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読み始めてすぐ田舎者の私は東京駅の線の話とか分からんくて、とりあえず読むに徹したけど短編短編で多少つながりもあって、途中からは人間味もありスラスラ。 鉄オタさんでなくても楽しめると思う。 仕事小説みたいやから 友達に電車の運転士おるから薦めてみようと思う。笑
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一番大事な時に東京駅で助けてもらった五人に感謝を伝えたく、亡くなった弟の夢でもあった東京駅の駅員となって、感謝の言葉だけではなく、五人の置かれている環境に驚きつつも、一緒になって解決していく新人駅員の物語です。各章一人と解りやすい構成で、最後は主人公の奥に潜むモヤモヤをさらけ出し、自分を乗り越え、次に向かって歩いていく、そんな物語でした。ひさびさにストレートって感じでした(笑)
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朱野帰子の『駅物語』は東京駅で新人駅員が新たに駅員業務を覚えていく物語。ただ、この新人には東京駅で駅員にならなければならない(と信じる)理由があった....
鉄オタや駅員の実態といった、普段目につかない世界と利用する駅でもよく見かける駅員の実態を混ぜ合わせつつ、小説として幹を成しているのは主人公と弟との関係だ。
そのあたりと駅員の関係が少しギャップがあるようで、どうしても駅というと人身事故との絡みがでてきてしまうので、少し怖い。
しかし筆致は柔らかでストレートで読みやすい。逆に読みやすすぎてあまり残らない?妙に文学的である必要もないが、多少読み応えというか表現に重みが欲しいような気もするが、それがもしかしたら著者のあるいはファンの望むところなのかもしれない。
あまり人の目の触れない職務を中心とした小説が他にもあるので、もう少し読んでみたい。
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かつて助けてもらった5人を探すというのは現実には難しいだろう、弟の夢を引き受けて駅員になっちゃう?とかツッコミどころは満載だったけど東京駅の裏側、駅員の仕事、擬似体験ができたように読了した。クセモノの同期、指導員、上司、との絡みも大変そうだけど直ちゃんはうまくやってきりぬけていた。最後は同期に助けられて…東京駅に行けば彼女に会えるような錯覚をしてしまいそうだ。
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東京駅の駅員はかなり冷たくて、まるで機械のような人間で苦手に感じていた。本書ではその東京駅が舞台で、東京駅で働く駅員の物語が繰り広げられる。
物語はざっくり言えば、主人公の弟が言ってた「駅は奇跡が起きる場所」の言葉通り、5人の恩人に恩返しをしていく奇跡を起こす物語である。正直言って、展開は非現実的でご都合主義であるが“駅のリアル”について書かれていたのが凄く良かった。
本書に書かれた駅員の業務は以下の通り。
運賃、時刻表、路線を全部覚える(しかも改正されまくる)。ホーム監視では遅延を極力発生させないようにする。理不尽なクレーム対応。泊まり勤務も当たり前にあり、休みが取りにくい。などなど、鉄道業界になかなか人が集まらないのも頷けるハードな仕事内容。それに付け加えて。
「駅員を殴らないでください」の注意勧告ポスターが日常茶飯事で行われていることにも驚く。主人公の上司の「乗客は我々を人間だと思っていない」という言葉が刺さる。しかし、駅員からすると乗客も人間と思わないんだろうな、と思う。
世の中楽な仕事なんてないが、駅員の大変さは我々には伝わりにくい。体験したら1日で音をあげそうなものだ。本書を読んで、駅員の過酷さが伝わった。東京駅の駅員が苦手だったが、心を殺して機械のように淡々と対処するのも無理もない話だと思った。これからは駅員のことも気にかけるようにしよう。
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現在、ハマっている作家さん、朱野帰子さん。
東京駅が職場って色々な人の人生を垣間見ることになるんだろうな。
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「大事なことを三つ言っとく。緊急時は非常停止ボタン。間に合わなければ走れ。線路に落ちたら退避スペースに入れ」 酔っ払う乗客、鉄道マニアの同期、全自動化を目論む副駅長に、圧倒的な個性をもつ先輩たち。毎日100万人以上が乗降する東京駅に配属された若菜は、定時発車の奇跡を目の当たりにし、鉄道員の職務に圧倒される。臨場感あふれる筆致で駅を支える人と行き交う人を描ききった、書き下ろしエンターテインメント!
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東京駅の舞台裏、という感じの物語である。電車が定時にやってきて、何事もなく目的地に到着する、という普段気にも留めないことの裏側に、これほどたくさんの人の努力や苦労や緊張や覚悟があるのだということに、改めて感謝したくなる。なんて過酷な仕事なのだ、という思いとともに、責任と誇りをもって業務にあたっている駅員さんたちの姿に敬意を表したくなる。一方、そんな彼らも普通の人。プライベートな悩みも屈託もあり、人間関係の煩わしさに悩まされたりもするのだが、日々少しずつ、相手の立場に立ち、相手を慮ろうとする姿勢も見られるようになり、じわじわとなくてはならない存在になっていくのである。何かあった時に、頼りたいと思う仲間がいることに胸が熱くなる。駅員さんウォッチを目的に東京駅に行きたくなる一冊である。
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まぁまぁ面白かった。
TVドラマになりそうなストーリですね。
ただ、少し盛り上がりにかける感じはする。
弟の死により、自分の将来を変えちゃう。
親族の死は相当な影響だろうが、好きでもない仕事をするっという方向にいくのが、多少の強引さを感じた。
男の子は鉄道の遺伝子をもって生まれてくるっというようなセリフがあったが、強く同感。
1才になる息子は、車・鉄道が好き。
娘にもない熱狂ぶりに、共感をいだいた。
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2016/8/27 40%くらいまで読んで期限切れもあり返却。中々面白かったので、また、あらためて読みたいです。
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【刺さった内容】
ベテラン駅員、出雲さんの言葉。「失敗を乗り越えたことがない人間は自分に自信がない。空っぽなんだ。それを埋めようと自分以外の誰かを思い通りに動かしたくなる」299ページ
【糧になったこと】
この物語に登場する駅員は色々あるけど、最後は鉄道員としての誇りを持って仕事をしていると思います。
今の仕事を始めた時の目標、初心は何だったかを考えました。
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すごく読みやすい。
映像化されてほしいと思う本NO.1
文学としては薄さも感じるけど、娯楽や映像化脚本的にはこれくらいの軽さがちょうどいい。
軽い移動時間に読むのにちょうどいい一冊。
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「電車は人が動かしている」
電車通学じゃないから電車に乗ることも少ないけれど、生活する上で欠かせないもので、それを機能させているのは、私と同じような人達なんだなってことを、ちゃんと考えたことがなかったな、と思った。
人身事故のシーンが衝撃的だった。
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東京駅の駅員になった女性が、駅員になりたい夢を持ちながら亡くなった弟の気持ちを理解しようと、日々様々な業務トラブルに見舞われながらも、1年前に自分を助けてくれた5人を探し出し、日々成長していく話。
探していた5人が、普通というよりむしろ心の闇や複雑な事情を抱えている人たちだったのが意外だった。それが、弟の死や、仕事・駅に対する複雑な想いを自分なりに乗り越えていくきっかけになっているのだろうけど、あまりに個性とエピソードがインパクトありすぎて、ちょっと再会できた後の充足感・爽快感が削がれてしまった。先輩駅員や同期、上司も個性が強い。実際にこんな駅員ばかりだったら職場環境、大変だろうなと勝手に想像した。
ただ、日本の電車が世界一正確で安全だと評価されるのは、鉄道技術だけではなく、駅員の皆さんの地道な努力あってだと実感。駅員も職業の一つといえばそれまでだけど、人身事故の後処理をする駅員の気持ちを察すると、電車が遅れる、なんて安易に鉄道会社に怒りの矛先を向けるのは間違っているなと思う。駅員や乗務員という仕事に少し関心を持つきっかけになった1冊だった。
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タイトルに惹かれて購入。
東京駅を舞台にした女性駅員の物語です。客とのトラブル、人身事故、案内など普段駅で目にする駅員の裏側を描いています。
朱野さんは、「今日、定時で帰ります」「海に降る」など、働く女性を主人公にしている物語が印象的です。本作品でも女性が主人公で一見、駅に駅員に憧れをもっていると思いきや、どこか秘密を抱えています。
連続ドラマっぽい仕上がりになっていて、ドラマ化になってもアリなんじゃないかと思うくらい、楽しめました。
ニュースで聞く人身事故や他のトラブルの裏では、壮絶な現場だということが、マイルドに描かれてはいますが、駅員さんには頭が下がる思いでした。
私も接客業をしていますが、まぁ自分勝手な人が多すぎるなと改めて読んで思いました。同じ人間なのにムカつくったらありゃしない。怒る理由はわからないでもないですが、こちら側も努力しているんですからと思わず言いたくなります。
この本を読んで、駅員の苦労を理解してほしいと思ってしまいました。
登場人物も個性あふれる人たちで、飽きさせませんでした。
どこの職場でも嫌な人、ソリが合わない人がいます。また、なんとなく入社した、好きだから入社した、入ったきっかけは様々で、仕事の向き不向きがあります。
すぐに辞める決断もありますが、悔いのない人生を一生懸命送って欲しいなと思います。
一生懸命がんばっている姿に自分も頑張らなきゃなと思わせてくれました。
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「わたし、定時で帰ります。」の著者が描く駅を舞台としたお仕事小説。
駅での出会いを描いた作品かと思いきや、若菜直と言う女性の駅員の成長の物語。
東京駅に配属になった若菜直は、1年前に東京駅で倒れた時に助けてくれた5人の人を探す為に、内定の決まっていた大手企業から東本鉄への入社を決めた。
最初は駅員の仕事にそれほど興味のなかった直だったが、鉄オタを隠して駅員になった同期の犬塚、見た目は派手だけど、実は努力家の同い年の由香子、ぶっきらぼうで少し乱暴な先輩・藤原たちと接するうちに、駅員としての自覚が生まれて来る。
後半の駅員の人格を無視したSNSへの誹謗中傷などに傷つく様子などは、ここ数週間話題になっている自殺した女性へのSNSへの書き込みを思い浮かべずにはいられなかった。
確かに毎日駅を利用していても、駅員さんの人格などを意識したことなど、今まで一度もないかもしれない。
1人1人の駅員さんの努力で、日本の、特に首都圏の緻密なダイヤでの運行が守られていることを考えさせられた一冊。