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フォーチュンブックという占い書にまつわる連作短編。
だが、全部読んで初めて全ての全貌が明らかになるため、一つの長編と言っても良い作品。
全ての話に少しずつ謎を残しながら、最後にその謎を解いていく展開は面白かった。
しかし、最後に全ての答え合わせがなされるシーンがあまりにあっさりしていて、もう少し余韻が感じられるラストがよかったな~と思い、星3つ。
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不幸な結果しか出ないフォーチュンブック。そのフォーチュンブックを手にした人達が事件に巻き込まれていく。昭和の未解決事件を織り交ぜながら、話は進んでいく。最後の章は、あっ!!と声を出してしまった(笑)。
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本屋でPOPに惹かれて手に取った一冊。
いやはや予想外に面白かった!これだから本屋徘徊はやめられない(^_^)
災厄のみを予言するという「フォーチュンブック」が若者の間で爆発的にヒット、その影響で自殺者が多発したことからついには発売禁止にまで至り、社会現象となっていた。
そんな中ある書店でたまたま同じ日にフォーチュンブックを手に入れた7人の男女、運命の黒い糸に導かれるように彼らはそれぞれの犯罪に手を染めて行くのだった。
帝銀事件、グリコ森永事件、3億円事件など…昭和の事件史を勉強したいと思える内容でした。
この作家さんは初めてでしたが、連作短編を全部読むと長編ミステリーになるという作風のようで、最初の方に出てきた人間の名前を忘れて何度読み返したことか。。
あ、あの人とあの人がここで繋がってこうなったのね!みたいな種明かしの最終章はもうちょいじっくり読みたかったです。乙黒の犯行動機もあんまりしっくり来なかったし。
もう一度読んだら面白いかも。
とにかくびっくりするくらいみんな不幸!苦笑
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最後ですべてが繋がった。ただ、読む前に書評を読んでしまっていてかなり期待が高まってしまっていたので、正直そこまででもなかったかな。
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大好きな北森鴻さんの作品だけど、これは怖かった。偶然のようでいて、実はフォーチュンブックが結びつけた縁。それも不幸へと向かって…
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共犯マジックは,フォーチュンブックというこの世に起こりうる全ての不幸と災いを予言するための本の存在がミッシングリングとなっている連作短編集である。
長野県松本市内の書店で売られていたフォーチュンブックを購入した6人の人間と,フォーチュンブックを手に入れたその書店の店員。これら7人の人間が複雑に絡み合う作品となっている。
6つの短編は,それぞれで事件が発生し,解決が存在している。それでいて,これらの短編には,主人公となる人物だけでなく脇役として,フォーチュンブックにまつわる人物が登場している。そして,これらの短編を時系列で並び替えると,一つの犯罪をめぐる物語が浮かび上がってくるのである。
フォーチュンブックを手に入れたことで,東京に出た書店の店員である蜷川鉄治。蜷川鉄治は,フォーチュンブックを手に入れることができなかった大学生風の男木津修平,フォーチュンブックを購入した中年男である乙黒嘉吉と三億円事件を起こす。この三億円事件の存在が,隠されたもう一つのミッシングリングとなっている。
フォーチュンブックと三億円事件の二つで,それぞれの短編は一つの作品として繋がり,あたかも一つの長編の一部でもあるかのように読むことができるのだ。
この部分が評価されているのか,共犯マジックは,玄人の評価が非常に高く,短編の名手である北森鴻の最高傑作とも言われている。
しかし,個人的には共犯マジックはそこまで好きな作品ではない。個々の短編の出来がイマイチだと感じる点と,北森鴻にしてはプロットがすっきりしていて,どこか物足りないのだ。北森鴻らしく,もっとサービス精神を発揮し,もうひとひねりしてほしかったのである。そういうわけで,★4に近いのだけど,★3としたい。
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それぞれのどこが繋がるのかとワクワクしながら読めたし、それぞれの仕掛けも綺麗に統合されている。すごい。しかし、登場人物は多いし、それぞれの話で出てくる当時の事件も多いし、時系列順でもないので、名前が出てくる度に誰だったっけと前に戻ることも多く、多少面倒だった。
帯のコピーがいまいち。
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短編連作
フォーチュンブックという、人の不幸しか占わない本を中心に、それに関わった人たちの運命が微妙に絡み合い、犯罪に関係したり、暗い人生を歩んだり
実際に起きた事件と絡み合わせて書いてて、登場人物が多いんだけど、どれも意味があって面白かった
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松本の書店でフォーチュンブックを買った7人の男女が事件に巻き込まれ、事件を起こし不幸になるが買った7人が不幸の中に全て繋がって7人が事件に関わって連鎖する。
カチリと枠にはまった時、また不幸を引き起こすような場面で終わる。
読み進めるとこの人とここで繋がるのか。どこで繋がるのか?どんどん止まらなくなる題名の共犯マジックそのもの。
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フォーチュンブックを中心にした、それにまつわる連作短編集。連作短編集好きとしては、その時点で結構ポイント高し。で、肝心の内容も期待を裏切らず、昭和史に残る大事件を絡めて、意外な真実に迫っていく。それぞれの人物にまつわる短編もひとつひとつが面白くて、通底するコンセプトを抜きにしても十分楽しませてもらえた。連作短編集を得意とした作家らしいから、他の作品にも楽しめるものがありそう。
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7人の男女が偶然入手した、人の不幸のみを予言する『フォーチュンブック』。全くの偶然だったはずが、いつしかそれぞれの思惑を超え、運命的とも言える繋がりを持つようになる。『全共闘』『ホテル・ニュージャパン火災』『横須賀線爆破事件』『帝銀事件』『3億円事件』『グリコ・森永事件』等、昭和の大事件を題材にしています。単純に僕の知識が少ないからかもしれませんが・・・なんだか無理矢理な感じがします。これらの事件を詳しく知ってる年代の方が読んだら、もしかすると面白いのかもしれません。
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「フォーチューンブック」という1冊の本を中心に、実際に起きた事柄を織り交ぜながら虚実ないまぜにしながら物語は進んでいく。
連作と内容紹介には書かれているが、読んでいて普通の長編を読んでいるような感覚だった。
自主規制を版元がしたために都会では入手しにくくなっていた本。
地方都市松本で偶然に「フォーチューンブック」を手に入れた人たちのその後が描かれている。
知らず知らずのうちに絡み合っていた運命・・・運命と呼んでいいものかわからないけれど・・・は、それぞれの人生を大きく狂わせていく。
最後の1行が終わっても、まだ物語は終わらない。
残された人たちは、さらに「フォーチューンブック」によって人生を翻弄され、狂わされていくのだろう。
何ともいえないうやむやさのまま作品は終わってしまった。
第一話でモコが口にした友人の言葉は「二十歳の原点」のものだった。
あとがきに登場した先駆的な作品は「虚無への供物」だった。
どちらもすでに読んだことがあった。
なるほど。北森さんは「虚無への供物」に大きな影響を受けたのか・・・と、好きな作品だったのでちょっとだけ嬉しくなった。
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最初に読んだ時はよくわからなかったが、再読してみてそのよさがわかった。
昭和史に刻まれた迷宮入り事件の数々が『フォーチュンブック』という謎の書物によって絡み合う展開は、都合のいいように映るので、事件の真相を知りたいと言う方には向かないが、これとこれが繋がっているのか、とページを後戻りしながら読んでいると、パズルを組み合わせているような快感に浸れ、最後にはすべてがバチッと嵌まる。とても味のある本だというのが後からわかった。
でも登場する事件のことを知らない人が読んでも面白くないと思うので、ある程度の予備知識は必要。
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「フォーチュンブック」読んでみたい…でも怖い。
三億円事件とか、グリコ・森永事件とか、実際の事件をこうやってからませるミステリはすごい。購入者と店員が1つ1つの話にどうつながっているのか、最後に分かって面白かった。
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『フォーチュンブック』という不幸なことだけを予言する占いの本にまつわる7つの短編集、だと思って一章ずつ読んでいたことを途中で後悔。
いや、プロローグをしっかりと読んでいればその登場人物について無駄にきちんとフルネームが書かれている意味に気付いたはずなのに。
これは、少しずつ読まずに一気に読むべきだね。昭和の大事件怒涛のてんこ盛り。