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戦後、多くの浮浪児たちがいた事実はうっすらとは知っていたけれど、その実情はあまりにも過酷で醜悪で孤独。にもかかわらず、必死で「がむしゃら」に、ときに笑い、ときに助け合いながら生きぬく姿には、彼らの力強さを感じずにはいられなかった。戦後生まれの私たちは、かれらの苦労のうえで幸せな生活を手にいれたんだってこと、肝に銘じて生きねば、と思う。当時のことを「懐かしい思い出」だと語った筒井の言葉は、重い。
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本土の大空襲、3月10の東京大空襲ではわずか2時間半の間に10万人にのぼる市民が殺された無差別攻撃である。
その結果、幼い子供たちが家や家族を失い、浮浪児となった。戦争が終わるとますます悲惨な状況となり上野駅の地下で満員電車さながらの混雑のなかで暮らすこととなる、
国の施設は職員が支給された食べ物を横領し、浮浪児たちを朝から晩まで労働させたり、ひどい暴力をふるったりが日常茶飯事だったため脱走者があとをたたなかったが、そのなかで私財どころか借金までかかえてそういった子供たちを引き受けた一家もある。
国に認定されると人数を100人から70人に間引きする必要があったりと、国が絡むと上のルールに従わないといけないという難しいところもある。
火垂るの墓のような人生が戦後の日本各地であったという事実を多くの日本人は忘れていくのである。
しかも多くの日本人はそういった被害者をさらに差別する世の中なのである。
現代に生きる我々は戦後のゼロからのスタートをがむしゃらに生き抜いた多くの先人に敬意を払わなければならない。
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戦災孤児、という言葉は知っている。が、彼等についてのドキュメンタリー、ノンフィクション作品はその言葉の知名度の比にもならないほど少ない気がする。
上野の地下道だって、小説や回想録で見聞きしたことはあるが、これを読むと風景がまざまざと浮かんでくる。今ではキレイに整備されてるが、通るたびに裏悲しい思いがしてならない。
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戦争関係の本をいくつか読んでいたら、浮浪児の事に興味が出てこの本を手にした。とてもよくまとめられており、戦後の上野、闇市、養護施設などよく理解できた。