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渡世人の股旅物。現代の日本なら何時間かでいける距離だが、何ヶ月も時間をとるのはただ行けばよいというものではなく、旅の中で成長してこいという親分の思いあってのことだ。
これを読んで思ったのは私の亡くなった師匠はこの世界を地で行く人だったんだなあということ。そう思うと、よく分かっておらず失礼な振る舞いがたくさんあったことに気付く。師匠の名前を背負っているということを常に意識しないといけない。そして今の師匠に対しても気持ちを改めて接しなければ。
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初めての股旅物です
音次郎はちょっといい子過ぎます。
山本さんの小説はどれもこれも安心して読めるくらい、主人公が品行方正で順風満帆に歩みます。それはそれで水戸黄門のTVを見ているようでいいのだが、小説としては刺激が無い。
でも、ラストの音次郎の母の気持ちの描写はなかなかよかったし、時々日本語の語彙の豊富さを感じさせる短い言葉があったりしてハッとさせられる。
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親分の名代として佐原へ旅する音次郎。
仁義の切り方も知らなかった若造が、旅で出会った大人たちに磨かれる。
股旅モノです。
すいすい安心して読めたな~
この人は、短編より長編のほうが好きだわ
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いつもの作風であっという間に読了。
主人公を取り巻く代貸、貸元・・・
主人公の器量よしがいい大人を呼び寄せるのだろう。
何か起こるのだろうと先が楽しみで気になって一気読み(笑)
読んだあとの爽快感はいつも通りである。
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面白くないわけじゃないんだが、どうも音次郎がとんとん拍子で……。藤沢周平を読んだ後だと、余計にそう思うのかもしれない。
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父の本です。何気なく読み出したら止まらず…
多分夜の10時くらいから読み出したのですがこませの十郎捕り物前まで一気に読んでしまいました。
山本一力氏の本は何度か読んでいたのでこの方の本なら、と安心して読み始めました。何せ面白かったのが渡世人らしくない主人公音次郎が初めての旅で失敗だらけで苦労を重ねる所が。何事も最初に経験するときって思うように行かないよなあ、と言う親近感がもてました。それが経験を重ねることにより、本来性質として備えている音次郎の性格のまっすぐさと器量の深さが発揮されあっという間に一冊終わってしまいました。
出来れば江戸までの帰り道中もつぶさに書いて欲しかった…きっと珍道中だったろうなあ。
自分千葉在住なので音次郎が香取に赴く、と言うのも面白かったです。
後脇を固める登場人物がこれまた魅力的です。貸元はそれぞれ渋くてかっこいいですけど自分が一番かっこいいな、と思ったのは音次郎の母君です。息子の初旅に考え付くすべてを用意し、それを心良く送り出す、愛情と潔さ。それでも音次郎が帰ってくると聞いたその日から息子の好物を用意する情の深さ。今時の若い(精神的に)お母さんに是非見習って欲しいものでございます。
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時代劇は今はなくしてしまったものを現前に提示するのに、最適なんだなぁと、当たり前のことを思い出させて頂きました。筋を通す、潔さが良いですね。そしてそれを守り伝える人の姿も。
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ところどころに出てくる格言みたいな話がいい。例えば「一度いったことはひっこめない」「上の者がくれるものは断らない、うけとる」など
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義理人情全開の展開で最高でしたね!山本一力作品では、おなじみの今戸の貸元 芳三郎親分と代貸の源七の子分である音次郎が主役で、芳三郎の名代として、江戸から佐原までの器量試しの旅に出るストーリーで、旅を重ねていくうちに音次郎が一人前の渡世人として成長していく様や宿敵こませの十郎との戦いが面白かったですね!
音次郎の舎弟となった昌吉と真太郎もいい味を出しておりやした。
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いわゆる股旅物ですね。それに捕物も織り交ぜて。
ヤクザと言うより任侠の世界。しかも主人公が若くて母思いの良い男ですから、カラッとした感じでまずまずの爽快感はあります。
でもその分、深みがないというか、私が時代物に求めるしっとりとした情緒は感じられません。ストーリーそのものもゴチャゴチャした感じですし。気楽に楽しむ小説、そういった評価でしょうか。
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山本一力氏の本は初めて。
高知県出身で、東京都立世田谷工業高等学校電子科を卒業という経歴だそうで、電子科卒ならSFっぽいもののほうが得意なんじゃないかと想像するが、それとは全く真逆ともいえる、江戸の深川、浅草あたりを舞台とした時代小説の作家のようだ。
本書は友人からの借りモノだが、自身の趣向での選択なら、おそらく選ぶことはなかった。知らない土地を散策したかのような読後感だ。
「三度笠、縞の合羽に柳の葛籠(つづらこ)、百両の大金を懐にー。今戸の貸元、恵比寿の芳三郎の名代として成田、佐原へ旅する音次郎・・・」という紹介のリード。
三度笠に、縞の合羽と言えば、少々古いが「木枯し紋次郎」の「あっしには関わり合いのねぇことでござんす」が一世を風靡した時代があった。以後最近では、股旅モノは貴重な存在と言えるかもしれない。
「貸元」とは、丁半賭博の元締め。賭博で負けた客に金を貸すから貸元というのが語源のようで、現代で言えばヤクザ、時代用語なら渡世人の親玉だ。
今戸の親分に、その兄弟分である佐原の親分から祭りへの誘いの便りがあったが、今戸の親分は風邪気味で体調不良。ということで、代貸の源七の推挙をうけた音次郎が、この度初の名代として旅に出ることになった。
何にも知らない若造の音次郎が、「仁義の切り方」を徹底的に仕込まれ、初旅を心配するお袋さんに用意された、持て余すほどの備えの品を葛籠に詰め込んで旅に出る。読者は、音次郎とともに股旅道中を体験できるのだ。
道中事件に巻き込まれつつも、音次郎の持って生まれた男気のある爽やかな性格と、技量で切り抜けていく。岐路には二人の舎弟をもち、宿敵こませの十郎との勝負には、胸のすくような決着をつけ、立派に名代の務めを果たし帰ってくる。
ちなみに音次郎の好物は鰻。今でも浅草界隈に鰻屋が多い。山本一力氏はどうやら食通のようで、鰻の蒲焼の表現もさることながら、うどん屋とか、ところどころに「食」へのこだわりが垣間見られる表現が出てくる。
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内容(「BOOK」データベースより)
三度笠、縞の合羽に柳の葛篭、百両の大金を懐に―。今戸の貸元、恵比須の芳三郎の名代として成田、佐原へ旅する音次郎。待ち受ける試練と、器量ある大人たちが、世の中に疎い未熟者を磨き上げる。仁義もろくにきれなかった若者が、旅を重ねて一人前の男へと成長してゆく姿をさわやかに描いた股旅ものの新境地。
平成30年12月28日31日