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繋がること、シェアすることが加速していくと、こんな絶望的な世界になってしまうのかと思うととても怖い。こんなこと起こらないだろう、と笑えない今があるからこそ。
ブラックユーモアの極地、デストピア小説という言葉にも納得がいった。
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「すごい、ここは天国だ」という書き出しで始まる、現代ディストピア小説。かつてのディストピア小説は共産主義国をモデルにしていたわけだが、この現代ディストピア小説のモデルは言うまでもなく Google で、誰もが内心気がついている恐怖感を具現化した。そして、これが壮大なパロディとなるか、黙示録となるかは、まだ誰にも判らない。
Dave Eggers は現代アメリカを代表する作家で、この "The Circle" も New York Times bestseller #1。本当は原著で読もうと思っていたのだが、面白そうだったので翻訳でサッサと読んでしまった。
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この物語のようなことは既に現実に起こっている。ばかばかしいと思っても世の中の仕組みから逃れられなくなっていく
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分厚めだったが一気に読んでしまった。
現代版1984、とか言われているらしく、これまでも私の人生に何度か訪れては無視されている、【今こそ1984を読むのだ】のお告げまた来た…。
主人公のメイが、「サークル」という会社の社是にだんだん染まって行く様子が恐ろしかった。
ヒトラーも、パルパティーンも、民衆に歓迎されて独裁者になった。
「サークル」もおんなじ。
私も、GoogleなりAmazonなりドコモ(こう並べると小物感あるからむしろ信じてるんだけど)なり…に個人情報を提供しまくる生活への抵抗感がどんどん薄れている。というか抵抗感はあるのだけど、それよりも「便利だからまあ仕方ない(今さら無い生活に戻れない)」という気持ちの方が勝ってしまう。みんなやってるし、それが世の趨勢か、なんてわかったような理屈で納得して、受け入れてしまっている。
安い方がいいし、早い方がいいし、楽な方がいいし、ちょっとやだなとは思っても、信念……なんて言うほどのものでもないしねえ、、ポチ、てな感じで。
こういう怠惰な心が独裁者を作るのだなあ。
頑なにケータイ持たない人、スマホにしない人、LINE使わない人、たちが時代時代にいた(いる)けど、周囲からさんざんからかわれたり文句言われたりしながらも「いえ私はmixiはやりません」と言っていたあの人みたいに高潔であらねば、とか思うその一方で、信念を貫くために死にたくはない。自分一人ならまだしも、家族が「死をも厭わず俺は信念を守る!」と言ったらどうする?生きるべきか死ぬべきか、それが問題よ…。
そんなこと考えている間に、ただの便利な道具として世界に浸透しきった「サークル」アカウントが、悪魔の全体主義ツールに変貌しちゃうんだから、トロイの木馬。
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”今年、映画も公開されており、日本封切り前に原作を読むと決めて購入。500ページ超の大作小説だけど、文体がかなり早口(?)なので、話が佳境に入ってからは思っている以上にさらさら読み進められた。
それにしても、ここまで公開されてしまう世界は怖すぎる…
ただ、主人公メイの行動を笑いとばせない自分がいる。
マーサー、カルデンの言葉にうなづきつつ、迎えた結末は・・・。
映画ではどんな風に描かれているのか、楽しみ。
<キーフレーズ>
・トゥルーユー(Ty)
・「“コミュニティ第一”知っているだろうけど、これが我が社のスローガンだ。」(p.54)
・「当社では、社員のソーシャルネットワークのプロフィールとアクティヴィティを社内活動の不可欠な部分とみなしているの。」(p.104)
★「君はつまらない人間になったよ。一日12時間デスクに座り、そのせいかとして見せられるものといえば、一週間もすれば忘れられる実在しない数字以外に何もない。君が生きたという証拠は何も残らない。」(p.278:マーサー)
・秘密は嘘
分かち合いは思いやり
プライバシーは盗み(p.323)
・「今起こっていることを止めなければ。僕は真剣だ。サークルの完全化が迫っている。」(p.340:カルデン)
・「みなさんの願いと気持ちだけを送ってください。メールやジングなどは結構です。」(p.385)
<きっかけ>
田中伶さんのビジネス書サロンでの紹介を読んで。”