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AIが人間を超える日が着々と近づいていることを実感できる。人間の存在意義を考えさせる本ってとはある意味宗教や哲学に近いかも。
エンジニアとしては、今後の金の種になりそうなのはやはりこの分野か、と再認識。
スタンフォードでこの分野のPh.Dでもとれば一生食ってけそう。
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図書館より
2020年の東京オリンピックには自動運転車を実用化させる、というニュースを聞き、運転の得意でない自分にとっては、おお!すごい、と思いましたが、一方でAIがそこまで進んでいることに驚いたのを覚えています。
そうしたAIの発展の裏には脳科学の研究が進んだことが関係しているらしく、そうしたAIの研究の流れや現状、またグーグルやソフトバンクのペッパー、将棋の電脳戦などについても触れられています。
本の中で今後10~20年間でコンピュータやロボットに仕事を奪われそうな職種、とあって、その中に「データ入力」や「小売店のレジ」といった事務だけでなく、
「料理人」や「給仕」も90%以上で職を奪われる、とありまた驚きました。
こうしたAIや人工知能にグーグルやソフトバンクといった大企業が参入するのは、今後の事業の広がりやビックデータとしての活用を見越してのことらしいです。
AIは「機械学習」というセンサーから得たデータを解析し、それを基にし認識能力や理解力を高めていく技術があるそうで、まさに人間が学習していくようにAIも学習していくようになっているみたいです。
そして、自動車や様々な機械に自社産のAIや人工知能を使い、またデータを集めAIのさらなる改良に努める、そうして生まれたAIがあらゆる産業で使われれば、世界を全産業のロボットや機械に自社のAIを使うことも夢ではない、
だから今、各国、各社がAIの開発に力を注いでいるそうで、こう考えると、本当に一つの企業が世界を支配するのも夢ではない気がします。
いったん、一つの社がすごいAIを開発し、それがシェアを占めれば、集まるデータ量が多い分、さらに改良が進み、他のシェアの低いAIは勝ち目がなくなる、ということもあり得るのかな、と思います。
人工知能が将棋でプロに勝ったり、オーケストラを作曲したりとAIが芸術や思考力、直観の点で人間に近づいていることが分かります。それは著者曰く、人間の持っていた創造性が、最近のコンピュータにも芽生え始めているとします。そして、それがいつかおそらく人間を超える、人間はそうした人工知能を生み出すだろう、とします。
なぜなら、環境問題や原発などすでに人間の手に負えない問題に対し、そうした人間を越えた知能を持つ人工知能が解決する可能性を持つから。未来へ向け、そうした人工知能といかに協力するかが大事だということが示唆されます。
人工知能の可能性について、少し恐ろしく感じるところもありましたが、その一方で希望も感じられる本でした。
山本弘さんの『アイの物語』の人間とアンドロイドの未来が本当に現実になるのかもしれない、と少し思いました。
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最近のコンピュータ知能は驚異的能力のレベルに達し、今後更に進展していく。歴史を概観し、日本の技術的立ち位置の危うさを憂い、人類にとっての未来を考える。
何となく機械より人間が偉いように刷り込まれて来ましたが、冷静に見るなら、機械の方が能力高いよね。
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20151205
グーグルやその他ベンチャー含めた多くの企業がAIの開発をしている。今は自動運転の自動車が注目。しかし、法整備など課題が多い。また、正面衝突の際に誰を守るか…など倫理的問題も。ファットテールの扱い。
また、パターンを人間が入れる方式ではなく機械自ら学ぶシステムが必要。脳の働きを取り入れた深層学習。
脳の動きを解明することでより進化していく?
また。AIが人の仕事を奪うことも。しかし、機械ができる仕事は人間がやるべきものでなく、人はもっと付加価値のある仕事をすべきとの考え方もある。
人は人間を上回る知能を持ったAIは生まれるのか?生まれたとして、人は機械と共存できるのか。
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AIとは…みたいな本は過去に数冊読んだが、
これを読んで思ったのは、
AIとは"大量のデータの奪い合い"と"そのデータの活用"の2つを指し示すのだろうということ。
今まではオンライン上のデータ(EC、SNS、閲覧記録etc)のみだったのが、
人のもつ全てに近いデータを使おうとされている。
これらのデータから人の一体なにが見えるようになるのか
気になるようなそんな気がします。
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さまざまなことを考えさせてくれる良書。
手塚信者としては、AIの進歩を手放しで歓迎しているふしはあったんだよね。でも本書を読んで、
「ん?それほど楽観的に構えられないのでは?いや、実は相当にやばい状況なのでは?」
という気がふつふつとわいてきた。多くの論者が指摘するように、AIが人類最大の敵になっちゃうんじゃなかろうか、と。
著者は「人間にしかない『何か』」があるってことで楽観してるんだけど、それって本書に登場してた「チェスや音楽は人間にしかない『何か崇高なもの』を体現したものだ」と素朴に信じる人物と同じ楽観なんじゃないかなと思う。
「強いAI」が登場したら、チェスの評価がそうであったのと同じように、人間そのものの評価ががたっと落ちちゃうと思うんだよね。そうするとどうなるか。僕たちが常識と思い込んでいる倫理や道徳が大きく変わるだろう。そのとき、社会ってのはどうなるんだろうか。そんなことを考えて身震いしてしまう。
かといって経済を考えると、AI開発を禁止することなどできるはずもなし、いや難しい問題っすわ、AI。
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KDDI総研のフェローが、コンピュータと脳科学の融合により研究開発が急速に進んでいるAI(人工知能)について、その現状と将来の見通しを解説している。
本書で著者は以下のように述べている。
◆AIの研究開発は、1950年代に本格的に始まったが、当初の技術の「ニューラルネット」(脳を構成する無数のニューロン(神経細胞)のネットワークを工学的に再現したもの)は、「脳科学」というより「数学の産物」に過ぎなかった。しかし、2000年代に入り、脳科学の研究結果をAI開発へ本格的に応用した「ディープ・ニューラルネット」と呼ばれる技術により「パターン認識能力」(音声や画像を認識する能力)が飛躍的に高まり、近年中に「言語処理能力」が大きく進化すると考えられている。
◆更に、脳科学との融合は、AIについて、「パターン認識」や「言語処理能力」などの特定の用途に使われるツールに過ぎないと考える「弱いAI」という思想から、人間と同じく汎用の知性を備え、いずれは人間のような意識や精神さえも宿すようになると考える「強いAI」という思想へ転換しつつある。
◆この技術の飛躍的な進歩により、近年は、掃除ロボットやドローン(無人航空機)などが生み出され、自動運転車などの開発が進められている。こうしたAI技術は巨大なビジネスチャンスを生み出すものと捉えられ、グーグル、フェイスブックなどの世界的なIT企業が研究開発体制を急速に整えている。日本の産業界も後れを取ってはいけない。
◆一方で、AIは進化の過程で自然発生的に自らの意志を持ち、それを作り出した人類の意図とは全く違う方向へ発達してしまう危険性(究極的には人類を滅亡させる)を秘めているとも言える(「コンピュータ2045年問題」)。理論物理学者スティーブン・ホーキング氏やビル・ゲイツ氏など、多くの有識者が警鐘を鳴らしている。また、更に現実的な懸念としては、AIが人間の雇用を奪う恐れがある。
◆AIは今や、将棋やチェスでその世界のトップレベルの人間を破り、多くの人がバッハよりもバッハらしいと感じるような曲を作るレベルに達し、更に、ある領域で学んだ事柄を別の領域へ応用する「汎化能力」を示し始めている。
本書により、AI技術が凄まじいスピードで進歩しており、それが人間の生活やビジネスを大きく変えつつあることは認識できた。
一方で、予測不可能なAIの進化が人類の滅亡を招く懸念があるとなると、未だ映画や小説の中の世界としか考えられないものの、生命科学の場合と同様に、科学の進歩の行き着くところには、従来では考えも及ばなかった問題が立ち現れるのかもしれないとも思う。
現代科学技術の最先端の一部に触れることができる。
(2015年3月了)
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よくここまで調べて書いてくれたものです。
総論として「人工知能の発達」は人類の味方だということは誰もが認めるところだと思うのですが、その裏に色んな世界があることを知り、勉強になりました!
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ここ数年話題になっているAIの話。SF好きとしてさわりくらいは理解したいと思い手に取って半年かかったか。しかし読んでよかった。問題点、期待される点、現状はこの本が出版されてからまた少し変わっているのだろうが、話についていけるくらいにはなった。
何より最後の辺りが好きだ。半年かけてでも読んでよかった。それだけの価値があった。
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AIの現状についての新書。
コンピューティングの速度がムーアの法則で上がり、それにソフトウェアの進化が加わり、人間の創造的活動をコピーできるようになってきた。そもそも人間の創造的活動自体が、過去の経験の組み合わせが中心であり、それを創造的であると祭り上げていることがほとんどである。
それなら、ビッグデータの計算能力さえあれば、組み合わせ能力自体はコンピューターには及ばず、あとはアルゴリズムで良いものを絞り込めれば良い。
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『これまで人間とコンピュータ(機械)を分ける最大の要素は、「創造性」あるいは「独創性」にあると考えられてきました。
しかし作曲活動のような最も人間的で創造的な作業までもが、コープ氏の言う「音楽データの量とそれを構成する能力」などという無機質なコンピュータ科学の対象となりつつある今、その本質があらためて問い直されています。
一体、創造性とは何なのでしょうか?』
AI技術の急速な進歩とAIが様々な産業に与える影響について、人間がそれとどう向き合っていけばいいのか、表面的な議論は一通り出来ている入門書。
AIがこの先、どの領域まで担っていけるのか。自動化の先にある、人間であれば求められる価値判断はいかに処理・処置されうるのか、そこが一番重要なんだと思う。
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人工知能の危惧もそうだねも、どちらかというと電子端末市場がGoogleやAppleに奪われたようにAIというあらたなターニングポイントにおいて日本はまたもや出遅れるのでは?という主張の方が強く感じた。
日本は果たしてドイツ産官学でのインダストリー4.0やアメリカGE社(ゼネラルエレクトリクス)が打ち立てたインダストリアル・インターネットといったような時代の潮流に遅れを取らないか、多くの人が今一度見つめなおさないといけない。
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めちゃくちゃ面白かった。当該分野が過去の歴史から現在の潮流、未来の展望含めニュートラルな筆致で情報が網羅されていた。
AIに負けたとき、ひとはその分野を大したことなかった、と言う。
それから一部の米系IT企業が世のシステムを構築して寡占してしまうんじゃないかという怖さも感じた。
それからプログラミングの方法論というか、考えうる変数をプロットして回帰曲線を作っているのはなるほどなと思った。コンサルタントが良く使う考え方、ツールな気がする。
AIに絶対なしえない人間たりえる領域が創造性と考えられたけれど、結局過去の経験の異なるAとBを結び付けられる能力という点ではAIはそのあたりを侵食してくる可能性がある。
人間が人間たりえるのは、むしろ曖昧さ、抽象的でルールに縛られない対応なのかもしれない。
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AI 研究の歴史と成果,そして現在の研究,未来の姿をわかりやすく解説している.素人でもわかるように原理を説明していて読みやすい.
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【備忘録】
■そこでべイズは次のように考えましたーー「最初から、そんなに理想的な確率(客観確率)を得ようとしたら、一歩も前に進めないよ。それよりも最初は不正確でもいいから、自分で適当に確率(主観確率)を決めておいて、そこに実験や測定の結果を反映させて、徐々に確率を改良していこう。そうすれば、いますぐにでも仕事を始められるから、こっちの方が便利だよ」という発想です。これを数式で表現したのが、べイズ確率の基本である「べイズ定理」です。(p94)