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「最後に、この週末を二人きりで過ごそう」
ムラトの提案にケイトリンは黙って応じた。
彼は砂漠の国クルハのスルタン。その命令は絶対なのだ。
勤め先のホテルで見初められて1年あまり、彼のロンドン滞在中、
ケイトリンは常にベッドを温める愛人として尽くしてきた。
けれど、もう限界だった。心が悲鳴をあげていた。
ムラトは隣国の王女との間で政略結婚の話を淡々と進めながら、
ケイトリンには結婚後も会いたいと残酷にも申し出たのだ。
愛されないなら、せめて最後に一度だけわがままを聞いてほしい。
ケイトリンは対等の恋人としてスルタンのもとを去ると決めていた。
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読みながら聞いたことある名前があるなと思ったら、関連作品読んでたな。
その中ではこれが一番好きかな。ヒロインが目覚めていく姿に好感が持てた。
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シークものです。アラブのスルタン(王)であるムラトと愛人関係をつづけてきたケイトリン。しかし、恋をしてしまったことを自覚したケイトリンは、彼との関係に終止符を打つ覚悟を決めたけれど…
R2988『砂漠の掟に背いて』R3004『砂に落ちた王女の涙』のスピンオフ。関連作ですが、単品でも楽しめた。
自分の気持ちに嘘をついてごまかしてきたことに向き合いはじめた、大人の恋の苦さを感じるホットなロマです。
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