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新聞での連載小説だったということを、読後、他の方のレビューで知りました。湖を中心にぐるりとめぐる柔らかい風景描写が灰色の紙面を横長に切り取って、読む人をほっとさせたのではないでしょうか。
姉妹というあり方には、切れ味が強すぎるあまりに、踏み込みすぎると元には戻れないほどばらばらに崩れてしまうのではないかと、知らずのうちに張られる緊張感があると思う。だから、今作も読んでいるとひやりとしたりする。
何も起きないといえば何も起きていない、淡々とした季節の流れの中で、ふとした物事の変化が主人公を変えて、距離を置いていた世界を最後は自分の中に取り込む。自分の人生が始まる予感。
やっぱり、許すこと、受け入れることから変わるのかなあ。
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ふと手にとって買ったのに、思いの外とても良くて、今年のベストにしたいくらい。
山の湖畔に建つ食堂を切り盛りする長女、灯子。役者を夢みて東京へと出てゆく次女、悠。将来の悩みも恋の悩みも等身代の高校生、末っ子の花映。
ある思いから、この人が減りゆく湖畔に、そこに建つ「風弓亭」に残ることを至上として生きている灯子。
物語を終えて、淳次との関係性が変わったら、また違う思いでこの湖畔に残ることができるでしょう。
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よかったな~
青山さんふたつめだけれども、
この人はよしもとばななみたいな作家になれるんじゃなかろうか。
作品に漂う、さみしさややさしさ、人の温度が似ている気がするなあ。
もっと長編書いてほしいな。今読みたい。
きっと今、この人と温度が合うタイミング。
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静かにそこに生きたい人を受け入れているふりをしながら、全く受け入れない家族と一緒にいる息苦しさ。それにすら気がつかないふりをし続ける。自由って言葉は嫌い。
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湖畔に佇む休憩処を営みながら暮らす三姉妹のお話。
二人の妹はそれぞれこの不便な場所から東京に出ようとするが、
長女のあかりだけは、何もない日常からはみ出ようとせず、家族と生まれ育った湖畔を離れることをしない。
彼女の心に横たわる、家族から欠けてしまった母親への想いがどのように変化するのか。
彼女たちが暮らす湖畔のごとく、とても静かなお話。
それぞれが抱える秘密は、その言葉が持つとげとげしさのようなものがなく、最後には雪のように溶けていく。
隆史とあかりの手が触れるシーン、ものすごくドラマチックで儚い。
その一方で淳次のいきなりのプロポーズはものすごく安心感があって。
こういうのってヒューマンドラマというのですかね。
思ったより明るくハッピーエンドに終わってよかった!
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湖畔でお土産屋兼食堂を営む三姉妹の長女の
お話でした
徐々に明らかになる秘密と長女の思いと
淡々と読ませる内容って感じました
楽しめましたよ
このあとの話があるなら読みたいくらいでした
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入院中本が置いてあったけれど、読み進めにくく、なかなか読んでゆく本がない中、この本は言葉の使い方が綺麗に感じ、浸透しやすく読みやすかった。
装丁の絵も文章と合っていた。
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灯子のかたくなさ、不器用さ、読んでてしんどかった。
花映の真っ直ぐさや、悠の潔さにさらに追い詰められる感じがあって、
父、源三と似てるんだなーと切ない。
夫婦ももっと違う未来があったかもしれないのに…。
辰生くんの謎は解けた。
でも実際ここまで関わるのはアウトでは?
今後、どうなったか知りたいけど、まぁ、いいか。
三姉妹と湖という設定にこだわりが感じられて、逆にそれが個人的には重く感じた。
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3姉妹の話というだけで興味深く手に取ったけれど途中何度か読了断念を迷った。長女灯子の目線で湖畔での生活が語られる。叙情的に語られる情景は目に浮かぶようだ。けれど既に前半で飽きている自分に気づいてしまった。なんとか後半まで読み進みやっと真実が明らかになっていく終盤はあっという間で灯子の呪縛が解かれ未来が繋がっていくというラストはホッとした。