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四国遍路、焼畑と稲作の人の差異、尾根の文化など、四国独特の雰囲気を味わうことができた。四国の大回りはしたこおとがあるが、山あいを歩いたことがないので、いつかは行ってみたい。本書にも紹介されていた大山祇神社にも久しぶりに行きたいな。
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宗教学者・山折哲雄さんが、黒田仁朗さんを同行人として四国八十八箇所の遍路道をたどりながら、空海や坂本龍馬といった四国出身の人物を考える、紀行文。
巻末の対談で、遍路道を世界文化遺産に登録するための信仰と観光のジレンマを語っていますが、現世がかかわってくるとどうしても世俗的になってしまうのは、致し方のないことです。
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宗教学者の山折哲雄が、四国の歴史をいまに伝える地を訪れて書かれたエッセイです。
タイトルは「新・四国遍路」となっていますが、四国八十八ヶ所霊場をたどったものではありません。著者が、本書の企画の発案者であるライターの黒田仁朗とともに、興味の向かうにまかせて、自由に四国を旅してまわっています。大三島の大山祇神社や、咸臨丸の水主たちの出身地である塩飽諸島を訪れたり、坂本龍馬や高田屋嘉兵衛といった歴史上の人物たちの通った道をたどったり、さらに若き日の空海がその後の生涯を決することになった理由を四国の地に求めたりするなど、さまざまなテーマのもとで四国の名所が紹介されています。
山折自身の手になる文章は本書の半分弱を占めており、のこりは同行者である黒田の文章と、伊予豆比古命神社宮司の長宗我部延昭、真言宗善通寺派管長の樫原禅澄と山折の対談が収録されています。ただ、山折と黒田の両者が、おなじ旅の模様を語るという本書の構成に、いったいどのような意味があるのか疑問に感じてしまいました。