と高成長の両立
高度人材の外国人の受け入れため インターナショナルスクールの整備必要 医療 公共インフラ
日本の企業 つくりこみ、すり合わせが得意 対価が支払ってくれないところに作りこんでもだめ
トップマネジメントの多様性に欠ける 社外取締役を増やす
セブン-イレブン 地域ドミナント出店
対面型サービス産業 密度の経済性が強く効く
密度の経済性が効く業種では空洞化はおこらない
淘汰が起きにくいローカル経済圏ではゆるやかな退出による集約化がポイント
日本の非製造業の労働生産性が低いのは、生産性の低い企業の淘汰が驚くほど進んでいないからだ
地方ほど、高齢化が進み、生産人口人口が減少。若者は東京にでるという選択肢がある。生産人口はますます減少
生産性の低い企業には、ゆるやかに退出してもらい、事業と雇用を生産性の高い企業に滑らかに集約すべき
正社員、年功序列という日本型正規雇用は、メンバーシップ型雇用の日本型大型製造業にしかフィットしない。ジョブ型雇用のサービス産業にはフィットしないので、労働者が非正規雇用化していく
病院は典型的なローカル経済圏の特徴をもつ
全国的な水平統合よりも地域内における垂直統合の方が効率的
退出のキーは地方金融機関のデッドガバナンス
地方の組成は、集約によるコンパクトシティ化と駅前商店街の復活
グローバル経済圏における製造業の労働生産性は高い。ローカル経済権威おけるサービス業の労働生産性が、アメリカの半分しかない
積極的に行動人材の外国人の受け入れは推奨
サービス産業に入る外国人労働者は、低層労働者が中心。日本社会との軋轢が懸念 ショックがおこるかも
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本書では企業をGとLという経済圏の視点で分類しているが、この考え方は企業内の業務にも適用できるなと思いながら読み進めた。
(最近社内でもグローバル、グローバルと本社の基準を適用しようという動きになっているが、実際のところ個々の業務は殆どLなんだよなと)
本書については、現場経験が豊富な著者だけに、主張が具体的で、かつ熱い気持ちが込められている。
今さら私が言うことでもないが、経営者や政策策定に関わる人達にこそ読んでもらいたい。
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地方創生に興味があり読んだ。冨山氏の経済戦略提案。非常に示唆に富んでいて、様々なアイデアが浮かんでくる。冨山氏の慧眼のその先に、日本社会がどうなっていくのか、いやいや私自身はどう足掻こうか。とても良い一冊だった。
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この分類方法で、色々理解説明しやすくなりました。
これからの国内外経済を予測するのに、一つの道標になります。
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目からウロコの本だった。
グローバル、グローバルと騒ぐけれども、確かに地方ではあまり関係のない話である。ローカルはローカル経済でそれなりにやっていければ良いものを、我々はついグローバルにあてはめて考えている。
無理に首都圏に出てこなくても、無理に英語を学ばなくても、地域に密着してローカル経済に貢献しながら暮らすという選択肢もあるのだ。オリンピック選手までいかない、「県大会」レベルの優秀な人達を地方で活躍させられるよう、国には制度等を整備してもらいたい。多分彼らもグローバルよりローカルのほうが力を発揮できて、幸せな人生をおくれるだろう。
地元の金融機関の存在は重要。そんなところで働く人生も悪くないと思った。
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内容について、100%の理解はおそらく出来ていないと思うが
新しい気づきや発見がいくつか得られたという意味で
少なくとも読んで損はしない本だった。
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グローバルとローカルに企業を分けて分析している切り口がとてもわかりやすい。人口減少に伴い労働市場も地方から縮小していく、している部分は示唆を与えてくれる。
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星5つ!ローカルとグローバルをごっちゃに考えそうな過ちをただす。グローバル経済と同じ素養ではを身の回りの実情と指針を見誤る。是非、一読をお勧めします。藻谷浩介デフレの正体以来、日本のおかれている状況を紐解いてくれました。二人の見解が同じというわけではありません。健全な異なる見解の間に学ぶべきものがたくさんあります。
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世界でトップを争うグローバル経済と地域密着・公共サービスを中心としたローカル経済に分けて成長戦略を考えるべきだと主張する。当たり前に思えていたけど、実際の政策議論では「トヨタは国内生産を減らすな」「地域密着型企業の海外進出支援」などちぐはぐなものが多いことに気付かされる。
それ以上に、「Gの世界」と「Lの世界」のあり方、経済のまわり方の違いがここまで大きいものかとはっとさせられた。キャリアデザインの上でも参考になるのでは。
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G(グローバル)とL(ローカル)を理解するための一冊。
両者は別物だと理解することから始まるわけです。
著者は学者ではなく、実際にGとL双方の企業経営に携わっていらっしゃいますので書かれていることの一つ一つに実体験に基づいた重みのようなものを感じることができる一冊です。
付箋は31枚付きました。
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トランプ大統領就任含めて、色々最近と起こっていることが点でばらばらにあったが、線で繋がったような印象を受けた。近いうちに再読したい。
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「実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関の制度化に関する有識者会議」の提出資料で話題になった、冨山氏の書籍。あのおもしろ資料の前提となるGとLのお話。
簡単に言ってしまえば、日本経済を支えるのは労働集約的でスケールしない内需型産業なんだから、その産業特性に合わせた施策を打っていきましょう。というごくごくスタンダードかつ穏当な内容で、それ自体では目新しくはない。
では本書の特徴的なところは何かといえば、やはりG(Global)とL(Local)という補助線を引いたこと。この補助線を引いてあげることで、グローバル戦う産業と地域密着の産業との議論の切り分けができ、見通しがぐっと良くなる。このあたりの整理はさすが。
……はずなのだが、このGとLという補助線こそが本書最大のくせものでもある。
このGとL、一見とてもわかりやすいのだが、実際よく読んでみると幾つかの概念がごっちゃになってるのが見て取れる。知識集約的でスケールする産業と労働集約的でスケールしない産業という産業特性での区分で議論を進めているかと思えば、地方の経済と都市部の経済という地理的区分で議論していたり。確かにそれぞれの概念は相互に重なり合い密接に関係しているものの、必ずしも同一ではないし、それらの問題が同根であるとするには議論があまりに不足している。それにも関わらず、複数の概念が入り乱れとっちらかって、それらがまるっとGとLという用語でくくられている。
だから、GとLの議論をしていることは一貫しているが、その内実からは一貫性が失われている。初めは産業特性の議論だったのに、後半にいくに従ってどんどん地理的な議論、地方をどうするかという議論に横滑りしていく。そうかと思えば、また産業特性の議論に逆戻りする。GとLできれいに整理されているように見えて、実はかなり混乱している。
その混乱の結果として、提示される処方箋も、個々の企業の戦略から、地域単位の対応、国家レベルの施策までが混在する形となり、それらは相互に相容れない帰結さえも生みうる。個々の企業にとって望ましい戦略が経済全体にとって望ましいとは限らないしその逆もまた然り。
おそらく、著者自身あまり整理ができていない。もしかすると有識者会議の前に出すのを急いだという事情があるのかもしれない。初歩的な誤字や誤りが散見されるあたりも、十分な時間をかけて書かれたものでないことをうかがわせる。
さらに、より大きな問題として、こうしたとっちらかりが読み手にも多大な影響を与えてしまう。定義としてはとっちらかって曖昧であるにも関わらず、一見して明快でキャッチーな二分法であるがゆえ、読み手は各自が各自なりのGとLとを読み取ってしまう。これよって、読み手の数だけ「ぼくのかんがえたさいきょうののGとL」が出現し、議論のとっちらかりが助長される。本来、見通しが良くなるはずの補助線が、かえって混乱を助長している。
そんなわけで、本書に問題の整理や適切な処方箋を期待することはできない。とはいえ、だからと言って本書がまったく無意味というわけでもない。本書の限界を理解したうえでなら、議論を誘発し出発点とする役割を果たすことはで��る。審議会のおもしろ資料だって、そのためのものだとすれば納得感ある(本気で提言してたらまじやばい)。こうした議論を喚起する機能にこそ、本書の意義であると思う。
でも、何度も言うけど大型特殊二種免許だけは絶対におかしいからね!
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冨山さん、同感です。企業はグローバル(Gモード)と、ローカル(Lモード)を明確に分けるべき。グローバルに出て行くと、中国や韓国と競争して、トップ3しか生き残れない。スマホや半導体は典型的なGモード事業。ローカルで利益がでていれば、グローバルに出て行かないほうがいいし、無理にGに打って出ても、成功したためしはない。競争環境が違いすぎるのです。