紙の本
大きなものから一転して確信の芥子の実へと誘う
2013/06/22 04:06
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kwt - この投稿者のレビュー一覧を見る
フランク・アローズの「ヒッグス粒子を追え」を読んで,科学的フラストレーションが溜まり,素粒子物理学におけるヒッグス粒子の姿を知りたく,「重力とは何か」に続けて読んだ,二冊目。
アローズさんには申し訳ないが,パリティ対称性やその破れの必然性,カラー,フレーバー,チャーム,いろんな素粒子の違いが解説されており,一応,大満足!だって,未解決なんですから,「一応」です。
「重力とは....」は大きなものを対象にしているが,「強い力と弱い力....」は素粒子を剥いで行き中心の芥子粒をイメージしようとするもの。
大栗さんの二冊は一組です。大きい方から小さい方の順で読むのがお勧めです。
こうなると,実験物理学の巨大試験装置を実現させた裏話も聞きたくなる。モード2とか,いろんな手練手管を使ったんでしょうね。
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自然界に存在する四つの力。うち重力については前著『重力とは何か』であつかったので,ということで,本書は残りの三つの力について。つまり,標準模型の解説だ。中でも特に謎の多い「弱い力」が主役になっている。
話題のヒッグス粒子についても詳しく,決して水飴のようなイメージでとらえられるものでないことや,万物の質量の起源では全然ないこと,「神の粒子」でもないことを丁寧に教えてくれる。
ヒッグス場は電子やニュートリノ,クォークに質量を与えはするけど,それじゃ普通の物質の質量の1パーセントにも満たない。クォークを閉じ込める強い力のエネルギーが質量の起源のほとんどだそう。
あと,ヒッグス粒子の解説本のタイトル「忌々しい(Goddamn)粒子」が編集者によって変えられて「神の粒子」になっちゃったとか。これが独り歩きして,大々的に報道されちゃったなんて,ホントかな?でも世の中って案外そういうものかもしれない。
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2013/2/2 Amazonより届く。
2013/4/1〜4/8
先日読んだ「重力とは何か」に続いて読んだ大栗先生の本。今回は、ヒッグス粒子に絡んだ強い力と弱い力の話。しかし、頭の良い人の説明はやはりわかりやすい。ヒッグス場によって質量がうまれる理屈がなんとなくわかったような気になった。大栗先生の履歴を見ると、学生時代キャンパスですれ違っていたかもしれないなぁ。物理を志していた人間としては、自分の才能の無さも痛感させられる本であった。
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ヒッグス粒子は「万物の質量の起源」ではないということが知れただけでも読む価値がある.
-- 以下超個人的評価基準 ☆5: 絶対に読んでほしい ☆4: 興味があれば,特に読んでほしい ☆3: 興味があれば,読んでほしい ☆2: あまりお勧めしない ☆1: お勧めしない
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標準模型を中心に据え、弱い力とヒッグス場との関係などを丁寧に解説している。かなり深いところまで解説されているので楽しく読むことが出来た。
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これまで読んだ素粒子関係の新書で最も読みごたえのあったものです。6-3-3制の例えや対称性の破れについてなんとなく理解できました。
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前作が面白かったので購入。
よりディープな内容になってますね。
所々理解できない所もありましたが、全体としてなんとなくイメージは掴めたかなーといった感じです。
南部さんはすごいなー。
前作の方が一般受けは良さそうw
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現役バリバリの素粒子物理学者である筆者が、前作「重力とは何か」に引き続き一般人向けに書いた解説書で、書名通り強い力と弱い力をわかり易く書いたものである。それらの解説は、素粒子の標準模型の解説でもある。湯川秀樹博士の頃から、素粒子物理の理論と実験の進展を逐一解説し、多くの研究者によって作られてきたこの理論が、ヒッグス粒子の発見で完成した、と説明する。わかり易くと言っても難解な理論であり、読み進むにつれ次第についていけなくなる。何度も読み返さないと、分かり易くまとめた本書でさえ理解は覚束ない。時々垣間見える筆者の天才ぶりに驚くが、それくらいでないとこの理論の本当の理解が出来ないのだろうし、アインシュタインの言う「本質の高貴さ」は辿り着けないのだろうな、と思った。
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対称性の自発的破れに関する南部陽一郎の例え話だけでも悶絶ものだが、そこかしこに物理学者達の名言が散りばめられている。
そしてそれらを絡ませながら当方のような門外漢にも物理が理解できるようにとそれこそ美しい理論のように整然と説明をしてくれる著者。
まさに”サンキュー”としか言いようがない。
ただやっぱり悲しいかな、前作『重力とは何か』の内容を忘れてるんですな、読み返しますか、、、でも著者の最も身近であろう人物である奥さんでも理解できるまで25年かかってるらしいからね、気にしない気にしない。
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研究室の帰りに夜空の星をながめながら、この答えを知っているのは世界に自分しかいないという感動を覚えることは、研究者なら誰しも経験することでしょう。(「あとがき」より)
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去年の朝日カルチャーセンターの講義で、重力について非常に面白い講義を行っていただいた大栗先生の著書。この時読んだ、「重力とは何か」が、非常に分かりやすくて面白い内容だったので、今回も期待して購入した。
本書に関係する内容を、朝日カルチャーセンターの講座で講義をされたようなのだが、残念ながら参加する事が出来ず、本書で勉強しようと思った。大栗先生の著書は今回も非常に分かりやすく、面白い内容で期待以上のものだった様に思う。
学生時代は物理学科で、ご多分に漏れず素粒子や相対論に憧れたものだが、結局古典物理で学生を終えてしまった。今更ながら、量子論を学びたいと思っており、こうした啓蒙書を読みながら、教科書を読もうと思っているのだが、本書は読み物としても興味深く、おそらく正しいイメージをつかむ事の出来る書き方がしてあるのではないか。
科学関係の記事ではよく取り上げられたヒッグス粒子についても、今までの説明にはなかった書き方で理解しやすい様に感じた。強い力と弱い力を美女と野獣に例えているのも、とても面白くて理解の助けになっている。物理を学んだ事のない人も、かつて学んだという人もどちらも楽しめる内容だと思う。
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【ロマン】
人間の常識に無理やり当てはめようとするから、難しいのかもしれません。
われわれの常識は、いま生活している状況(次元)がもとになるため、異次元の発想は当然、受け入れられるはずもなく、夢物語(何をバカなことを言っているのだ、こいつは。。。)の世界になってしまいます。
しかし、このよくわからない世界を追求し、単純明快な解を得ることは、未知の世界と戦うロマンがあります。
われわれが想像できない、全く異なる次元で単純な法則が存在するのかもしれませんね。
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強い力と弱い力といえば、重力と電磁気力と合わせた『統一場理論』の完成が待たれる力です。以前読んだ本に出てきた力なので理解が深まればと読んでみましたが、感想は、某物理学教授の台詞を借りれば「さっぱり分からない」といったところでしょうか。
平易に書かれていて難解ではありませんでしたが、一切頭に残っていません。残っていることとしたら、CERNの加速器は凄いと言うことと南部陽一郎氏がノーベル賞を受賞した「自発的対称性の破れ」が類まれな偉大な発見だったいうことぐらい。でも、その偉大さの片鱗を味わえただけでも読んだ価値があった気がします。
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現状では強い力と弱い力に関して、もっとも分かりやすい入門書。理論と実験の到達史を手際よく伝えてくれている。
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これだけ難しいテーマを、これだけ平易に書ける人は、きっと他にいないと思います。
強い力や弱い力を説明する標準模型について、完全に理解できたとは言い難いですが、この本を読む前に比べれば、かなり理解が深まりました。
やはり、説明が丁寧な本は必要ですし、物理現象を定性的に捉えることは大切ですね。
改めて、そう感じました。