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経営学の中でのコーチング、その効果と事例
2021/08/06 08:01
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投稿者:empath - この投稿者のレビュー一覧を見る
経営学の立場から、組織開発や働く人のモチベーションに取り組んできた金井壽宏先生が、近年企業経営で目覚しい成果を出しつつあるコーチングをMBAの科目に導入したことがキッカケとなって生まれた意欲的な内容。
コーチングの基本や企業にとってコーチングが如何に効果的か、企業での導入事例等が、裏付けとなるデータと共に述べられています。
ややコーチングの宣伝色を感じますが、金井氏の書いた第7章「支援学」がとても勉強になりました。支援学の提唱者、エドガー・H・シャイン教授の考えが簡潔にまとめられ、支援が求められるケースを3つのモードにタイプ分けし、コーチングがその中でどこに位置付けられるかを大局的に知ることができました。この章を読むだけでも充分に価値があると思います。
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リーダーシップの考え方が180度変わった。1回目の通読で感じたのは対話できるリーダーシップ。他人をインボルブしてぐいぐい引っ張っていくだけがリーダーシップの求められる素質かと思っていたが、それだけではない。他人も変わるし、自分自身も変化する。組織や人を同じところに止まらない、止まらせないエンジンを持った人間をリーダーと呼ぶのにふさわしいと思った。
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リーダーシップというと先頭に立ち、旗を振りながらぐいぐい引っぱ
っていく人をイメージしてしまいますが、今の時代、大声を出す人より
も静かで人間的で、この人のそばにいるのなら大丈夫と、部下の一人
ひとりが安心し、自立し、自分をリードしていく雰囲気を演出してくれ
る人の方が向いているという話もあります。
主人公はリーダーでなく、あくまで部下であるという考え方です。
部下がリーダーを盛り上げるのではなく、リーダーが部下を支援する
という立場を取ります。
ただし、部下が未熟ならリーダーの支援も空回りしてしまいます。
部下が成熟していることが条件となります。
このためリーダーにはコーチングスキルも求められます。
コーチングの語源は「目的地に人を連れて行く馬車」から来ています。
つまり「目的」がなければ始まりません。
コーチングは人間関係志向とも言われますが、ワイワイやっている
だけでどこに行くかわからないでは何の効果も生み出せません。
コーチングは目的を立てることから始まります。
そういう意味では仕事志向の一面もあるわけです。
目的を立てるためには現状を把握する必要があります。
目的に向かって走り出した後も、計画どおり目的に向かっているか
進捗状況を絶えず把握する必要があります。
著者の伊藤守さん、鈴木義幸さんが所属するコーチング・エイでは
コーチングとは、クライアントに対するサーチに始まり、リサーチに
終わるとまで言い切っています。
コーチングと似たような言葉にティーチングがあります。
ティーチングは、型をしっかり教えるという意味が含まれます。
世阿弥の教えに「 守破離(しゅはり)」があります。
徹底的に模倣を成し遂げた上で、そこを離れ、新しい自分の境地に
入るという意味で、1つのティーチングの型といえます。
自分が得意でなければ人に教えることができないのがティーチング
です。
ところがコーチングはそうとも言えません。
テニスの指導者、ティム・ガルウェイという人がテニス教室を運営し
ているときに、コーチが足りなくなり、急きょスキーのコーチに応援を
お願いすることになりました。
そのとき、スキーのコーチにはラケットを決して握らないようにさせ
ました。ラケットを握った途端、テニスができないことがばれるからで
す。
ところが驚いたことに、他のテニスのコーチよりも、そのスキーの
コーチが教えた生徒の方がテニスの腕前を上げたそうです。
自分が得意でなくても、コミュニケーションを通して、相手自身に考
えさせ、相手の能力を引き出していくのが「コーチング」です。
テニスの初心者に「ボールをよく見て打つんだ」というよりも、
「ボールはどう回転していた?」と聞く方が言われた生徒がボールを
よく見るのと同じ理屈です。
ビジ��スの世界でも同じです。
たとえば、あなたが企画づくりで案が浮かばず困っていると部下から
相談を受けたとします。
あなたの頭の中からコンテンツをはき出すのか、相手の話をうまく引
き出して、相手自身で問題を解決させるのか、道は2つあります。
前者がティーチングで、後者がコーチングとなります。
コーチングがうまく機能するには次の3つの条件が揃わなければいけ
ません。
1インタラクティブ(双方向性)
2オンゴーイング(現在進行性)
3テーラーメイド(個別対応)
この3原則をベースに「質問」「聞く」などのスキルが用いられます。
ここでいう「質問」は、わからないことを聞き出す質問ではありませ
ん。
クライアントが何を知り、何を知らないのか認識させるための手段で
す。
わたしたちの世界には何となくわかったつもりで実はよくわかって
いないことがたくさんあります。
たいてい放っておいても問題になることは少ないのですが、ビジネス
の世界ではまずいことになります。
コーチングで行う質問は、なんとなくわかっているつもりで、実は
わかっていないことを気づかせる効用があります。
ただ、誰がやってもうまくいくわけではありません。
コーチとクライアントの間に信頼関係が醸成されることが必要です。
そのためには相手の目標達成に強い関心を寄せる「マインド」を持た
なければいけません。
コーチングによってクライアントの行動に変化が現れてはじめてその
効果が示されます。
でも、そこでとどまるのではなく、今後、クライアント自身がコーチ
がそばにいなくても自分の力で環境変化への対応していく力をつけると
ころまで持って行きたいものです。
リーダーは純粋に部下の成長を願う「マインド」が求められます。
部下の成功を素直に喜べない人はコーチには不向きです。
また、ギブアンドテイクを求めてもいけません。
あくまで、相手に何が自分は貢献できるのか常に考えることができな
ければいけません。
リーダーには次のような「コーチングマインド」を築いていくことが
必要です。。
1ビジョン提示の力を養う
会社のビジョンと仕事のつながりを部下に示すことができる。
2信頼基盤を築く
率先垂範、誰に対しても公平。
3能力を適正に使う
自分の部署だけでなく会社全体のことを考え、物事を進めるスピ
ードが速い。
4関わり方が公正である
メンバーの成長、成功を考える。自分の考えを述べる前に相手の
考えを聞く。
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経営学の立場から、組織開発や働く人のモチベーションに取り組んできた金井壽宏先生が、近年企業経営で目覚しい成果を出しつつあるコーチングをMBAの科目に導入したことがキッカケとなって生まれた意欲的な内容。
コーチングの基本や企業にとってコーチングが如何に効果的か、企業での導入事例等が、裏付けとなるデータと共に述べられています。
ややコーチングの宣伝色を感じますが、金井氏の書いた第7章「支援学」がとても勉強になりました。支援学の提唱者、エドガー・H・シャイン教授の考え簡潔にまとめられ、支援が求められるケースを3つのモードにタイプ分けし、コーチングがその中でどこに位置付けられるかを大局的に知ることができました。この章を読むだけでも充分に価値があると思います。
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対話を重ねることを通してクライアントが目標を達成に必要なスキル、知識、考え方を備え、行動することも支援し、聖かを出させるプロセスがコーチング。
特に重要なのが聞くスキルと質問のスキル。
究極的には学習を通して自律性、思考力、関係構築能力が向上し、変化への適応力が高まっていくこと。
・目標の明確化
・現状の明確化
・その間のギャップの把握
・行動策定
ある目標を達成したいときに、なぜ達成したいのか、達成すると自分や会社、顧客、社会にどんなよいことがあるのかを性急に動く前にまず目標の価値をとことん明らかにする。
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■概要
神戸大MBAでのコーチングの教科書。
コーチAの鈴木義幸さんらの共著です。
■仕事に役立つ点
フィードバックや面談等で必要なスキルだと思いますし、
仕事上、上司の立場では必須のスキルですね。
改めて勉強しようと思って読みました。
言うは易く、行うは難し。
Knowing-Doing Gapを如何に埋めるかが問題ですね。。。
(はっせー)
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コーチングの紹介に終始していて、MBAクラスで教えている内容としては簡易なのではないか。リーダーシップへのつながりが良く見えず。ただ、コーチングを理解するには良い書籍だと思う。
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まさにCOACH Aのビジネスコーチングとは?を
すっきりとわかりやすくまとめた一冊。
感覚的には、知識という点でとても基礎的な印象であるが、
改めて、コーチングはその基礎が基本であり、
それがほぼすべてであるといえるほどの根幹ではないかと感じる。
ここで、1つ考えたい視点として、
「プロセス」というキーワード。
プロセスとコーチングを共に考えるとき、
プロセスに働きかけることがコーチングであり、
結果を出すことにコミットするが、
結果にコミットしないということだとわかる。
そして、
そのコミットは現在だけにコミットするのではなく、
むしろ未来にコミットしているのだということも。
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コーチエイのコーチングと理解したが、神戸大MBAでもコーチエイと同等のトレーニングとクライアントとしての経験ができらのだろうかと、気になりました。