紙の本
SFらしくない可愛い表紙
2022/03/29 05:35
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投稿者:如月 弥生 - この投稿者のレビュー一覧を見る
久しぶりの翻訳SF。表示のイラストからは想像できないテイストのSF集でした。確かに表題「たんぽぽ娘」に限ってはマッチしているのかもしれないけれど、他はほぼ違う。裏表紙には「甘く切なく美しいヤング傑作選」と描かれていますが、それがあてはまるのは前半の6編までではないかと思う。前半の6編は楽しめました、特に「河を下る旅」「神風」は良かった。後半は読むのが苦痛でした。テッド チャンの「あなたの人生の物語」は楽しめたんだけどなぁ〜。翻訳SF苦手になったかも。歳をとって好みが変わったんですね、きっと。
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文庫で再読。
おとといは兎を見たわ、きのうは鹿、今日はあなた。
たった一文で恋に落ちたことを表現する素晴らしい訳文。
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未来から来たという女のたんぽぽ色の髪が風に舞う。「おとといは兎を見たわ、きのうは鹿、今日はあなた」……甘く美しい永遠の名作「たんぽぽ娘」を伊藤典夫の名訳で収録するヤング傑作選。全13編収録。
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奇想コレクション最終回配本。で持っているのに
文庫本を買ったのは、ざっくりとした短い話で
ふわっとしたい気分になりたいときに
ポケットに入れておけるから。
それにしても、ちょっと前まで
入手困難な幻の名作がうちに3冊もある。
ネットで英語版、苦労して読んだ反動だ。
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SF短編集の中に収録されていたヤングの作品を読んでから、代表作と言われているたんぽぽ娘が読みたかったので購入。少女漫画のような幸せなボーイ・ミーツ・ガールと、圧倒的な世界観が調和している素敵な短編集でした。他の短編も読んでみたい。
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全13編の短編集。作者の作品は初読。『ビブリア古書堂』シリーズで取り上げられたことがきっかけで手に取る。表紙の装丁も好み。作品の雰囲気を如実に表す。ロマンティックでハッピーエンドの話がほとんどである。大筋は王道と言ってしまえばそれまでだが、SF的要素が加わり面白い。短編であるため、気軽に読める。あとがきによると、作者の長編はイマイチなようである。訳者は日本と関わりのある作品の邦訳に意欲を示しているようなので、そちらに期待したい。
『たんぽぽ娘』『荒寥の地より』『第一次火星ミッション』『11世紀エネルギー補給ステーションのロマンス』が特に印象的だった。最後の作品は、ありふれた童話がまさかのSF化していて意表を突かれた。こういうアレンジもありだろう。
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知らない内に文庫で発売されていて迷わず購入!
たんぽぽ娘は何度読んでも、みずみずしい作品だと思います。
その他の作品も、不思議な気持ちや切ない気持ち、色々な感情が湧き上がってくる素敵な作品ばかりです。
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・R・F・ヤング「たんぽぽ娘」(河出文庫)の 「編者あとがき」にかうある。「ヤングの短編集を編むとき、ぼくが特化したのは、ロマンスものーーというか、彼のボーイ・ミーツ・ガールものである。ほか の作家ならいざ知らず、彼の作品中ずばぬけた出来ばえを見せているのはボーイ・ミーツ・ガールものとそのさまざまなヴァリエーションだった」(384 頁)。確かに、これはこの通りの短篇集である。これ以上でもなくこれ以下でもない、ボーイ・ミーツ・ガールもの集成である。巻頭の「特別急行がおくれた日」から最後の「ジャンヌの弓」までの全13編、外れはない。どれもおもしろい。
・巻頭の「特別急行がおくれた日」は蒸気機関車運転手ルークの片思ひである。最後はプロポーズしようと思つたルークが「そんな日が決して来ないことも彼は知つてゐた。」(17頁)と終はる。想像通りだし、ありきたりで予定調和だとも言へる。しかし、主人公の雰囲気、物語の雰囲気が良い。これは他の作品にも言へることで、ヤングの特質でもあらう。3作目「エミリーと不滅の詩人たち」は異色作であらう。ボーイ・ミーツ・ガールならぬガール・ミーツ・ボーイズで ある。しかもそのボーイズは生きた人間ではない。「アンドロイドの詩人」(53頁)である。エミリーは博物館の補助学芸員であつた。そこに展示されるテニ スン、ブラウニング、フィッツジェラルド等々、エミリーはこれらの「誰からもかえりみられない詩人たちに、深い同情を寄せ」(55頁)てゐた。ある時展示 替へとなり、詩人達は文字通りお蔵入りとなつた。ところが、エミリーが新展示の自動車にその詩人達を乗せてみたところ、それは上司にも好評であつた。「そうだね、お手柄といってもいいかもしれんな。ミス・メレディス。理事会も喜ぶんじゃないか。」(72頁)といふわけで詩人達は展示の中で生き延び、エミ リーは詩人達との朝の対話を楽しむのであつた。恋愛ではなく、しかも相手は生身の人間ではない。それでもこれはロマンスと言へばロマンスであらう。これは私の好きな作品である。普通のロマンスが好きではないからかういふのを好むといふことがあるかもしれない。しかし、それ以上に「アンドロイドの詩人」の機械さ加減、いや奇怪さ加減と、それに対するエミリーの反応、態度が楽しい。ある意味、これも恋は盲目である。そして、これが古めのSFであるからこそかういふ味が出せたのである。最新の知見をもとにしたSFであつたらとてもこんな雰囲気は出なかつたはずである。「第一次火星ミッション」はたぶん火星探検ものである。物語はかう始まる。「宇宙船はラリーの家の裏庭で建造された。」(204頁)そして、その「最後にコントロールパネルを取り付けた」(205 頁)。それは「一九五七年型フォードのダッシュボードである。」(同前)そんな宇宙船で火星に行つた少年は〈火星の女王〉(210頁)に会ひ、ナイフを忘 れてきてしまつた。それがかうなるのである。「地球管制官『リード中佐、いましがたかがんで、なにか拾いあげていたが、ひょっとして科学的に興味を引きそうなものでもあったか?』」(218頁)さう、「真実をいったとしても、誰が信じてくれるだろう?」(同前)これはSFといふよりファンタジーであらう。 少年が会つたのは〈火星の女王〉であつたが、成人した中佐は何を見るのか。錆びたナイフだけなのか。科学的でないSFであるからこんな雰囲気が出るのであ る。表題作「たんぽぽ娘」はおもしろい。正統的なボーイ・ミーツ・ガールもののSFである。しかし、私はこれらの相当に崩れた変奏の方により惹かれたのであつた。
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13編収録の短編集。
有名な「たんぽぽ娘」はヤングらしいロマンチックさあふれる作品。未来から来た少女に恋をした妻を持つ男の恋模様を描いた短編で、結末の鮮やかさにはため息が漏れます。
そのほかでは「河を下る旅」もおススメ!二人の男女が出会いによって希望を持ち、再生していく姿、そしてこちらもラストに息が漏れます。
「エミリーと不滅の詩人たち」は詩人のアンドロイドの管理をする学芸員の話。詩人たちのアンドロイドでは採算が取れない、ということでアンドロイドは破棄され、新型自動車の展示スペースにされそうになり…
誰も不幸せにならないオチのつけ方が見事なだけでなく、未来の技術への希望を文学で表現するSF作家だからこそ書けた短編であり、そしてその二つをどちらも肯定する結末を書けたのだと思います。
「11世紀エネルギー補給ステーションのロマンス」は読み始めたときはハードSFかと思いきや、読み終えるころにはおとぎ話に様変わりしているという、ある意味ビックリの短編。こんな話を書けるのはやっぱりヤングだけだと思います。
ただ一方で設定が複雑な短編もいくつかあり、そうした作品は世界観がいまひとつ理解しきれず、結局後半に収録されている短編の多くがななめ読みになってしまったのが残念なところ。翻訳ものもそこそこ慣れてきたつもりだったのですが、まだまだ足りないのかなあ。
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「ジャンヌの弓」を残して、一旦読了とする。
表題作も他の作品も、後で思い出すと気分が悪くなっていく。どうしてだろう? 今の私には相性が悪いようだ。
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おとぎ話のような雰囲気のあるロマンチックなSF短編集。表題作の『たんぽぽ娘』のみ既読でしたが、やはりこれが最高の出来。
『エミリーと不滅の詩人たち』『主従問題』『神風』『河を下る旅』も好み。
面白くないなと思うものもあり玉石混交の感はあります。
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全体的に、とてもカラフルな印象。
SFなので、とても読みにくい箇所も多々あるけれど
それでも面白い。
そして、たんぽぽ娘が一番好き。
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表題作ほか数篇だけ読了。
表題作、話題になっていた(ビブリアのために)のは知っていたけど、それとは関係なく「一昨日は一昨日は兎を見たわ、昨日は鹿、今日はあなた」ってフレーズだけ、全然別に覚えがあって、なんでだろう・・・って思っていたんだけれど、今になって氷解した。CLANNADのことみシナリオだこれ。
ずっと気になっていたので読んでみた。思った以上にSFラブロマンスで、思ったより相当、良かった。これは素晴らしい。そして逆にまたCLANNAD見たくなる。
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話の流れ内容がなんとなく分かってしまって残念というか、たぶん私自身が ヤングにリスペクトされた 作家さんの作品を読んできた年代のために 分かってしまうんだろうなって思います。たぶん こちらが源泉!!
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SFというか村上春樹的な話で、人間の心の機微を題材にしたものが多く、また男女の交際もかなりの頻度で物語のキーになっている。短編はどれも楽しめたものの、表題にもなっているたんぽぽ娘自体は普通のタイムパラドックスものでした。